セツルメント運動における医療職としての作業療法

医療職がセツルメント活動に関わった時に、医療的知識を「正しさ」として、「教える」という立場に立つことは少なくないと考えられる。
専門性が高いと、よりその傾向は強くなる印象がある。
セツルメント活動が医療領域よりも社会福祉領域で受け入れられ、継続しているのは、「教える」立場でなく、「いる」ことの大切さを提示しているとも考えられる。ある福祉領域でセツルメント活動をしている方は「私たちは見るスパンが長いしねー」と言っていた。時間的な側面もあるのかもしれない。

作業療法は医療・福祉領域で活躍できる職種で医療職と言われている。
私自身は訪問リハビリテーションという、クライアントの方のお宅に訪問して、その人の目標に向かってリハビリテーションを提供していく仕事をしている。

ある認知症の方とは認知面へのアプローチの一つとして書道を行っている。本人が以前おこなっていた作業の一つで、身体性、認知面へのアプローチとして行なっている。
クライアントだけでなく、私も一緒に書道をする。クライアンは以前行っていただけあり、中々の腕前で、「同じ調子だと、おもろくないよ。力を入れたり、抜いたりして書いた方が、おもろいよ」と一本調子の私の書き方へのアドバイスをしてくれる。

医療の領域でも「作業」を中心とすることで、様々な環境や人間関係を形成することができる。これは作業療法士の専門性で、その強みは大きい。
これらの強みは、「セツルメント活動」において医療職としてでも作業療法士が専門性を活かしながら活動できるのではないかと考えている。

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