新年度予算案:千葉経済圏の確立と社会資本の整備

新年度予算案のうち、「千葉経済圏の確立と社会資本の整備」の分野について紹介します。
経済産業分野は就任後、職員と様々な意見交換を重ね、短期的な政策拡充と、将来に向けた挑戦が並行して進んでいます。取り組んできたことに目途が立てば、今年は予算だけでなく、経済分野で様々な明るいニュースを発信できるかと思います。

<産業の振興と企業立地の促進>

○ 働き方や産業の転換期を迎えている中、将来を見据えた産業の誘致・創出を図るため、成田空港周辺・かずさアカデミアパーク・幕張新都心・柏の葉・北千葉道路沿線・アクアライン着岸地周辺など、本県経済を牽引していくことが期待される地域について、現状や将来性、優位性などを調査します。

○ 成田空港周辺地域について、成田空港の更なる機能強化を最大限生かした 地域の活性化に向け、脱炭素地域づくりや産業形成、地域資源を活かした魅力的な都市形成などを検討します。

○ 成田国際空港へのSAF(※)の導入により、脱炭素社会の実現や本県経済の活性化を図るため、地域資源を活用したSAFのサプライチェーン構築の可能性について調査を行います。
※SAF… Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)の略称で、木質系廃材や廃食油などを原料とし、通常の化石燃料よりも二酸化炭素排出量を削減できる航空燃料。

○ 京葉臨海コンビナートについて、日本をリードするカーボンニュートラル コンビナートへの転換を促進するため、立地企業等で設置した協議会を運営するとともに、業種を超えた企業間連携プロジェクトの推進に必要な調査を行います。

○ 洋上風力発電について、適地である太平洋沿岸地域において、地元の合意 形成を図りながら導入の検討を進めるとともに、県内企業の洋上風力発電関連産業への参入を図るマッチング商談会等を引き続き実施します。さらに、洋上風力発電の導入を関連産業の集積など地域経済の活性化に繋げていくための基礎調査を行います。

○ 新たなエネルギーとして期待される水素について、今後まとまった需要が見込まれる物流・地域交通事業の動向や効果的な供給方法などを県内の複数地域において調査します。

○ 各地域における課題解決に向け、様々な分野で中小企業や大学など多様な 主体が連携して取り組む実証実験を支援します。

○ 県内へ立地する企業等を支援する立地企業補助金について、近年の賃借立地ニーズの高まりを踏まえ、本社や研究所等の賃借での立地を対象とする「賃借型」の制度を創設します。

○ 健康・医療分野のものづくりを促進するため、中小企業と医療機関等のマッチングや製品開発の支援を引き続き行うほか、販路拡大につながる展示会への出展を支援します。

○ 優秀な起業家を育成していくため、起業家の発掘から経営支援まで一貫した支援を引き続き行うほか、小中学生を対象とした起業体験や高校生・大学生等を対象としたワークショップを開催します。

○ 県内インキュベーション施設に入居する、革新的な技術を有するベンチャー 企業に対し、地域経済を牽引する企業へと成長を促すための短期集中的な伴走支援を行います。

○ 優れた技術を有する中小・ベンチャー企業の販路拡大を促進するため、国内外の展示会への出展や企業の開発部門とのマッチングに対する支援を拡充します。

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<中小企業・小規模事業者の経営基盤強化>

○ 中小企業振興資金について、感染症対策に加え、今後の災害等の突発的な 資金需要にも対応できるよう、必要額を計上します。

○ 感染症の長期化や物価高騰等により厳しい経営環境が続いている中小企業を支援するため、伴走支援体制を強化します。
・ チャレンジ企業支援センターの無料相談を引き続き実施します。
・ 中小企業の事業承継を促進するため、専門家による訪問相談を拡充します。
・ 事業再構築に取り組む中小企業に対し、専門家による伴走支援を拡充します。

○ 中小企業と企業の成長に必要な人材をマッチングする「プロフェッショナル人材戦略拠点」について、小規模事業者への支援を充実するため、体制を強化 します。さらに、小規模事業者への伴走支援の強化を図るため、身近な支援機関である商工会・商工会議所等が体制を充実させるための支援を行います。

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<雇用対策と人材の育成・確保

○ 感染症の影響から回復途上にある雇用状況を好転させるとともに、今後 深刻化が見込まれる中小企業の人手不足に対応するため、各種支援策を充実します。

○ 特に令和5年度は「ジョブカフェちば」において、工業高校や高等技術専門校と中小企業のマッチングを促進するための体制を強化します。さらに、 高等技術専門校の入校促進のため、訓練科の新設等に伴う施設整備を行うとともに、工業高校との共同パンフレットを作成するなど情報発信を強化します。

○ また、多様な働き方を推進するため、女性や中高年齢者を支援する「ジョブ サポートセンター」において、在宅ワーク希望者の就業支援など、新しい働き方のニーズに対応するための取組を拡充します。さらに、働き方改革やテレワーク の導入に取り組む中小企業等に対しアドバイザーを派遣するとともに、特設ホームページを開設し、テレワーク可能施設の見える化など効果的な情報発信を行います。

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<観光立県の推進>

○ 新しい旅のスタイルであるワーケーションについて、モニターツアーを通じた企業と受入地域のマッチングやPR動画による情報発信など、企業での制度導入を促進するための取組を拡充します。

○ 国内外に本県の魅力を発信するため、観光プロモーションや教育旅行の誘致 などに総合的に取り組みます。特に令和5年度は、観光情報サイトのリニュー アル整備を行うほか、レンタサイクルを含めた県内周遊観光プロモーション、 千葉県誕生150周年記念事業に合わせたデジタルポイントラリーなどに取り組みます。

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<社会資本の整備>

○ 県民生活の利便性向上を図り、県内経済の活性化や観光振興につなげるため、 多様な交流・連携を支える道路ネットワークの整備を強力に進めます。
令和5年度は北千葉道路をはじめ、アクセス道路や地域に密着した道路の 整備を推進し、銚子連絡道路横芝光町~匝瑳市間と長生グリーンライン長南町道~県道茂原大多喜線間の供用開始を目指します。
また、圏央道大栄~横芝間の令和6年度開通に向けた整備を促進するほか、 通学路の安全対策に引き続き取り組みます。

○ 物流拠点としての港湾機能を強化するため、千葉港千葉中央地区埠頭の 再編整備に引き続き取り組みます。また、洋上風力発電施設の受入れのための名洗港の改修工事や千葉港海岸船橋地区の国直轄による浸水対策を進めます。

○ 建設業の魅力をPRし、将来の担い手の確保につなげるため、児童・生徒などを対象とし、三次元空間をデザインするゲーム(マインクラフト)で道路や建物の制作技術を競うコンテストを行います。

○ 誰もが利用しやすい駅となるよう、エレベーターやホームドアなどのバリア フリー設備の整備に対する助成について新たな料金制度を踏まえた拡充を行い、 整備促進を図ります。

○ 地域公共交通におけるデジタル技術を活用した交通サービスの導入を促進するため、市町村等が行う実証実験を支援します。

○ 「県有建物長寿命化計画」に基づき、庁舎・県立学校・警察施設等の県有建物について、建替えや大規模改修、計画保全等に取り組みます。

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堂本県政時代に財政危機に陥り、強力な財政再建を進める中で県有施設の老朽化対策が先送りになってきた面があり、基金を着実に積み立てながら対策を進めていく必要があります。

財政再建を進める中で人員削減も進めてきたため、工事を設計できる技術系職員の不足も深刻です。民間の技術系人材を増やすことと合わせ、この点についても手当てをしていかなければなりません。
今後も短期、中長期、両方に目配りをしながら、千葉県の将来の活力向上を図っていきます。

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