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左の名を持つ右 - 自由民主党はほととぎす

 自由民主主義、リベラル・デモクラシー。

この言葉は右か左、どちらのイメージを持っているだろう。
言葉だけを聞くと多くの人が左と思っているのではないだろうか。

しかし自由民主主義の名を持つ自由民主党は左ではない。
自由民主党は1955年の保守合同に保守政党が合同してできた保守政党、つまり右である。

 そもそも右とか左とか、右翼左翼とは何か。

フランス革命の時代の議会の座席が、右側が保守、左側が革新だった事が右翼・左翼の名前の由来だ。

右翼は特権階級による特権の維持を目指すための社会制度を支持する保守層、体制・身分・名誉・伝統的な社会格差や価値観の構造を維持することが目標。対義語は左翼や革新。※ウィキペディア
左翼はより平等な社会を目指すための社会変革を支持する革新※ウィキペディア

つまり、
右=保守は特権階級の特権維持や格差の維持を目標としていて平等は望んでいない。
左=革新はより平等な社会を目指すための社会変革を望む。

わかりやすい右と左は、例えばイギリスの二大政党、右の保守党vs左の労働党。古くからの支配層による体勢維持の保守vs労働者。これは名前からもわかりやすい。

 20~30年位前の日本にはこのような右対左の構図があった。
今では絶滅危惧種のようになってしまった社民党、旧日本社会党が二大政党として自民党と肩を並べていた。

自由民主党vs日本社会党。名前だけを見ると一見、左対左のようだ。。
しかし保守体勢維持を求める政党vs平等な社会を求める政党、右対左だ。
これがかつての日本だった。

旧ソ連のゴルバチョフ書記長がかつて「日本は世界で最も成功した社会主義国」と言った。
多くの国民が持つ日本のイメージ、民主主義のイメージ、リベラルデモクラシーのイメージ、それは社会民主主義だ。社会党がバランスを保って成りたっていたのだ。

 しかし1991年のソ連崩壊、1993年の細川護煕内閣の頃から自由民主党は分裂と増殖を繰り返し保守の数を増やしている。自由民主党出身者により作られ、自由民主党同様に保守である事がわかりにくい名前の保守政党が増えているのだ。

新自由主義を掲げる小泉内閣が自民党をぶっ壊すと言ってさらに分裂増殖し、ほぼとどめを刺された旧社会党は今や絶滅危惧種になり、右にとって左はもはや敵ではない。ぶっ壊れたのは自民党ではなく右対左の政治の構図だ。

自由民主党が分裂増殖して、同じ人達による保守政党なのに、名前のイメージにより保守だと思わない国民は自由民主党以外の野党の選択肢が増えたと思い、左の支持は分散させられた。

また社会主義の他の国で独裁が起きている事は社会主義とは別の問題であるのに、メディアにより社会主義と全体主義や独裁主義が同じであるかのように混同させされ悪いイメージにすり替えられた。民主主義が資本主義と同じであるかのように話が混同させられているのと同様に。

しかし結果、右である保守の勝利、左である革新の敗北。

 しかしこれはまやかしによる勝利だ。自由民主党も分裂して増殖した政党も、特権階級や格差の維持を目標としていて平等は望んでいない保守政党である事を、多くの国民が理解した上で選んでいないと思えるからだ。
それに自由民主党支持者の中には、リベラルデモクラシーの名前のイメージで選んでいる人もいるのではないだろうか。

わかりにくい名前とイメージにより右vs左という事実は伏せられた上で、
わかりやすい言葉を使い、国民に正しく理解させて選ばせようとする変わりに、わかりにくい言葉やイメージで世論操作して勝つ事は卑怯な事で、正しい事ではない。普通の民間企業がやれば詐欺罪だ。

しかし結果として今や、平等を求める政党は瀕死、今や特権階級や格差の維持を目標としていて平等は望んでいない保守政党ばかりなのが実態だ。
保守による保守の体制維持の道筋の違いが今や選択肢であるかのようだ。

 20~30年位前の二大政党時代の右対左、この構図の意味が保守体勢維持を求める政党vs平等な社会を求める政党、である事を、全国民がちゃんと理解していただろうか。

今も全ての国民が理解しているだろうか。

旧支配からの平等は未だ勝ち得ていないのだ。vs状態なのだ。
それを理解せずイメージだけで選ばれていないだろうか。
それとも理解して平等を放棄したとでも言うのだろうか。
そうとは思えない。

保守が支配してきた歴史が全国民にとって平和だっただろうか。保守が自分達だけの損得を国益としてきて全国民を振り回してきてはいないだろうか。保守が我々を将棋盤の駒のように使ってきてはいないだろうか?保守が自らを保守である事をわかりやすく全国民に教える努力をしただろうか。保守が特権階級や格差の維持を目標とし平等を望まない事には大義はない。

保守は物事をあたかも難しい物であるかのようにとにかくややこしく言葉を歪めるが、本当は根本的な事はシンプルな事だ。シンプルであることを皆が理解すれば困る者が歪めているだけだ。


 安倍政権以前は右と言えば街宣車であり、自由民主党が右であるとは言われなかった。近年は安倍政権、自由民主党が右である、という話はよく耳にするようになった。

 自由主義、民主主義、色々な解釈があるようだが、これは自民党の言葉の攪乱と同様、屁理屈や意味不明としか思えない物だらけだ。
言葉を何とか捻じ曲げてごまかそうとしているのだろう。


1600年東インド会社設立
1789年フランス革命
1868年明治維新
1991年ソ連崩壊


明治維新に資本主義の仮面をつけて保守は保守である事をわかりにくくした。そして自由民主主義、リベラルデモクラシーの言葉は捻じ曲げられて利用されている。

長い長い時間が経ってもフランス革命はまだ完結していない。
それとも200年後にこっそりと終わらせられようとしているのか。

ほととぎすはうぐいすの巣に卵を産み、すりかえる。気づかないうぐいすは敵の卵を温めさせられる。

保守の卵を国民はそうと知らずに温めさせられ革新がいなくなった時にほととぎすが飛び立ってしまうのか。


本当の民主主義が特権階級に支配される事でない事は確かだ。

多くの人が自由民主主義だと錯覚していた正しい民主主義である社会民主主義。どうか本当のリベラル・デモクラシーが守られてほしい。






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