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いざ奈良。奈良少年刑務所

絶対やってはならない三つ

1、死なせない
2、燃やさない
3、逃させない

元刑務官Sさんは、この施設だけではないですが、との前置きのあと、
表情を曇らせ「私は三つとも経験があります」と苦く語った。


2022年もあとわずかで暮れる。各地旅行に出かけた中、もっとも心に刺さったのは11月で見学ツアーを終了した、奈良少年刑務所。星野リゾート改装前最後の特別公開ツアーの備忘録を書く。



●洗面器は入浴時一回25杯まで(シャワーはない)。実際に自分が銭湯で数えてみると、ぎりぎりの湯あみ量でしかない。

石造りの浴室

●独居房に入り扉を閉められる、恐怖の囚人体験をさせてもらう

食事の受渡口

●食堂からみえる赤レンガの正門、”正しいことは天のみぞ知る” 何気に書かれた言葉にどんな思いが去来したのだろうか。

採光が明るい食堂

●非人道的なため、現在は使用不可の懲罰房。体育すわり、または直立するだけの空間かつ暗闇で2-3日過ごすのはどんな絶望感だったのだろう。

●洒落た門構えは、遊園地ドリームランドと間違えて来る観光客も

ロマネスク建築の美

●五箇所の監房を監視口から見渡せるハビタントシステム
 落下事故を防ぐために二階廊下と一階天井に鉄柵が設けられた。

中央看守センターからの眺め

●”るろうに剣心“の撮影用の牢獄←刑務官さんは佐藤健に会えなかったとかw

食器の木製受渡口に、毎日味噌汁をこぼし扉を腐食させ逃亡を計画した者。
刑期を終え、一般生活に戻ったあともその三割がまた塀の中に戻ってくるという。
すべて実話、どのエピソードも生々しく重々しかった。

明治五大監獄のひとつで、すべて現存する唯一の赤レンガ建築であり、赤レンガの重要文化財としては日本最大。元刑務官による非公開部分も案内してもらいユーモアを交えた丁寧な解説だった。重厚なレンガつくりはもちろん、貴重な建造物は罪への戒め遺産としてできるだけ残してもらいたい、と切に願う。



2023年、日本で世界で
どうかみんな平和で幸せに生きられますように。


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