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もし,ヤスミン・アフマド監督がいなかったら...

7/25 はマレーシアの映画監督:ヤスミン・アフマド監督の命日。

代表作「TALENTIME」は配給がつかない時期から自主上映や映画祭で何度も上映されてきたが,とうとう日本上映権が9月で切れるらしい。


はじめてのマレーシア映画は2007年大阪アジアン映画祭「ムクシン」
マレーシア新潮流の特集で,百貨店上の劇場(現PARCO)で「ムクシン」を観た。
何度もあちこちに書いたから,ひつこいと思われるだろうが, 実は涙腺崩壊してしまった。泣かせる結末でも悲劇が起こるわけでないのに,涙が止まらなかったのだ。

ストーリーは小学3-4年生のオーキッドと近くに越してきた年上のムクシンとの初恋。
オーキッドは男子に混じってサッカーしたりお転婆で,曲がったことが大嫌いな女の子。一方,ムクシンは親と離れて暮らす家庭環境が不安定な男の子。二人で自転車二人乗りして出かけたり,凧上げをしたり,遊んでるうちにムクシンが家庭事情で引越しすることになり...

別れの日,にムクシンは凧をメイドさんに託すのだが,色恋よりも遊び盛リオーキッドには彼の気持ちが伝わらず。凧なんかいらんわ, 戸棚上に置いといて,とつれない。でもちょい気になって凧を手に取ると
“・・・・”  何かメッセージが書いてある。(観客には見えない)
まさか! 
とオーキッドは走ってムクシンを追いかけるが,追いつくはずもなく, 映画は終わってしまう。

”一体何が書いてあったのか“ 
という上映後の質問に,ヤスミン監督は,答えをはぐらかした。
”そのメッセージについてはもうみなさんわかっているはず“

本当に大事なとき,その一瞬を捉えることができるかどうか。
答えはひとつではない。正しさもひとつではない。そう教えてくれたのもヤスミン監督だった。

「タレンタイム」の映画を観てマレーシアを知ってくれた人も大勢いるにちがいない。毎年7月末,小さな上映会やアジア他文化の映画祭など,どこかで語り継がれてきた映画のひとつだ。

民族や貧富や宗教の壁,ひょっとしたらジェンダーさえも超えて,寛容な優しさで包みこむ“ヤスミン・ワールド” 未見の人には是非見てもらいたい。そして,音楽も素晴らしいねん。
マレーシア友人から,タレンタイムCDを買って送ってもらった時,視聴したマレーシア華人が「ふだんマレー音楽とか聞かんけど,このCDはいいね!」と。
軽く,民族の壁を乗り越えていたw

以下 配給会社ムヴィオラさんnote
ただいま 東京・大阪・京都 ほかで絶賛上映中

#TALENTIME


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