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ひきこもり支援活動の3つの柱

私は元ひきこもりです。現在はその経験を活かすために「ひきこもり当事者団体」を、福岡市で立ち上げました。今後、ブレずに活動を続けていくために、ミッションなどの「幹」となる部分を作っています。

当団体のミッションは「ひきこもりの当事者自身の手で、幸せな生き方をデザインする」ことです。その達成のための活動は、大きく3つの柱により支えられています。それぞれの柱はこのミッションを実現するための重要な役割を果たしています。今回の記事では「活動の3つの柱」をご紹介します。

1つめの柱:「ひきこもり当事者ケア」

私たちは「人間らしさ」を尊重し、幸せに生きる道を共に探します。誰もが安心して過ごせる「居場所」を提供し、生きる気力を取り戻していきます。

具体的には、毎月ひきこもり当事者会を開催し、そこでの対話や交流を通じて居場所づくりを行います。そこでは美味しいコーヒーを飲みながら、自分自身の気持ちを整理していきます。

実は、私は就労していた頃はカフェで働いていました。少しばかりコーヒーを入れることが得意なので、それを生かして居場所づくりをしています。

当事者会は「無断欠席」「途中退室」も自由です。参加する人が気持ちよく過ごせるよう、最低限の配慮だけお願いしています。団体名であるNienteはイタリア語で『無』という意味です。ここでは、何かを強制されたり、否定されることはありません。

2つめの柱:「ひきこもり予防活動」

現在、不登校や休職状態の人々が深刻なひきこもりに陥らないよう、新しい生き方を共に模索します。それぞれの個性や能力が最大限に発揮できるような「気づきの機会」を作り出します。

具体的には、フリースクールでの講師活動や、こども食堂のボランティア活動を通じて、その実現に取り組んでいます。

フリースクールに通う子どもたちは、学校には行けないけれど好奇心は旺盛です。私が得意としているコーヒー、料理、園芸、AIといった分野を子どもたちと一緒に学んでいきます。学校ではなかなか触れる機会のない分野を体験し、人生にはさまざまな生き方や可能性があることを知ってもらいます。

私が参加させていただいている子ども食堂では「食育」を行っています。有機野菜や無添加の食材を使って、子どもたち自身が昼食を作ります。安心安全な食材を通して、健やかな心と体づくりをお手伝いしています。長年培った飲食業の経験や、キッズスクールのインストラクター経験を生かして食育のボランティア活動をしています。

今後は、子どもたち以外の予防活動も実施していきます。

3つめの柱:「コミュニティー活動」

ひきこもり問題は、当事者と支援者だけでは解決が難しいと認識しています。それゆえ、ひきこもりの人々が社会に受け入れられ、多様性を尊重する文化が広がるように、啓発活動を行います。私たちは、ひきこもりの人々の思いや背景を社会に伝え、理解を深めることに尽力します。

具体的には、「ひきこもり啓蒙活動の実施」「関係者以外への活動内容の共有」そして「SNSを通じた情報発信」を行います。

ひきこもりの人たちが生きやすい環境を作り出すことは、とても重要だと考えています。適切な支援が行われ、本人が勇気を出して何かにチャレンジしても、周囲に偏見や差別の眼差しがあると、継続してチャレンジすることが難しいと考えているからです。これは私のひきこもりの実体験に基づいています。

ひきこもり当事者やその家族に寄り添うだけでなく、「ひきこもり」の人が前向きに生きていけるように、周辺環境を整えていくことに尽力します。

まとめ

これら「活動の3つの柱」を通じて、私たちはひきこもりの当事者自身が幸せな生き方をデザインすることに全力で取り組んでいます。それぞれが自分らしく、安心して生きられる社会を実現するために、私自身の強みを生かしながら日々の活動を精進してまいります。私たちの活動にご理解とご協力をいただけますこと、心よりお願い申し上げます。

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