フォローしませんか?
シェア
私は20cm程度の茶色の紙袋を持って、作業テーブルに向かった。 丸椅子に腰かけて、隣の車椅子に座っている相手と目くばせをする。 その相手の女性は、短い白髪で目が大きく、小柄な人だった。私の行動をやさしい小動物のようなまなざしでじっと見つめている。 私は紙袋からコーヒー豆を取り出し、手動のコーヒーミルの本体へそそぐ。辺りがコーヒー豆のいい匂いに包まれる。 カラカラっときれいな軽い音を立てて、豆は本体の底へおさまっていく。 「さ、やりますか」 と私は言った。女性は