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わたしやかぞくのはなし

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わたしやわたしをとりまく家族たちの話です。
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#この街がすき

星がぼやけた日

 その日、私は片手にアイスを持っていた。  それは「パピコ」という名前で、2つが隣り合わせの双子みたいな形をしていて、ぱきっと真ん中を割って、チューブ型の容器の先端の凹みがあるところをハサミでカットして、チューチューとシャーベットを吸い出して食べるアイスだった。  パピコは公会堂の冷蔵庫で先ほどまできんきんに冷やされていた。その片割れを持っている右手の指先が冷えてきた感触で、私は時々パピコの存在を思い出した。少しずつ口にくわえてチョココーヒー味の中身を味わう。  蚊にさ

くまのぬくぬく日記④

12月11日(月)【京都番外編】 ◾️ホテルのWi-Fiは落ちなかった 起床。 ホテルに泊まっていると 毎回起きた時に一瞬 「ここどこだ!」 となる。 いつもの寝ぐらではない。 ベッドも硬い。 そして、隣には誰もいない。 寝癖だらけの頭をかきむしりながら、顔を洗う。旅行バッグに入っていたスプラトゥーンをテレビの前に設置する。Switchの電源を入れてホテルのWi-Fiに繋ぐ。 ロビーに行くとおひ○ちさんが今日もスプラをやっている。 私がバンカラオープンのお部屋を立てると、

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朝パグランプリへの助走

浜離宮恩賜庭園と和傘

「お会いしたいんです」 という一通のお問い合わせメールを頂いたのは、冬の寒さが和らいできた今年の春の頃でした。 「嬉しいなぁ」と単純に思いました。 そして、同時に「なぜ、私なんだろう」とも思いました。 一つは、あまり自分が興味を持たれるような、おもしろい人間ではないという気持ちをずっと心の底に留めて生活しているからです(ほんとだよ) もう一つは、それほど、密に交流している印象がなかったから。 記事は読んでいるけれども、頻回にコメントをし合っている訳でもなく、お互い記

宴の後のさくらと雨

「あー、歯が生えてきてるんですよ。」 今日は、息子と歯医者さんに出かけた。息子が何日か前から「歯が痛い....痛いっていうかなんか気になる!」と言っていたので「歯が生えてきてるのかな....うずいているのかな....全く犬じゃあるまいし」と思っていたら、案の定そうだった。ますます犬みたいな子である。 「じゃあ、大丈夫だと思うんで。今日はこれで。」と言われてあっけなく歯医者をあとにして、私はそこから買い物をして息子は本屋さんで待機して、合流して帰路に着く。 そのあと、家に