認知症月間
今更ながら、9月は「認知症月間」なのだそうだ。
私は、老人介護の仕事に就いているが、全く知らなかった。
不勉強の結果である。反省の限りである。
「認知症月間」は、令和6年1月1日に施行された、
「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」
において定められたものである。
この期間中には、認知症についての関心と理解を深める行事が、
全国各地で行われるとのこと。
では、認知症とはどういうものなのか、おさらいをしてみたい。
認知症とは、様々な脳の病気により、脳の神経細胞の働きが低下して、
認知機能(記憶や判断力)が低下して、社会生活に支障をきたした状態をいう。
その種類は、原因となる病気によって分かれるが、
最も多いのは、よく知られているアルツハイマー型で、全体の6割以上になる。
記憶障害から始まり、失語(話がわからない、物の名前がわからない)、
失認(目で見えた情報を形として把握できない)、
失行(今までできていた動作が行えない)などの症状がみられる。
他には、脳梗塞や脳出血が原因となる血管性認知症、
脳にタンパク質がたまり発症するレビー小体型認知症、
脳の前頭葉と側頭葉が中心となって発症する前頭側頭型認知症などがある。
認知症が一気に進む原因は、脳への刺激不足や急激な環境の変化、
過剰なストレスなどが挙げられている。
症状によって失敗が増え、家族に責められて症状が進むケースもある。
認知症は、発症してからの余命は5年から12年といわれている。
認知症になりにくい食べ物としては、
魚介、きのこ、豆類・大豆、コーヒー・緑茶といわれている。
初期のサインの口ぐせは、「~は知らない、~していない」である。
表情は、目がどこを見ているのか分からなかったり、口のしまりがなく、
笑顔が下手になる。
終末期には、身体機能が低下して寝たきりになり、筋力低下、食欲低下、
嚥下機能が低下し、肺炎、衰弱する。
認知症患者には、してはいけないこともある。
・本人の言動に現実をつきつけない
・強制、おどかし、突き放さない
・できることを奪わない
記憶障害があっても、自分にとって嫌なことや不快なことは
覚えていることが多い。
物事の事実関係は忘れてしまい、その時の感情は長く残るらしい。
少しでも、落ち着いてすごしてもらうためにはどうすればいいか。
できることはなるべく自分でしてもらうのも進行を遅らせる大事なことだが、
何よりも、笑顔を見せることがいいらしい。
笑顔で見つめられたり、語りかけられることを何よりも喜ぶ。
認知症患者に接する時は、できないことを言うのではなく、
笑顔で接すること、患者の尊厳を傷つけないように配慮して、
穏やかに接することが重要なことだ。
実際に、毎日を接している者として、
私はその重要性を肌で感じている。
因みに、9月21日は「認知症の日」なのだそうだ。
全国各地で催し物が行われることだろう。
少しでも認知症に対する理解が深まれば、
これからの超高齢化社会に対する危機感も少しは薄らぐのではないだろうか。