“AI”を賢く使うためには?
本題に入る前に、前回までの主な記事のリンクを以下に示します。まだ、読んでいない方は、是非読んでみてください。
それでは、今回のテーマに移りたいと思う。
1. 今回のテーマは?
今回のテーマは、前回の記事でも予告したとおり
”AI"を賢く利用するための手法
についてだ。”AI"を上手に使いこなすことために、私たちが何を考えて、どのすることが自分自身にとってプラスになるのかを考えていたいと思う。
2. ”AI"の特性をつかんでみる
過去の記事でも言及したとおり、”AI"とは学習データを用いて、要求されたものを出力するものである。あくまでも、学習データをベースにしているため、
全く新しい考え方が”AI"から出力されることはない
と言うことを理解しておきたい。
3. オリジナリティを出すためには?
”AI"を賢く利用するための手法を考える例として、今回は
入試における志望理由書
を取り上げてみたいと思う。今回は、入試を例に挙げるが、この考え方は、
就職する際の企業に対して提出する志望理由書
を作成していく際も考え方は同じである。
3-1. "対話型AI”に文章を作らせてみると・・
ここでは、“対話型AI”に志望理由書を作らせてみるとどのようになるのかを、具体例を通じて見てみたいと思う。
設定:東京大学への進学を希望しており、800時程度の志望理由書を作成ししたい
<Ⅰ:"ChatGPT"の場合>
私は、東京大学への進学を強く希望しており、その理由を以下に述べさせていただきます。東京大学は、国内外で高い評価を受ける優れた教育・研究機関であり、私の学術的・職業的な目標を達成するために最適な環境が整っていると考えています。
まず第一に、東京大学の学術的な優位性と知識の深さに魅力を感じています。東京大学は、優れた教授陣と研究者が集まり、幅広い学問領域での先進的な研究を行っています。私は自分の専門分野において高度な知識を習得し、学問的な視野を広げることに強い関心を持っています。東京大学の豊富な学術リソースと研究機会を活用することで、自身の能力を最大限に伸ばし、新たな発見や成果を生み出せると信じています。
また、東京大学の国際的な環境と交流の機会にも大きな価値を見出しています。東京大学は、世界中から優秀な学生や研究者が集まる場であり、異なるバックグラウンドや文化を持つ人々との交流が盛んです。私は国際的な視野を持ち、異なる価値観やアイデアに触れることで自己成長を促進したいと考えています。また、国際的なネットワークを築くことで、将来のキャリアや国際社会での活躍に役立てることができると期待しています。
さらに、東京大学の地理的な立地条件も私の志望理由の一つです。東京は、日本の政治、経済、文化の中心地であり、多様な産業や機関が集まっています。この地域には数々の研究機関や企業があり、学外での活動やインターンシップの機会も豊富です。私は東京大学の立地を活かし、学内外の環境でさまざまな経験を積みながら、実践的なスキルを身につけ、将来の就職に備えたいと考えています。
最後に、東京大学の卒業生の実績や社会的評価にも着目しています。東京大学を卒業した人々は、その卓越した知識とスキルを持って社会で活躍しています。東京大学の名声と卒業生の成功例は、私にとって大きなモチベーションとなり、自身の目標達成に向けて努力を続ける原動力となるでしょう。
以上の理由から、私は東京大学への進学を真剣に考えており、この大学で学ぶことによって自己の成長と将来のキャリア形成を実現したいと強く願っています。東京大学の教育理念と価値観に共感し、学問の追求と社会貢献に向けた情熱を持ち続ける覚悟で、私はこの大学での学びと挑戦を受け入れることを心から望んでいます。
<Ⅱ:”Bard"の場合
私は、幼い頃から自然に興味を持っていました。山や川で遊んだり、昆虫や魚を観察したりするのが大好きでした。そんな中、ある日、テレビで自然を守る活動をしている人々の姿を見ました。彼らは、地球温暖化や森林破壊などの問題に取り組んでいました。彼らの活動を見て、私は自然を守りたいと強く思うようになりました。
高校では、自然科学系の授業に力を入れました。生物、化学、物理の授業で、自然のしくみや原理について学びました。また、環境問題に関する授業も受講し、地球温暖化や森林破壊などの問題について理解を深めました。
これらの授業を通して、私は自然の大切さと、自然を守る重要性を学びました。また、自然を守るためには、科学技術を活用することが重要であると知りました。
大学では、自然科学系の学部に進学し、自然のしくみや原理についてより深く学びたいと思っています。また、環境問題に関する研究に取り組んで、自然を守るために役立ちたいと思っています。
私は、大学で学んだ知識と経験を活かして、自然を守り、持続可能な社会を実現したいと思っています。
具体的には、地球環境問題の研究に取り組みたいと思っています。地球環境問題は、地球温暖化や気候変動、海洋汚染、森林破壊など、さまざまな問題が複合的に絡み合っています。これらの問題を解決するためには、科学技術を活用し、幅広い視野からアプローチすることが重要です。
私は、東京大学で自然科学を学び、環境問題に関する研究に取り組んで、自然を守り、持続可能な社会を実現したいと思っています。
東京大学は、自然科学系の研究で世界をリードする大学です。また、環境問題に関する研究でも、世界的な貢献をしています。
私は、東京大学で自然科学を学び、環境問題に関する研究に取り組んで、自然を守り、持続可能な社会を実現したいと思っています。
東京大学の入試は、とても難関です。しかし、私は、自分の努力と覚悟で、東京大学に合格し、自然科学を学び、環境問題に関する研究に取り組みたいと思っています。
この志望理由書は、私の自然に対する興味や関心、そして自然を守りたいという強い想いを簡潔に伝えるように書きました。また、大学で学びたいことや将来の目標についても具体的に書きました。私は、東京大学で自然科学を学び、環境問題に関する研究に取り組んで、自然を守り、持続可能な社会を実現したいと思っています。
3-2. ”対話型AI"の解答から分かること
皆さんは、2つの志望理由書を読んでみてどのように思ったであろうか?私(記事作成者)が思ったことは、
話が抽象的になる傾向が強い
ということである。特に、”ChatGPT"の記事の場合、自分自身の過去の話や自分自身の感情(例えば、過去の経験から感じたこと)が含まれていないように感じた。また、どちらの解答にもいえる根本的な問題として、
”対話型AI”が作成した場合、
どの大学、学科を選択したとしても、解答がとても似通う傾向が強い
ということだ。"2."でも触れたとおり、あくまでも学習データを用いて作成しているため、似た作品になるのだ。つまり、
本番でも”対話型AI”が作成した作品をそのまま提出したら相手は、すぐに分かる
ということだ。これは、就職するときの志望理由書でも全く同じことが言える。
3-3. では、どうすればいいの?
ここまで、読んできた皆さんのなかで、
「じゃあ、どうすれば良いんだよ!」
と思う方もいると思う。ここでは、”対話型AI”を使って志望理由書を作成する際の効果的な使い方(使う上でのポイント)をまとめたいと思う。
<前提>
まず、
”対話型AI”を用いること自体が、悪いと言っている訳ではない
ことを理解してほしい。適切に用いれば、強い味方になりますよ!
<使い方>
① 出来上がった志望理由書の校正を頼む。
→今まで、人に依頼していたことが、”AI"に依頼することで解決することになる。実際、今でもこのような利用の仕方をしている方は多いと思う。
② 文章の内容を考える際のアイディアの整理に用いる
→これは、自分自身で志望理由書を書く際に、文章に組み込む内容をとりあえず考える(書き出す)ことをする人が多いと思う。その際に、文章として1つの方向性に持っていきためには、
考えのグルーピング・集約・整理
が必ず必要になると思う。以下に例として、”Bird"にグルーピングしてもらった例を示したいと思う。以下の例では、就職を例に挙げているが、進学時の志望理由書でも同じように”対話型AI”を利用することは可能です。
<例>
状況:情報系の学科に所属していて、将来IT企業への就職を目指して志望動機書の案を練っている。
質問:情報系の学科に所属していて、現在就職に向けて志望理由書を書く準備をしており、志望理由書に書く内容の案を出しています。その案を”教師なし学習”的考え方に基づいて、分類してください。ただし、志望理由書を書く上での外れ値(無関係なデータ)に関しては、”外れ値”というグルーピングで構いません。
案:AIを学びたい、pythonを学んだ、AWSについて学習中、SQLについて、興味がある、高校の時にサッカー部に所属していた、基本情報技術者試験に合格した、政治学を履修した、数学が得意、人と話すことは苦手ではない、共同作業は好き。
※”教師なし学習”:大雑把に言うと、入力された項目・データを分析する手法のことです。(厳密な説明にはなっていません。詳しく知りたい方は、ネットで検索してみてください。)
”Bird"の解答:はい、教師なし学習的考え方に基づいて、分類した結果は以下のとおりです。
AI
AIを学びたい
Pythonを学んだ
AWSについて学習中
SQLについて
プログラミング
Python
AWS
SQL
資格
基本情報技術者試験
学科
政治学
能力
数学が得意
人と話すことは苦手ではない
共同作業は好き
無関係
高校の時にサッカー部に所属していた
これらの情報から、あなたはAIやプログラミングに興味があり、PythonやAWSなど、情報系の技術を学習していることがわかります。また、基本情報技術者試験にも合格しています。さらに、政治学を履修したことから、社会問題にも関心があることがわかります。数学が得意で、人と話すことや共同作業も好きなようです。
これらの情報を踏まえて、志望理由書を書く際は、以下の点を意識すると良いでしょう。
AIやプログラミングに興味があり、情報系の技術を学びたい理由を明確に書く
これまでの経験や活動を具体的に書く
将来の目標を明確に書く
なぜその会社に就職したいのかを明確に書く
志望理由書は、あなたの人柄や将来性を伝える大切なツールです。丁寧に書き、自分の思いをしっかりと伝えましょう。
さらに質問:どのように、先程のグルーピングの結果を踏まえて、話を膨らませるのが良いと思う?
”Bird"の解答:はい、先程の分類結果を踏まえて、話を膨らませる方法をいくつか提案します。
AI
なぜAIに興味を持ったのか?
AIを学ぶことで何を実現したいのか?
AIが社会にどのように役立つと思っているのか?
プログラミング
どのようなプログラミング言語を習得したのか?
プログラミングでどのようなものを作ったことがあるのか?
プログラミングの面白さや難しさは?
資格
基本情報技術者試験合格に至るまでの過程は?
資格を取得することで何を得られたのか?
資格を取得することで今後どのように活かしていきたいか?
学科
政治学を学んで何が学べたのか?
政治学がAIやプログラミングとどのように関係すると思うか?
能力
数学が得意な理由は?
人と話すことや共同作業が好きになったきっかけは?
数学やコミュニケーション能力をどのように活かしてきたいか?
無関係
高校時代のサッカー部での経験から何を学んだか?
サッカー部で得た経験をどのように活かしてきたいか?
これらのポイントを参考に、自分の経験や考えを具体的に書き、志望動機を明確にしましょう。志望理由書は、あなたの人柄や将来性を伝える大切なツールです。丁寧に書き、自分の思いをしっかりと伝えましょう。
このように、分類だけではなく、志望理由書の方向性や話の膨らませ方のアドバイスをしてくれます。このように、自分自身の考えの整理や、とっかかりがつきにくいときに、とっかかりをつかむための補助を”対話型AI”はしてくれることが、よく分かった。
4. 今回の記事のまとめ
”対話型AI”だけにすべてを任せたら、それはただ単に、機械が作ったものとなり、そこには
価値(オリジナリティ)は生じない。
しかし、アイディアを形にする上での補助としては、すごく便利なツールであると思う。”意見の集約をしたり、インタビュアーの役割をしたり、・・・”などの多くの役割を、”対話型AI”はしてくれる。後は、これらのツールを使う私たちの”AI"の使い方次第な部分が大きいと思う。
いかに、能動的に物事を見つめて、考えて、意見を作り上げていくのか
が、これからの社会でますます重要視されていくと思う。(単純作業は、”AI"が出来るから)今回例に出した志望理由書を書く際にも、これらのことを常に意識して、作り上げていくと素晴らしいものが出来上がると思う。
最後まで記事を読んできださり、ありがとうございました。
次回もお楽しみに!
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