見出し画像

Q.出版社の多さなどを考え、東京へ出たほうがいいのか大変迷っています。〜宣伝会議「編集ライター養成講座」のQ&A:その4-2

前回に引き続き、受講生の方からの質問に答えるコーナーです。過去の回答はこちら。

で、前回の質問の中にあった「東京に出るかどうか迷っている」ということについて少しお話ししたいと思います。

Q.くましろさんが福岡に居続けているのは、なにか理由があってでしょうか? 九州から出て、東京に行こうと考えたことはありますか? 私は、出版社の多さなどを考え、東京へ出たほうがいいのか大変迷っています。

質問者さんが地方の方で「東京に出た方がいいか」ということなのですが、大きく2パターン考えたので、1つずつご説明していきたいと思います。

パターン1:質問者さんが経験者の場合、または未経験だけど20代など、若い場合

経験者であれば、出版社でも編プロでも、受かりさえすればお給料がいただけるので、生活費と折り合いがつくかだけの問題だと思います。「合格したら上京する気満々です!」とやる気を伝えたらいいでしょう。どうぞ、いざ東京!いい会社が見つかりますように!

で、お若い方の場合、未経験でも就職できさえすれば、あとは上記と同じかなと。ただし、注意点としては就職先を決めてから行ってください。行ってから探そうとかしないでほしい。仕事するのは生活のため!これは古代からの普遍の原理です(大袈裟)。これが揺らぐとメンタルも大変になっちゃうので、忘れないでほしいです。今の生活基盤を手放すのは「未経験でもいいよ、うちでやってみなよ」というところが見つかってからにしましょうね。

パターン2:質問者さんが未経験かつ、年齢も重ねている場合

基本的にはパターン1の答えと同じで、就職が決まっているなら全然東京に出ていいんじゃないでしょうか。あとは頑張るのみです。

でも、就職活動をしてもなかなか転職できない場合は、やはり副業から実績を積むのがいいと思います。採用となると会社側も大きな決断となりますが、お仕事を1本依頼するのはハードルが低い。良い原稿が書ければ、「次もお願いね」と言ってもらえる可能性も高まります。それに、副業でしっかり実績が積めれば、その実績をもとに就職活動をすると「経験者枠」で採用してもらえる可能性も出てきます(副業で実績がバッチリできればフリーランスの道だってありますし)

就職という道を考える場合、年齢を重ねていればいるほどどうしても不利になるのは仕方がないかなと思います。未経験でも若ければ「お給料が少なくても頑張ってもらえそうだ」とか、「しっかり育てて、今後戦力になってくれれば」と思ってもらいやすい。でも、例えば「50代の未経験を正社員で取りますか?」と聞かれると、やはり何かしらのプラス要素がないと企業側が躊躇してしまうのは、どの業界でもそうなんじゃないかなと思うんです。

誤解してほしくないのは、年を重ねたら編プロに転職はできない、と言っているわけではないということです。何歳からだって転職したりライターになったりすることはできます(松本清張さんだって作家になったのは40代)。ただし、企業が採用してくれるかどうかに関しては、「企業による」としか言えないのが正直なところです(基本多忙な業界なので、そもそも未経験者には壁が高い)。

それに、副業のいいところは、採用となると「会社が社員に求めるもの」が条件に上がってきますが、副業であれば「そのコンテンツに必要な知識と経験を持っているか」で戦えるところです。子育てサイトの原稿であれば、子育て経験がある人がいいでしょうし、パソコンなどに関する原稿であれば、そういったものに詳しければ何歳の人だって構わないという会社が多いと思います。

あと、副業のために上京をする必要はないと思っています。なぜなら、副業で依頼が来るお仕事というのは、今は基本的にオンラインでできる仕事がほとんどなので、「東京にいるかどうか」はあまり関係がないからです。なので、副業は生活の基盤がしっかりできているところで始めたら良いと思いますよ。

もちろん、この2パターンが全てではありません。もっといろいろバリエーションは考えられるかもしれませんが、大きく「年齢」と「経験」を軸に考えるとこんな感じかな、と思って書いてみました。

ご自身の納得の行く道が見つかりますように!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?