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コロナ禍で変わるサッカービジネスの新たな潮流

豪華メンバーで今のJリーグ、これからのJリーグを語るイベント「サッカーナイト」が開催されました。

今回は延長戦を含め、2時間だったけど、あっという間でした。

参加者がほんと豪華。
・小泉さん(鹿島アントラーズ 社長)
・須藤さん(Kaizen platform 社長)
・岡部さん(TEAMマーケティング・Jリーグアドバイザー)
・那須大亮さん(元Jリーガー)
・都倉賢さん(セレッソ大阪 現役Jリーガー)
・箕輪さん(箕輪編集室 、One Tokyo FW)

Jクラブの経営者から現役選手まで揃うイベントはそうそうないです。

Jクラブは非常に大変な状況

4/23に開催されたスポーツビジネスサミットプラスでも語られてましたが、第1節以降開催が延期されているJリーグ。その懐事情は本当に大変です。

鹿島アントラーズの現時点収入について
チケット = 0(昨年9-10億)
グッズ  = 半分くらい(昨年9億)
スポンサー= 無観客・試合がないと払い戻しも?(昨年20億)
       来年はコロナ禍を考えると更に厳しい
放映権など= 試合がないと放映権などはもらえない。

このように、売上がガツンと落ちることは明らかですよね。

コスト面で大きいのが、人件費。
選手人件費40-50%、フロントを含めると70%と、コストを削るにも限界が。
経営面で見ると、小さなクラブがやばいのではないかと思っていましたが、小さいクラブはその分人件費も少ないのでやりくりできなくはないとのこと。むしろ、選手人件費に10億~20億円かけてるクラブのほうが、お金のやりくりがむずかしいのではないかという指摘も。

正にサガン鳥栖が現在目の当たりにしている状況ですよね。。

選手の葛藤とメンタル

そのような状況下で選手は何を思うか。
一般的に最初に切られるのは、年齢が高くて年俸の高い選手ですよね。
そこで、都倉選手は自分としてやれる姿を見せていくしかないと、いつも考えトレーニングをしてきたそうですが、試合がない状況で難しい面もあるといいます。

セレッソ大阪では、いち早くZOOMでフィジカルトレーナーが選手全員をつないで、家でできるフィジカルトレーニングを実施。
最初は、短期間だろうといことで簡単なものばかりだったけれど、今では家の中でダッシュしたり負荷をかけたトレーニングを行っているそうです

とはいえ、家の中でやることは限界があるし、サッカーボールは使っていない。もっとサッカーをやりたいという選手と想いと、できない状況で、悩んでる選手もいるみたいです。

小泉さんも選手のメンタルはとても心配して、かなり気を使っているそうです。

無観客試合でもやれば収益が生まれる

無観客試合でもやったほうが良いのか?
小泉さんは、試合をやらないと上記のように放映権料やスポンサー料が下がってしまうので、無観客でもやってほうがいいと。

しかも、試合があればコンテンツができる。
試合限定のグッズを作って通販したり、投げ銭したり、アイデア次第で新しいマネタイズが可能になります。

しかし、何もしないと、会場費や運営費などがかさむだけなので赤字を生んでしまう。新しいマネタイズをやれるクラブと、やれないクラブで差が付きそうですね。

無観客試合の選手に対する影響は?

都倉選手は、無観客試合だとどうしても練習試合感がでるのではないかと。
特に、都倉選手はファンの声を一身背負ってプレーするタイプなので、なおさらですよね。
なので、試合の日には、DAZNとかアプリとかで、視聴数をカウントして、その量に合わせて、スタジアムで応援してる感じを再現してほしいとアイデアを話してました。

無観客試合を会見したことがある、那須さんは、試合が始まってしまうと試合に集中するので関係ないといいます。とはいえ、全く無いかと言われるとそんなことはなく、練習試合でも観客は数人いるのでまだよくて、無観客試合は一切ないので、やりずらいと。

試合の結果だけみれば、確かに観客は関係ないけれど、やってる選手からすると、ぜんぜん違うんですね。

試合再開についてどう折り合いをつけていくのか

Jリーグは6月まで延期が決まりましたが、どうやって再開していくのか。
今の日本は、新型コロナウイルスの感染者を増やさないように非常事態宣言を出して、世間が自粛ムードになっています。
自粛しないと自粛警察に刺されるみたいな状況では、皆が動けなくなり、死を待つだけの状況になってしまうのではないか。

小泉さんも、非常事態宣言が明けてから、折り合いをつけながらやっていきたいといいます。ただし、数字的根拠やガイドラインを明確にして、世間とコンセンサスを取りながら、無観客試合から始めればよいと。

無観客試合であれば、選手を始め試合を運営する人をコロナから守れば良いので、全員に対するPCR検査やホテル等の管理などやればできる。
そこから、近い地域のチーム、ホーム側の観客のみなど、少しずつ増やして戻していくといいとおっしゃってました。

箕輪さんも、この世にゼロリスクはないので、どこまでリスクを許容して折り合いをつけていくか考えるしかないと。

テクノロジーでカバーできないのか?

収益が下がる、無観客試合で選手のモチベーションが上がらないということをテクノロジーで演出できないのかという話題に。

須田さんはオーバーレイなどの技術は難しくないので、試合の映像に視聴者のコメントや応援の声を出す演出ぜんぜんできる。そのためのお金が必要だけど。。と。小泉さんはそれはスポンサーがお金を出してくれるでしょうといいます。確かに認知度やエンゲージメント向上には持ってこいですもんね。

海外ではスタジアムにサポーターの等身大写真を置く権利を発売しているところがあるが、それでは演出が足りないといいます。

ではどうやるのか。

観客席をすべて白い布で覆って、プロジェクトマッピングする。
そこにサポーターからのメッセージが流れるとかすると会場の雰囲気をつくることができるのではないかと。また課金料によって文字の大小が決まったりとかすれば、マネタイズにもなるだろうと。

流石です。

これからは選手が発信していく時代

DAZNの功罪として、地上波TVでの露出が減ったことがあります。
そのため、サッカーに対する興味関心が低い人に対してリーチしにくくなった。そのため、クラブとしては他の媒体での発信が大事になってきた。
クラブとしては、過去の試合を流したりしたいが、権利の問題もあり、簡単ではない。

過去のアーカイブを見ながら、選手本人が解説なんかできると面白いのになーと箕輪さん。

更に大事なのが、選手のSNSやYoutube。
選手自身が発信をして、ファンを掴んでいくことが大事だし、クラブとしても選手を触媒にして、ファンの獲得や、エンゲージメント向上を果たすということができる。

那須さんも今では20万人以上のチャンネル登録数を誇るYoutuberになりましたが、そのきっかけはサッカー選手の年俸をあげたい。
そのためには、スタジアムを満席にしないといないし、認知をもっと広げないといけないという思いから、ライト層でも興味も持ってくれるようにとyoutubeを始めたそうです。

Jリーグも今後、フィジカルトレーナーみたいに、SNSトレーナーをつけたほうがよいのではとなり、箕輪さんが就任すればいいのではと盛り上がりました。

これから選手の収入源は複数に

海外などは今回のコロナで収入が30%減とかなっていたりしますが、サッカー選手としてのサラリーしかない場合かなりの痛手になります。

また、サッカー選手が引退する平均年齢は26歳。それまでサッカーしかやってない人がセカンドキャリアを考えると、世間は厳しく、何もできない。

だからこそ、複数の収入源を持った方がいい。
選手時だからこそあるアセット(ファン・Jリーガー)と活用したほうがいいと。
格闘家である朝倉選手はファイトマネーよりもYoutubeでの収入のほうが高いそうで、そうなってくると試合がお金のためではなくなる。
しかも、YoutubeやSNSで築いたファンや事業は、引退しても自分の資産になるわけなので、現役時代にマネタイズしないのはもったいないですよね。

ではなぜ、Jリーガーはやらないのか?

その問題の一つが、Jリーグファンが40代以上が多いこと。
サッカーを観るのが好きだけど、プライベートには興味がないという人が多い。とか、スポーツに対する美徳なども重んじる風潮など、サッカーに集中しろとよく言われることが、そっちに頭が行かない要因にもなってるみたいですね。

スポーツ選手にはオンラインサロンがおすすめ

うまくいってるコミュニティは、それぞれに固有の共有できるストーリーがある。スポーツ選手はストーリーを共有しやすいのでサロンに向いてる。と箕輪さん。

オンラインサロンのリーダーやるべきことは、メンバーに役割を与えること。自分がやりたいことを共感してももらって、手伝ってもらえるかどうか。

そう考えると、実はスター選手よりは、ユースや若い世代の選手のほうが、成長していく姿などストーリーを作っていけるのでおすすめ。

個人のサロン(SNS含む)がクラブより影響力がついていけば、年俸にインフルエンサー力みたいなものも加味されるかもしれない。移籍金にもアドオンされるかも。

オンラインサロンに限らず、Jリーガーである自分と好きなことややりたいことを掛け算して、やることが大事。

最後に

最後に、これからのJリーグに話題は戻り、何を考えるべきかという話。

コロナ禍において、「今できること」と「これからやるべきこと」を変えて考える必要がある。

今はまず再開に向けて、どうやったら良いのかを考えること。
そして、一度離れたファンがスタジアムに戻ってくるには3年~5年かかるだろうと考えると、次のマネタイズの方法や仕掛けをいまから考えていく事が大事。たしかになー。

話された内容をつらつらと書いただけですが、書いてみたらかなりの分量になってました。
ただ、これでも話した内容のほんの一部で、かなりオフレコな話が多く、情報量としては、この3倍位ありました。

色々考えさせられたし、学ぶことが多かった2時間でした。

サッカーナイト #2もぜひ期待しています

最後まで、読んでいただきありがとうございました。



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