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6.今は昔の愛の詩

これは私が久しぶりに恋をして、自分を成長させて背伸びを背伸びとせず背を伸ばし、成就させようと頑張る中で、どんどんダメなんだろうなと考え始めて綴った詩である。
当時聴いていた曲、読んでいた本、彼の笑顔と超絶技巧。
いつでも蘇るように、諦めた後でも大事に大事にしていた詩。

逆再生でお楽しみください。



20.
出会ってしまったという絶望は、もう昔の自分の思考思想理論には戻れないということだ。戻れたと思ってもどこかに染み付いている。出会いとは白い布に堕ちた一滴のシミだ。それがやがて線となり絵となり自分をまた形成していくのである。別れる寂しさより憎たらしく美しく哀しい。私は貴方を汚したい。

19.
自分を信じたいけど、あの時の自分を信じたいけど、積み重ねてきた時間を持つ自分を信じたいけど、良かったと思う事も多く悪かったと思う事も多く、ゴミ箱の中身はゴミだらけ。願わくば貴方がこの夜に一人ではない事。子供っぽいって言うだろうか。それでもそれは愛なのだと確かに思うのです。寒い夜。

18.
最後まで信じたいという自分勝手な信条は自分を縛り付けることしかしないが、その縄の感触が絶望的でもあり官能的でもある。苦しいのも愛。愛は伝えてこそ意味が生じる。伝えない愛には美学は果たして宿るのだろうか。諦められないという地獄は誇れる絶望である。絶望すらも愛しましょう。夜。

17.
暑苦しいと喉が焼けると思いませんか。泣きたい時って喉が焼けると思いませんか。幸せな甘すぎるパンケーキを食べると喉が焼けると思いませんか。どうしようもなくて強くもない酒を飲んでも喉が焼けると思いませんか。思いませんか。夏は終わってからが夏だと自覚できる物だと思いませんか。おやすみ。愛。

16.
太陽みたいな人は寂しい人だ。太陽は泣けない。泣けない人は須らく寂しい人だと相場が決まっている。だから泣ける人は泣けない人を憐憫の目で見ては憧憬する。それを泣けない人は知らないから寂しいのだ。教えても仕方がないこの話はもう終わりにしよう。皆様良き夜を、夢を、朝を。相容れない私より。

15.
私がまだまだしがみついているのは執着と言うよりは責任感だ。無責任になりたくないのだ。好きよりも上ならば、無責任でいられなくなる。しかし責任感が発生してしまえば拒絶が伴う。相容れない。それが仕方の無いことのようにさえ思われる。それでも尚、好きの上だとこの感情は叫んでいるのである。

14.
真夜中の生暖かい紫煙が染みるように貴方の声は私を癒す。カサカサの唇を舐める私を諌める声すら私を癒す。貴方でなければならない訳では無い。でも貴方に出会う前の私への戻り方は、どれ程考えあぐねても到底出てこない。それが愛とでも言うのか。今夜も更けていくだけの夜。おやすみを言い損ねた夜。

13.
脆弱性の欠片もない様な人間になりたかったがそれはもうそもそも人間ではないのよ。と君は言う。それでも僕は君をそんな危険な目に晒したくない。分かるかい。君が悩むその脆弱性に僕の愛では戦う事が出来ないのだ。救えないのだ。なんという悲劇だろう。それも独りよがりだと君は言うのだろうか。

12.
あなたの誕生日に開けたピアス穴が膿んで膿んで仕方なくなってしまえばいい。砂漠の砂ほどの嫉妬で肺はザラザラ、胃には鉛、踵はシンデレラの靴が入らなくて削いだ。私は寂しい。あなたを幸せにはできない、そして私は幸せにはなれない。今夜も眠れない。あなたはどうですか。良い夢が見れそうですか。

11.
好きと愛してるの違いは曖昧だけど遠くもなく近くもないのだろう。逆立ちしたキリンのピアスがもう入らなくなったピアス穴を愛おしく思う程、愛は速くはない。「別れる男に花の名前をひとつ教えてやりなさい」と言ったのは川端康成。あなたは何を教えますか。白いカーネーションですか。月桂樹ですか。

10.
眠りたいのに寝たくない、寂しいけど誰にも会いたくない。そんな夜があなたにもあるでしょう。私にはある。それは携帯画面の光よりも穏やかで眩しい明日を祈る事と同じです。今日も頑張った皆さんお疲れ様です。何も頑張ってない私は日常を取り戻す為に頑張っていると言い張っています。お元気ですか。

9.
青信号と赤信号を繰り返して恋人の定義を漁り、映画のようにはうまく愛せない私達を愛おしく思いつつも脆弱性を身に纏い絶頂感を伴い、貴方を無敵にしたいと驕り高ぶる。貴方を形成している経験と思想と細胞をすべて愛して同化してしまいたい。私はまたこの青信号を見送ってまた赤信号でその場足踏みをする。

8.
愛とは恐れだ。愛とは信じることだ。愛とは嘘つきだ。愛とは尊敬だ。愛とは無力だ。愛とは傷だ。愛とは憎しみだ。愛とは「ふたりでひとつ」だ。愛とは「ふたりでふたり」だ。愛とは言葉だ。愛とは旅人だ。愛とは魔法だ。

7.
私はまだ飛んではいけないのだ。一番綺麗に飛べるその日を待ち望んで、そしてその日まで駆け抜けるしかない。誰かが泣いていないか。誰かが嵐に耐えきれなくなっていないか。二日酔いがしたいなら私を呼んで。話を聞くし話をする。常に誰かの魔法でいようとする。私はまだまだ無力だ。

6.
軽率に秋は寂しいと口にしていれば良い。神様という概念はいつも迷子になる。赤い林檎は悲しい。ネイビーのネイルは白々しい。体温計を握りしめる夜はこんなにも苦しい。咳をする度に出ていくのは誹りの気持ち。貴方のいるこの地はこんなにも輝かしい。溜息をする度に惜しみ無い憧れが零れ出る。いつか約束をして会えるだろうか。

5.
感情を凍結させるのは間違いなく言葉。涙こそが禁水性の最たる物質。環状線は言うなれば赤。御堂筋線はやはり灰色。川端康成はどんな花の名前を知っているのか?

4.
大切に大切に、少しずつ日をかけて本を読み進める事ほど、知識への慈しみ方はない。自分の思考と思想に鈍感ではいられない。自分の奥底に逃げ隠れているその背中を、毎日そっと抱いて生きていきたい。

3.
着地点の定まらない気持ちについて、私はお行儀よく悩む。痛みを残していくのはいつも貴方だ。貴方から受けた傷なんて、それすら愛おしい。

2.
〈愛は常に、尽く隅々まで、唯ひたすらに温かい〉言葉や思考が先ではなく、感覚が先だった。アレとの出会いは、扉の向こう側へ連れて行ってくれるものだった。自分の中の開かずの扉が、急に開いた気がしたのだ。アレに出会う前の自分には到底戻る事は出来ない。大事に愛したい。自分に正しく愛したい。

1.
黙秘する花の桃色。深いところまで行ってしまった午前3時。その機銃で撃ち抜いて欲しい。風になったこの気持ちのその風圧で浮き上がってみたい。責任を背負うということ。諦めさせる為のあらゆる宣告。「大丈夫」と呟く。施錠を解く。過去は赦された。やっぱり好きだと正しく伝えたい。



今はもう連絡も取らなくなったけど、きっと彼はずっと一人でまだまだ加速して、人生という孤独な道を一人で駆け抜けているんだろう。
恋愛感情が抜け落ちた今、その人生のスタンスに嫉妬して狂い泣きそう。

本気に全てを投げ出せる。
それが心底羨ましい。

世の中の人類全てが感じる理不尽を打ち消し「ご自愛力」を普及するために活動します、この瀕死の体で。東西南北行ってやる!講演だったしてやる!サポートお願いします。