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2.「君が救われるのはどんな世界だ?」

「ここには欲しいものは何もない。
お前らが正直でいるだけだ。」

久々に訪れた、紫煙で薄く白い空気が渦巻く地下のライブハウス。
金髪頭のロックンローラーが叫んでた。
エモい。こんなエモい、MCにも満たない叫びをするような彼ではなかった。
つまり彼は知ったのだ。
待ってるだけではこの世界は変わらないと、それを知って俺に何が出来る、と。

「誰も歌ってくれなかったから、僕は10年こうやって歌ってきたんですよ!」

観客を煽るにはエモすぎる。エモすぎるそれに続くラストの曲の大サビは更にエモすぎた。
彼らがステージから捌ける際、拍手も出来ずに、口紅がベッタリフィルターについた煙草を指で挟み、私はそれを掲げるので精一杯だった。

世界に不満を持つ人はゴマンといて、その不満もゴマンとある。
パワハラ、セクハラ、モラハラ、マタハラ、パタハラ…「セクハラってセクシーハラハラの略なんだって!」とギャハハと笑っていた小学生の頃から随分と世の中は隅々まで光で照らされて、色々なものが見えてきた。
しかし見えてきただけだ。
未だに「イケメンになら尻触られても良いんだろ!」とか、そこまでして女の尻を触りたいのかとゾッとするような人は山程居る。「生理前の女はヒステリーで感情的で会話にならない」なんで言う、気持ち良い精子の無駄遣いしかしない人もまだまだ大勢居る。
生理についてのバッチをつけるつけないの論争があった百貨店の企画にも、「環境的セクハラだ!」なんて呟いてる人も居た。

「発言に気を付けないとすぐ〜ハラだと騒がれる」とはよく聞く愚痴だが、そんなに気を付けないといけないギリギリのラインを、F1のレースのコーナーを攻めるかの如く生死をかけて攻めてくる意味が分からない。「言いたい事も言えないこんな世の中じゃ」ときたらポイズンだが(GTOの主題歌で反町隆史が歌っていたアレです)、もう最早それらの発言が正にポイズン(毒)である。

私は初潮の時から生理が重かった。お腹と腰にカイロを張って、枕元の洗面器に嘔吐しながら効かない薬を6時間置きに飲んで、這って風呂に入ったら上がった瞬間に吐き気を催し弟にビニール袋をくれと叫び、すんでのところでビニール袋に嘔吐するような感じだった。びっくりしていた弟よ、すまん。だがおかげで彼は、きっと毎月苦しむ愛しい彼女に優しく出来ているだろう。
生理については良い加減、男女にしっかり同じ教室で教育すべきだ。生理期間を換算すると女性は6年くらい股から血を流しているのだ、生殖する為に。
男女共に変な情報を得る前に、正しい情報を与えるべきだ。
ナプキンは被災地に送られても不謹慎な代物ではないし、トイレで踏ん張る時だけ血が出るわけでは無いのだと周知すべきだ。
だってその方がお互いに生きやすいじゃん。

日本が少子高齢化に悩まされて久しいが、介護の胃ろうは保険適用で不妊治療は補助金が出ても自費診療というのは情けない。私の友人は悩みすぎて顔面痙攣を起こし、円形脱毛症にもなり、それでもお金がとマスクをして働いている。

月に旅行に行くあの人は、理不尽を打ち消すビジネスがしたいと「あなたの理不尽を教えて」と呟いていた。保育士・介護士の賃上げ、保育園に預けるには働く予定がないとダメだけど預けられるアテもないのに就活は出来ない、年金制度の破綻について、奨学金と税金で若者は結婚したくてもお金がないナドナド。
世の中はこんなにも理不尽で溢れてる。

「声を上げたって変わらない」
「だってわがままとして扱われる」
私に素晴らしい肩書きがあって知名度があったら、それこそ衆議院は無理でも参議院選挙には出そうな熱量と勢いだ。
でも、何も無い。何も持っていない。
だからこそ、アンチなんか屁でも無いとここぞとばかりにペンを取る。
授業中に回し読みしたあの手紙のように、こちらを見向きもしない「先生」の後頭部をチラ見しながら私はペンで戦うのだ。

若者だからこそ知っている。
言葉って凄いと。
発信しようとしてなくても、思ってる事を発言しているSNS世代に告ぐ。

「君が救われる世界はどんな世界だ?」

世の中の人類全てが感じる理不尽を打ち消し「ご自愛力」を普及するために活動します、この瀕死の体で。東西南北行ってやる!講演だったしてやる!サポートお願いします。