三浦春馬出演 ミュージカル「キンキーブーツ」のライブ録音CDを聴いて思う。
感無量だ。
アスマートで予約受付開始したその日に申し込んだけれど、私のもとへ来たのはつい最近。
早い方だと、9月のうちにも届いたという知らせをチラチラ見ており、この到着を待ちに待ってはいたが、結果として、このタイミングで来てくれて良かったと思っている。
春馬君に関連する物や情報は、一気に来るよりか、ちょっとずつ小出しに、ずれてやって来てくれた方が嬉しい。
待つ楽しみもあるし。
今週は、新しい春馬君が少し枯渇しているような状態だったから、ちょうど良かったと思っている。
配達されてすぐに開けて、CDを手に取った。
もうそれだけで、泣きそうになる。
私の暑苦しいほどの「キンキーブーツ」と三浦春馬君への思いについては、これらの記事をお読み下され。
上の記事を初めて読みに行った方、私の「キンキーブーツ」に対する熱量に引いてしまってはいないか、この記事に戻ってきてくれただろうか。
春馬君の熱心なファンではなかった私が、春馬君の出演作品で、唯一、観に行きたいと思っていたのが「キンキーブーツ」だった。
でも、観ることはできなかった。
観に行かなかった過去の自分を責め、絶望の未来の自分を思って途方に暮れる。
何でこんなことになってしまったんだ。
何度も自分の額をテーブルにぶつけては、この悔しさを紛らわそうとした。
そんな私みたいな人にとっては、このライブ音源のおかげで、本当に救われる思いがするものなのだ。
セリフはカットされているけれど、各曲、最初から最後までフルに聴ける。
ブロードウェイのオリジナルキャストのサントラを聞いていたので、曲自体は知っていたが、この日本キャストの日本語の曲が全部聴けるなんて、本当に嬉しい。
なんせ、今まで、YouTubeの継ぎ接ぎ動画しか観ていなかったのだから。
日本語ではこういう歌詞なのか、こういう風に歌っていたのか。
このCDが再販されることがなければ、私は一生、「キンキーブーツ」で春馬君はどんな風に歌ってたんだろうかと、頭の中で想像するしかなかっただろう。
その想像力にも限界はあって、最後には「やっぱ、わかんないわ。」と諦めて、前述のおでこ連打に戻って打ちひしがれるだけだったろう。
はっきりと大きな声で申し上げたい。
アミューズのスタッフの方々を始め、CDの再販の何かに携わった全ての関係者の皆さん!どうもありがとう!ライブ音源を聴けて、すごく嬉しい!
この音源とYouTubeのゲネプロ動画と、これから公開される特別映像と、前に観た原作映画のストーリーや世界観のイメージを併せれば、少なくとも春馬君が歌っているところは、十分に私の脳内で再生できる。
まだ聴き始めて数日しか経っていないので、聴き込みが甘いのだけど、とりあえず、イイな!と思ったところを幾つかピックアップする。
Land Of Lola
春馬君のローラがここで登場!バックグラウンドに拍手の音が聞こえる。きっとその姿を目にしたら、まずはびっくりするんだろうな、デカくて細マッチョで、とてつもなくお顔が美しくて、手先足先までしなやかな動きをして、伸びやかに歌い上げるローラに。今でこそ、春馬君に歌唱力があることはわかっているけれども、もし劇場で何の予備知識も持たずに観たら、こんなに三浦春馬君は歌えるのかと、そもそもこの美女は三浦春馬君なのか?と驚きで口が開いてしまいそうだ。がなりの入れ方とか、ヒーカップっていうのかしら、最後が跳ね上がるような歌い方とか、結構な歌唱テクニックがあちこちにちりばめられている。専門のボイストレーニングを積んできたことが、この歌唱を聴くだけでよくわかる。この音源が録られたのは、2016年。私が繰り返し見ていた2019年の動画に比べると、少しローラの声は若く聞こえる。この曲のタイトルの通り、この曲を皮切りにローラの世界にグイグイ引き込まれてい行く。
Sex Is In The Heel
森雪之丞先生、ジミー・チュウもマノロも、プラダと一緒にちゃんと日本語の歌詞にも入れてくれていた!歌の途中のセリフ、
「レディーたち、どんなのが欲しいか言ってやって~~~~~~~っ!」
の「言ってやって~~~~~~~っ!」の言い方が痺れる。これも、最後の「て~~~~~~~っ!」の最後がひっくり返るというか、高くなるのだけど、この言い方だと、ローラの女性らしいセクシーさと、気持ちの強さの両方が強調される。ピンヒールは「神」、絶対ヒール主義、そうローラが主張するのもよくわかる。セックスはヒールにあるのだから。ヒールは抑圧的だという人もいるかもしれないが、私はローラの意見に賛成。
What A Woman Wants
タンゴ調のこの曲、歌うの難しかっただろうなと思う。
下がれ!
教えてあげる
女の見たいもの
下がれ!
知ったかぶりのミスター
あなたには見えてない
「女の見たいもの」の「も」から「の」にかけて一気に下がっていくが「の」がかなり低くて出しにくいし、一方で、二つ目の「下がれ!」の「れ」がとんでもなく高音で、しかも、しゃくりあげではなくって、一発でスコーンとその「れ」の音に当てに行かないとならない。これ、ちょっと疲れてきたりしたら、音を外しそうで怖いよなぁ。それにしても、よくこんな高い音を出せるものよ。生まれ持った音域の広さがあるのか、どれだけの訓練をしてきたというのか。
Hold Me In Your Heart
2019年の様子に比べると、スタッカートを強調した歌い方をしているように聴こえる。好みとしてはやっぱり2019年の歌い方の方が良い。でも、どっちも素敵。こんなの目の前で歌われたら絶対に泣く。最後の、
I love you! I need you!
すべて 愛してる
の後、ahhhhhhhhと歌っているように聞こえるのだけど、ahhhhhhhhを歌う声が微妙に震えててすごく良い。ビブラートが、ちょっとガラガラ、ゴツゴツしているのが臨場感というか、レコーディングした時みたいに整っていない、春馬君の声帯(?)がリアルに揺れているのねと想像できてしまうぐらいの感じが、むしろ良い。
Raise You Up
目を閉じれば、ローラやチャーリーが踊る姿が頭に浮かんでくる。100回、200回、いやそれ以上かわからないが、YouTubeで何度も繰り返し、2019年のゲネプロ風景の動画を見たのだから。彼らの姿は瞼に焼き付いている。振りだって全部覚えている。
落ちてても Let me raise you up
萎んでも Let me raise you up
錆びてても 引き上げてあげる (Raise you up, Raise you up, Raise you up)
落ちてても Let me raise you up
萎んでも Let me raise you up
錆びてても 引き上げてあげる (Raise you up, Raise you up, Raise you up)
最後のこのコーラスを聴いていると、目を閉じていても涙が滲み出てきてしまう。ローラの笑顔、がっつり脳裏から離れない。一番見たかったのは、これだったんだよな。
未来の「キンキーブーツ」
こんなことにならなければ、きっと「キンキーブーツ」の再演は数年後とか、近い将来に予定されたことだろう。
その時こそ私はチケットを取って、劇場に観に行ったはずだ。
春馬君は、今年だけでも2本のミュージカルがあったし、来年も何かミュージカルの出演を予定していたかもしれない。
そして、次の「キンキーブーツ」の再演までの間には、春馬君は世界へ飛び出して、規模も役も小さいかもしれないが、ニューヨークかロンドンで、ミュージカルの舞台に立っていたかもしれない。
今年だって、「ホイッスル・ダウン・ザ・ウインド」を演って、「イリュージョニスト」を演って、場数を踏んでより魅せて聴かせるテクニックを身に着けて、喝采を浴びて、それを大きな自信に変えて、世界へ飛び立つ準備を着々と進められたはずなのだから。
このCDを録った2016年よりも、2019年の方が、歌の表現の仕方が格段に巧くなったように、これから先の数年でも、もっともっと目覚ましい成長を遂げたのだろう。
次の「キンキーブーツ」は満を持してのローラになるはずだった。
私のことだから、きっとその時まで春馬君のことは、やはりノーチェックで呑気に過ごすのだろうが、初めての「キンキーブーツ」を観て、登場するローラの美しい姿に度肝を抜かれ、「Hold Me In Your Heart」に胸を打たれて泣き、「Raise You Up」を一緒に歌って踊って、最高に楽しい時間をキャストと他のオーディエンスの人たちとも共有し、一体感を味わうはずだった。
あの三浦春馬君は、いつの間に、こんなに歌えて踊れて芝居も出来て、圧倒的な魅力を放つミュージカルスターになっていたのかと、感激のあまり、終演しても暫くは席を立てないかもしれない。
そこで、私は年甲斐もなく、人生二度目にこうも思うだろう、「あぁ、三浦春馬君、好き!」と。
「ラスト♡シンデレラ」から約10年の時を経て、私は再び、三浦春馬君の沼にハマるのだ。
次の「キンキーブーツ」が、再び、私を春馬君に繋いでくれる作品になるはずだったのだ。
春馬君が一番輝ける場は、ミュージカルの舞台の上だと私は信じている。
その舞台に立つ春馬君に魅了されて、今度こそ、本気のファンになるはずだったんだ。
なのに、何なんだ。
この2020年に、これ以上ないぐらいの悲しい理由で、沼にハマるなんて思ってもみなかった。
この2016年に録ったライブ音源を聴きながら、2023年の春馬君のローラを、2027年の春馬君のローラを、2030年の春馬君のローラを思い浮かべる。
40代半ば位になったら、そろそろ次のローラにバトンタッチかもしれない。
歳を重ねるにつれて、歌唱はより巧みに、感情表現は豊かになり、回を追うごとに素敵なローラになっていくはずだった。
「キンキーブーツ」は、春馬君にとって、ライフワークとも言えるような作品になるはずだった。
これで終わりになんて、できやしない。
春馬君のローラは、私の中で、いつまでも一緒に生き続ける。
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