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044 日本ワインにカンパイ

この場合のカンパイは乾杯ではなく、完敗、ノックアウトってことでしょうか。

以前にも書きましたが、このところ、マイブームは「日本ワイン」です。日本人って凄い、っていうと勘違いされちゃうので、ここでは、日本ワインをつくってる人たちに限定しましょう。

ホントに凄い。驚くほどおいしい日本ワインが増えています。

九条Tokyoに置いてあるだけでも、25種類くらい。そのほとんどが、おいしい。

なかでも、ボクが一番ハマっているのが、北海道余市にあるリタファームの「十六夜 ナイアガラ」。ナイアガラのブドウの香りがスキっと立っていて、でも甘みはほとんどありません。さわやかな口当たり、澄み通る喉越し。

感動的です。

と書くと、これを読んだ人が探し回って買ってしまわないか、ちょっと心配です。でも、残念ながら、もうほとんど市場に出回っていません。

去年は3月後半の販売開始から、9月後半までは買えたのですが、今年は5月後半には手に入らなくなっていました。

ほうぼうのサイトや酒屋を探し回って、最後は個人が売りに出している、定価よりちょっと高くない?というものまで手を出したのですが、いよいよ今年は終わりかーと思っていたら。。。

持つべきものは友だちですね。

このシリーズでは常連客は取り上げないことにしていますので、友だちとします。まぁ、九条Tokyoにあっては、常連客と友だちは同義語みたいなものですから。

その友だちの友だちが勤めているお店に、リタファームのナイアガラが入荷されるというのです。

やったぁー!

待つこと2、3週間。入荷しました、と連絡が。その嬉しかったこと。

全部で11本入荷したというので、半分の6本いただくことに。本当は全部ほしかったのですが、こんなにおいしいワインですから、ほかの人の分も残しておかないと、とちょっと遠慮したのです。

九条Tokyoにいらっしゃるワイン好きは、たいていナイアガラを注文されるので、お一人一杯、ということにさせていただいています。来年の3月後半まで、ナイアガラのない日を過ごさないといけませんから、その日が来てしまうのを少しでも遅らせたい。その気持ちはみんな一緒ですから。

新たに手に入れた6本も、すぐ残り少なくなってしまいました。先ほどの店に、おそるおそる、まだ少し残っているかと問い合わせてみました。

ありました、4本も。即、全部いただくことに。

そして、いよいよその4本も残りわずかになったある日、再び奇跡が起こったのです。

別の友だち(つまり、常連さん)が、何気ない会話の中で、予想外の言葉をつぶやいたのです。

「この間、友達が北海道に行って、小さな地元の酒屋で、ナイアガラを買ってきたんですって」

なぁにぃ~。。。

すぐ、その友達に、なんという酒屋だったか尋ねてもらい、教えてもらいました。

小樽にある、酒屋でした。その名も、丸い遠藤商店。

丸い? どういうことー?

早速電話してみると、ナイアガラ、ありますと嬉しい返事が。6本ほしいというと、倉庫を見てきますという返事が。待つこと5分ほどだったでしょうか。その時間の長かったことといったら。。。

前にも書いた、信仰を持たないものの祈りの気持ちというのは、こういうことでしょうか。。。カチリと、電話に戻る音がしました。

「ございます」

やったぁ~!

感謝感激雨霰って、ちょっと古い表現で伝わりにくいかもしれませんが、本当にうれしかったです。これで、ナイアガラのある暮らしが、あと2か月は続きます。

でも、待てよ。ボクは今年最初の1本を空けた時に飲んで以来、1杯も飲んでいないぞー。これって、不公平じゃーん。。。店をやるって、辛いことですね。

「あのー、店名の丸いって、どういうことでしょう?」と訊いたのはボク。

「屋号なんです。丸の中に、古い【い】の字が入るんですが、パソコンでは表現できなくて」

なーる。丸の中に【い】だから、丸い遠藤商店かぁ。性格のことかと思ったよー。ナイアガラを置いているくらいだもの。奇跡の店だから、「丸き」のほうが良くない?

「じいさんに訊いたんですが、一番に誠実とか、地域で一番とか、いろんな意味があるって言ってました」

この店は130年以上も続いているそうです。リタファームのナイアガラがあるだけで、ボクにとっては、日本で一番です。

今年、九条Tokyoでは、リタファームのナイアガラを合計40本あまり仕入れました。今さらながらの、プチ自慢?

いつか、余市に行って、リタファームを訪ねるのがボクの夢です。近いけど遠い夢だこと。だって、飛行機に乗らないといけないですからねぇ。

あれー? 今さらですが、この写真のチラシは、お酒好きは避けて通れないから『SAKEられない通り』って。。。日本ワインじゃなくて、日本酒じゃーん、って顰蹙を買いそうですが、そう、日本酒も応援しましょう。これは、もう日本の文化ですから。(写真サイズの関係で、肝心の『SAKEられない通り』ってタイトルが見切れていますね、すいません)

いや、伝統文化としてしまうと、さらに祭り上げられて、お蔵入りしてしまいそうですね。もっと普通に、普段飲みにしましょう。日本酒を。三重の半蔵(神の穂)や福島の自然郷、長崎の福田、大分の百合仕込みなど、おいしい日本酒はたくさんあります。

日本ワインをつくっているワイナリーはまだ少ないですが、日本酒の蔵元となると1000とも1500とも言われています。その幾つかしか知らないボクが偉そうなことを言うのは控えますが、自分の出身地や旅先に、それぞれ地元のお米や水を使った日本酒があるというのは、ちょっとうれしい旅の楽しみですね。

写真で紹介されているほかの3軒は、そんなボクの勝手な思い込みに協力して乗っかってくれたお店です。

こんなご時世ですから、飲食店、それもお酒を飲む店に来る客は激減しています。つまり、日本酒の酒蔵は大変なことになっているはず。

コロナも心配かもしれませんが、日本酒がなくなる、それだって困りますよね。どっちかというと日本ワイン派のボクが言うのも変ですが、日本酒は丹精込めて作っている日本文化の一つ。それも、本当においしいものが全国にはたくさんあります。

そこで、週末を使って、全国の市町村の元気な人たちと繋いで、産地の食材やお酒、ジュースなどを飲み食いし、買うこともできる、『BBQ to』というイベントを始めます。

B バル

B バザー

Q 九条tokyo(クジョウ、ですが、あえて、キューで)

to あなたの街へ

日本ワイン好きのボクですが(しつこい!)、ワインのない市町村や、販売終了の時期には日本酒や焼酎も、そしてその地特産のジュースやドリンクも用意します。

コロナ騒動で、すさんだ心を癒すことはできないかもしれませんが、舌や喉は癒せるかも。週末3日間のうちのどこかで、地元とリモートで繋いで、元気な声を届けてもらう予定です。

第1回目は、10月23~25日。熊本県天草市編です。

こちらも、実際に行こうと思ったら、飛行機でないと行けないですね。そこで、10月の週末3日間は、九条Tokyoが天草市の飛び地になります。

あなたに近い天草市谷中1丁目にある、九条Tokyoで天草の物産を愉しみましょう。

その人は近くて遠く在るゆゑに われを歩ます天の青さへ (小島ゆかり)

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