圧倒的現実
アボリジニたちの音楽に楽器は存在しない。
低く地を這うディジュリドゥの倍音。
木片を打つブーメランの響き。
そして肉体。
調律という不自然さのない。
西洋音階という抑圧のない。
自然と隔たることのない。
骨と声の音楽。
伸縮する筋肉は大地を踏み鳴らし。
からっぽの筒の中を風が通りぬける。
音楽そのものが呼吸している。
音楽という圧倒的現実。
夢見のなかで、マングローブ。
夢見のなかで、ユーカリの葉。
土地の物語、どこから来たのか語る。
夢見という圧倒的現実。
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