天秤秤Age.49：窓際で暮らす／藤田美香

こんなにもおんなであること三ヶ月生理はとまらずどうしたいのだ

心地よく諦めている手のひらに乗らない分の絹ごし豆腐

ぺヤングの大盛りあっさり平らげる他人の闇など見えてたまるか

この部屋は空がないのでできるだけ窓際で暮らすことにしたんだ

友だちという語で首を絞めてくる感が苦手で　未だ苦手で

憧れのひとの言葉が色褪せて　夜・都市・波　ああそういうことだ

ひととおり家事を済ませて測ったら三十七度二分の体温

傘を差して私は雨を避けるから誰かが余計に濡れやしないか

生きてきた動悸はお金、目標は有閑マダム　本気ですけど

悩み事がひとつもないのは悪いのか午前三時のレディーボーデン

たいしたことじゃないがステージⅣだ　ってラインで伝えてくる父が好き

いままでに何度生まれてきたのだろう初めてみたいに怯えるけれど

世の中が変わってゆくのよオフィーリア嘆くほど正気じゃないくせに

休日は休日として過ごす日が増えて息子につくる味噌汁

Age.49 競馬もボートもパチンコも行ってみたい　はぴばーすでい

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誕生日発行なんて中二病かよ。という自覚はあります。昨年思いつきで発行して2回目です。もっと早い時期に思いついていれば良かったなと思ったりもしましたが、これも丁度よかったんでしょう。

人にはいつも「ちょうどいい」状況が与えられていると聞いたことがあります。良寛和尚さんでしたか。

わざわざお読みいただき本当にありがとうございます。あなたがそこにいてくれることにいつもとても感謝しています。

私は、私の歌を。

2020.10.16発行　(ネットプリントとして発行した作品です。)