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【2023/05/17追記】【制御設計】制御屋さんが読んでおくといいかもしれない本

工場機械の制御設計に従事されている方は、いろいろと覚えておいた方が
良い知識があると思います。
知識を得るための方法として、本というのがありますので、今回は私が制御設計時代に読んでいた本を紹介します。

先に言っておきますが、ネットで本を買う時は、立ち読みができるなら目次を見てみたり、レビューにも目を通しておきましょう。

ラダーの書き方が分からない。なら、逆引きしてしまえ!

ということで、ここではプログラマーがよく組み方が分からないときに頼る逆引きの本を紹介します。ラダープログラムにも逆引きの本は存在します。

必携 シーケンス制御プログラム定石集

この本にはシーケンスプログラムの定石が数多く掲載されています。今こういうプログラムを書きたいという時に見てみると、これだ!というプログラムが見つかるかもしれません。
ただし、あくまで参考書籍として見るようにしてください。
会社に所属している方、フリーランスの方ならわかると思いますが、会社ごと、お客様毎にプログラムの書き方があったり、指定されたプログラムに手を加える形で作成する場合が多いです。
なので、掲載されているラダープログラムをそのまま書くのはよろしくないと考えます。
あくまで、参考として使いましょう。

装置に使われている部品の用途が分からない。なら部品について図解が多い本で学ぼう!

装置には、サーボモータだったり、エアシリンダだったりいろいろな部品が使われています。制御設計をするうえでそれらの使い方を知ることはレベルアップにつながります。なので、ここでは部品を図解でまとめている本を紹介します。

トコトンやさしい機械設計の本

この本は、機械設計初心者の方にも是非読んで欲しい本です。機械設計の考え方や、装置に使われる部品(機械要素)に関して広く浅く、図でわかりやすく掲載されています。
制御設計の方も、機械設計が何を考えて設計をしているのか知るのは有意義です。というのも、機械設計を知らないと制御に関する質問、ツッコミが出来ないからです。なので、この辺は抑えておきましょう。

番外 トコトンやさしいシリーズのおすすめの本

この、「トコトンやさしい」シリーズは、いろいろなものが出ています。
なので、ここで、制御設計で使いそうなものを列挙していきます。

◎トコトンやさしいシーケンス制御の本

シーケンス制御の基本的な考え方が、図解で載っています。制御設計の入門書に使えるかな。

◎トコトンやさしいサーボ機構の本

装置を作るうえでサーボ機構(サーボモータ)の制御はよく使います。なので、これも抑えておいた方がよいでしょう。

ここからは、自分が読んだことがない本ですが、制御設計で必要そうなものをピックアップします。

◎トコトンやさしい制御の本

制御って書いてあるだから、それなりのことは書いてあるのかな?


◎トコトンやさしいセンサーの本

センサーも、装置にはよく使われます。のでこれも知識として使えるかな。

◎トコトンやさしい油圧の本

油圧・空圧に関しては、後ほど違い本を紹介するので、ここでは詳しく書きませんが、油圧・空圧も装置ではよく使われます。

◎トコトンやさしいロボットの本

ロボット(ここで言うロボットは、工場で使うロボットアーム(6軸ロボット))も、よく装置では使われますので、これも使えそうかな。

装置で発生する力などの物理の公式とか、覚えていない。だったら今から学びなおせばいい!

これは、機械設計の方にも、言えることだけどワーク(装置で製造している部品)とかに力をかける時、必要以上に力を書けると部品や装置が破損してしまいます。そこで必要になるのは物理法則の知識ですが、結構忘れていることが多いです。そんなときはこの本です。

大人のための高校物理 復習帳

運動方程式だったり、等加速度直線運動の公式、圧力の公式等、高校物理の復習にはいいのではないでしょうか。

装置で使われている油圧・空気圧って何?だったら仕組みを覚えよう!

トコトンやさしいシリーズの時にちらっと話題を出しましたが、装置でものを動かしたりする機構には、油圧・空気圧が使われることが多いです。
なので、この本でそれらを理解しましょう。
もちろん、これは本来、機械設計も抑えておきべき分野です。

図解入門よくわかる最新油圧・空気圧の基本と仕組み

これは結構難しい本ですが、油圧・空気圧に関しては、大体網羅されていると思います。

装置は安全でないといけないとお客様から指摘が。ポカヨケ?フールプルーフ?なら、安全学について学ぼう!

よくお客様から、ポカヨケとかFP(フールプルーフ)は装置に組み込んでいるのかと突っ込まれることが、よくあります。装置には普通、安全装置・安全回路がつけられており、作業者の安全を確保できるようにしております。
その安全ってどういうやり方で確保するのか、それを学ぶにはこの一冊

入門テキスト 安全学

安全に関しての考え方を、実際に起きた有名な事故を交えて紹介。装置作成での安全の確保の仕方もこれで学べるはず。

お客様の工場に行くけど、気を付けることって何だろう?過去に起きた事故事例で学ぼう

まあ、制御設計屋さんは、装置納入、不具合発生時に工場に呼び出されます。
大抵、大きい工場だと、入場前研修というものを社内、もしくは工場到着時にやるところが多いですが、それでも事故は毎年起きています。
では、どんな事故が起きているのか。事例集をここで紹介。

製造現場等におけるイラストで学ぶリスクアセスメント

この本には、工場等で発生した事故事例が多数載っております。こんなことで事故になるんだという事例もあります。悲惨なものもあります。
知識として読んでおくのはいいかもしれません。

お客様先で、よく合うのは生産管理部門の人だなー。どんなことをしている人たちなんだろう?よく会うお客様を知ろう

わたしが、制御設計をやっていた時に、工場でよくお世話になったのは生産管理部門(生産技術とか生技とも呼ばれています)の人でした。
で、いつも、ノルマがどうこうだの言っていたので、なんでそんなに切羽詰まっているのか、気になったりしました。そんな時はこういう本を読んでみましょう。

[ポイント図解]生産管理の基本が面白いほどわかる本

私が、持っている本はこれなのですが、同僚にもっとわかりやすい本を
持っていた人がいて、その本を紹介できればよかったのですが、タイトルがわからないので、こいつを紹介。
生産管理ってものを作るために最適化し、そのためにいろいろ計画を立てたり、装置の改良案を出したりしているんですよね。
だから、制御設計に「この動きをこうしてくれ」とか言ってくるんですよね。

番外 PLC製造会社のノウハウ資料も目を通しておこう。

キーエンスだったり、三菱だったり、PLCやその他部品の説明書をサイトにダウンロードできるようにしているのですが、それとはまた別に、事例集だったり、ビギナーズガイドだったりといろいろ資料を提供してくれるのです。
※まあ、ダウンロードとかすると、面会の電話が来たりしたりするのですが。。。そういうのも活用するといいと思います。
私は、反物系の装置を作成する際に張力に関してまとめていた資料・事例集をよく読んでいましたね。

【2023/05/17】番外 会社勤めは、現代の戦(いくさ)だ!戦い方が分からない?なら、兵法を勉強すると良いぞ!

新版 面白いほどよくわかる孫子の兵法 (学校で教えない教科書)

私が持っているのは、2007年発行の旧版ですが、内容は変わらないと思います。
孫子(孫武)は、紀元前500年ごろの人物で、兵法書『孫子』を描いた人物です。
『三国志』(著:陳寿)だと、孫呉の始祖、孫堅(孫呉初代皇帝 孫権の父)が「孫子の子孫だといわれている」と、曖昧な表現で記されているのが有名です。

で、この兵法書は13篇で構成されており、現代でも通用する戦略が記載されております。
有名なのは、日本の戦国武将、武田信玄(晴信)の軍旗で有名なこれ

「風林火山」
其の疾きこと風の如く、其の徐なること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如く

孫子『孫子』

あとは、戦わずして勝利することが最善というのを表した

戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。

孫子『孫子』

とかですかね。

この本を読むきっかけは、昔、オンラインゲーム(ファンタジーアースゼロ)やっているとき、人生で立ち回りが出来ないことを、同じ団の人に相談した時に、
「孫子の兵法とか読んでみるといいよ」
と進められて読んだのが始まりです。

で、読んでいると、現代社会での立ち回り、商売で勝つために使える考え方が載っているんですよね。

この本は、歴史上の戦い・外交戦略を、孫子の兵法の一文を引用して、写真付きで紹介しているすごく読みやすい本です。
そして、巻末には原文と現代語訳が載っており、各項目での引用元も示してあります。

どんな仕事についても、誰かしら相手がいて、やり取りをしなければならないです。
なので、その時にこういう方法で、部下、上司、お客様を動かしてみよう、交渉してみようというヒントが載っているはずです。
私に騙されたと思って読んでみてください。

おわりに

いかがだったでしょうか。
自分の読んだことある本は大体紹介できたかなと思います。他にも世の中には、制御設計で使える本はたくさん存在します。是非困ったときなどに、
これらの本を活用してみてください。



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