ちまきってなんぞ

ちまきって知ってる?」

あぁ、知ってますよ!でもどっちだろう?おこわの入っている俗に言う中華ちまきでしょうか?それとも細長く巻いてあるこどもの日に食べる甘いほう?

自信満々で返したら、どうやらどちらも全然違ったようだ。我ながら食べ物のことばかり考えていてお恥ずかしい。

この連休、京都では祇園祭が行われている。ちまきとは、祇園祭の間だけ限定で授けていただけるお守りなのだそうだ。京都の人は一年間、玄関先にちまきを飾って家内安全を祈るんだって。

八坂神社でいただけるとのことだったのでちょっくら足を伸ばしてきた。

東山駅で電車を降りて白川沿いをぐんぐんすすむ。
川沿いの柳がこれでもかと枝垂れている。めのまえに垂れ下がる葉をひょいひょいとかわしつつ、水のちょろちょろと涼しげに流れる音を聞きながら進むと円山公園についた。

円山公園には世界イチかわいいポケモンマンホールがあるよ

円山公園に入るとすぐ「いもぼう」という京都名物をだす料亭があった。芋料理に目のないわたしは、まぁなんであれ芋を棒状にしたものがまずいわけがないし京風ポテトスティックがあるならこの舌でぜひ味わってみたい、と目を輝かせながら近づいた。
よくよく説明書きを読むと、それはホットスナックなどではなく、海老芋棒鱈を炊き合わせた煮物なのだそうだ。茶色くこっくりと煮られていてとても美味しそうだった。時間的にお昼にはだいぶ早かったのでこれはまた今度。

円山公園から八坂神社までは歩いてすぐだ。
八坂神社では、祇園祭の今しか見れないのであろう、金ピカピカピカのお神輿がドカンドカンと鎮座ましましていた。お神輿ってかっこいいよね。あれだけ光り輝く乗り物(乗り物か?)現世ではなかなかない。とってもバブリー。

金ピカにくらんだ目を伏せつつ、振り返って授与所に目を向ける。あ、あったぞ。白くて細長い、七五三の千歳飴をいれるような袋が何個か並べられている。
人出に対して並べられているちまきの量がだいぶ少ないのだが、少しずつ並べていくスタイルなのだろか。とりあえず我々の分は無事いただけたのでよかった。

これが厄除けちまきです

わー。ほんとだ、ほんとにちまきだー!
形ははこどもの日に食べるタイプのちまきにそっくりである。初めて見たわぁ。

帰り道、祇園祭にそわそわと沸き立つ四条通をぷらぷらと歩いた。
お店の軒先には、たしかにちまきが飾ってある。あちらも、こちらも。そこかしこに。
八坂神社に来る前に通った道でも、なんなら去年も一昨年も、夏も冬もちまきはそこに飾ってあったのだろう。ちまきという存在を知って初めて、玄関の上のちまきに目が留まるようになった。

無知とはなんと恐ろしい。
知らなければ世界に存在しないのだ。
いままで気づいていなくてごめんね。はじめまして。ちまき。ようこそわたしの世界へ。

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