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温浴施設に置きたい、夢中な気持ちにさせてくれる本 PART②
ヘッダー画像出典:海が走るエンドロール 1巻
<第1弾>
https://note.com/kugimaruryo/n/n085cd6917908
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『読者を夢中な気持ちにさせてくれる本』について、おすすめしたい本とはこちら、”海が走るエンドロール”です。
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〜簡単なあらすじ〜
美大生の青年との出会いをきっかけに、65歳にして”映画を作る側”の人間になろうと思ったおばあちゃんを描く、青春漫画です。
物語は、夫と死別したばかりの65歳の主人公のうみ子が、何年か振りにふと映画館に訪れるシーンから始まります。
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ーーもう少し若い時なら もう少しちゃんとした服でくればよかったって思っただろうなーー
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うみ子は、映画を見ている自分が、”スクリーン上に映る映画”ではなく、”映画を見てる人”が気になってしまっていることに気が付き、ふと、後ろを振り向きます。
そして、この作品のキーパーソンとなる、美大生の『海』と運命の邂逅を果たすのです。
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その後、うみ子と海は、とある事情で、うみ子の家で一緒に映画<老人と海を見ることになります。
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昔、夫と一緒に見ていた映画<老人と海>を見て、夫と死別してしまったという現実に改めて向き合い、思わず泣き出してしまったうみ子。
それでも、海に気を遣わせまいと気丈に振る舞おうとするうみ子。
そんなうみ子に、海はこんなことを問いかけます。
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こうして、65歳のうみ子は、自分が『映画を作りたい側の人間』だったことに気が付き、創作の”海”に舟を漕ぎ出すのです。
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以上があらすじです。
そしてここからは、ぼくが読んでいて、”海が走るエンドロール”に『夢中』にさせられたなあと思ったポイントを、いくつかご紹介したいと思います。
”海が走るエンドロール” 『夢中』にさせられたポイント
① 何かを始めることは、早いに越したことはないし、遅すぎるなんてこともない
海との出会いで、自分が”映画を作りたい側”だと気付き、その勉強のために大学に行こうと決意したうみ子。 その揺るぎない信念と覚悟が現れたシーンに、大いに心を揺れ動かされました。
一般的に、65歳から大学に通うというのは、非常にまれなケースでしょう。
しかし、うみ子は、そういった世間の目や自分自信が抱いているネガティブな感情と真摯に向き合い、葛藤しながらも、本当にやりたいことに向かって、一歩前に踏み出すのです。
やりたいことをやるのに年齢は関係ない
なんて、陳腐な言葉をどこかで聞いたことがありますが、ぼくはこれは違うと思います。
気力も、体力も、置かれている環境も、歳を重ねるにつれて、様々な鎖に縛られ、気付けばいつのまにか身動きがとれなくなってしまっている。それが人間ってもんでしょう。
年齢は、関係あります
だから、そんな厳しい現実と向き合いながら、それでも前を向いて動き出すうみ子の姿に、ぼくは思わずグッときてしまいました。
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②”言い訳”は『夢中』の敵
入学した大学に通う学生に、ずばり『年齢』のことについて触れられるうみ子。
わかっているとは思いながらも、時折ふと頭をよぎる自虐や自己否定といった、自分でも言いたくない”言い訳”をつい口に出してしまい、自己嫌悪に苛まれてしまいます。
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そして、本当の自分の気持ちとは反する言葉をつい口にしてしまううみ子に、海は厳しい言葉で問いかけます。
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ぼくも、『夢中を届けるサウナ・温泉郷を作る』という本当にやりたいことを叶えるべく、こうして泥臭くもがいていますが、それは、どんなときも充実している、ということではありません。
むしろ、周りに理解されずに煙たがられたり、腫れ物に触るような扱いをされたり、いつのまにか嫌われていたり。そういった雰囲気に少なからずぼくも影響され、なかなか自己実現の歩みが思うように進まないと、少しずつ誰かのせい、環境のせいにしてしまう。そんな時も無いと言ったら嘘になります。
でも…
それでも…
天才的な閃き、圧倒的な行動量など要らないから、やるべきことを、やるべき時に、愚直にやる。本当に欲しいもののためなら、それに見合った犠牲を払う覚悟を決める
文句ばっかり言って、人のせいにばかりして、ちんたら走る奴に、何が見えるものか
全力で疾走する人間にのみ見える景色というのが、確かに在る
そういう”生き様”を送る人間にこそ、勝利の女神が微笑むもんだ
ハッピーエンドって、そうやって掴むものでしょ?
迷いつつも、本当にやりたいことに向かって必死に走るうみ子の”生き様”を見ると、そう思わずにはいられないのです。
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『…ありがとう 海くん』
③『一歩踏み出す勇気』をくれる
『海くん 初めて出会った時、私を【こっち側】だって言ったの 覚えてる? モノを作る側の人間だって』
「…」
『作る人と作らない人の境界線て なんだろう』
「それは…
元々興味ないとか
環境とかの
いろんなものがあると思いますけど」
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ぼくも、うみ子のように本当にやりたいことに真摯に向き合って生きていると、このシーンのように、なにかが”始まった”ような、そんな瞬間を感じられる時が、くるのだろうか。
そして、うみ子の”生き様”に心を動かされた海のように、【自分の人生を夢中で生きる】ぼくの”生き様”は、誰かの心に『夢中を届ける』ことができるのだろうか。
もしそうだとしたら、その時が来るまで、【本当にやりたいことに夢中になって自分の人生を生きること】を諦めたくない。いや、絶対に諦めない。
うみ子の、”カッコいい生き様”に、背筋が伸びたシーンです。
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