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サウナで脳を休ませてあげましょう

サウナ浴は、

①サウナ【80〜100℃】
②水風呂【15℃】
③休憩(外気浴)【30℃】
※あくまで一例です。

の一連の流れを1セットとし、合計3セットほど繰り返すことで、『気持ちいい状態』になります。これをサウナ界隈では、通称『ととのう』と表現します。

では、サウナや水風呂といった厳しい温度環境下では、身体と頭の中はどうなっているのでしょうか。

今回は頭の中――即ち『脳』――にスポットを当てて考えてみたいと思います。


①サウナと水風呂という厳しい環境下では、脳はどうなっているのか?

サウナや水風呂に入っている間、脳はどうなっているのかというと、結論、めちゃめちゃサボっています。

サウナに入ると、熱くて色々なことを考える余裕がありません。冷たい水風呂も然りです。人体にとっては、いつもとはまったく違う危機的な環境です。そのため人体は、サウナ、水風呂の環境に対応できるように集中し、余計なことを考えなくなるのです。

実は、脳が疲れてしまう主な原因は、ぼーっとしている時にもあれこれ考えてしまうことによって、脳の70~80%のエネルギーが奪われることにあります。

現代に生きる私たちは、普段なにもしていなくとも、五感を通じて膨大な情報を受信し、処理しています。目を閉じて耳栓をしてなにも考えないようにしていても、いつの間にかついなにかを考えてしまうものです。こうして思考が次々と湧き上がることによって脳内が動き続け、脳はどんどん疲れていきます。

これは脳が自動的になにかを考え始めてしまうというメカニズムの問題なので、意思の力ではどうにもならないのです。

こういった、ぼーっとしている時、即ち、脳が意識的に活動していない時に働いてしまう脳回路を、DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)といいます。

先程、サウナと水風呂に入っている時は脳がサボっているといいましたが、言い換えれば、このDMNの活動を抑えられているということです。

つまり、サウナと水風呂に入っている時は、脳の70~80%のエネルギー消費(DMN)が抑えられている脳が休息できているということなのです。

逆に、このようなぼーっとしていない時、即ち、脳を能動的に使用している時――DMNに対してCEN(セントラル・エクゼクティブ・ネットワーク)といいます――のエネルギー消費量は、DMNが活動している時と比べてたった5%程度しかアップしていないのです。

そう考えると、ぼーっとしている時の脳のエネルギー消費量70~80%(DMNの活動量)が、いかに膨大かがわかると思います。

②サウナが脳を休ませてくれる

DMN=ぼーっとしている時に働いてしまう脳回路
CEN=意識的に脳を使用している時に活性化する脳回路

ですので、DMNとCENが同時に活性化することはありません。

しかし、CENのエネルギー消費量が5%程度であるのに対し、DMNのエネルギー消費量は70~80%にも及ぶわけですから、脳が最大限のパフォーマンスを発揮できるようにするためには、DMNの消費量を減らすことが重要になります。

それを実現できるのが、サウナなのです。

サウナや水風呂に入ると、その熱さや冷たさによって強制的に思考を停止させられるため、脳がサボっている状態になります。即ち、ぼーっとしている働いてしまう脳回路、DMNの消費量を減らしてくれるのです。「サウナに入ると脳がスッキリする」といった声があるのは、こういった理由があるからです。

サウナで脳の活動を抑えてDMNの消費量を減らすことが、脳を休ませてあげることに繋がっているのです。

③『ととのう』だけじゃない、サウナの魅力

昨今のサウナムーブメントで、『ととのう』という言葉を耳にする機会が多くなりました。

それが次第に、

「あそこのサウナ室は〇℃だった!」
「水風呂は〇℃がベスト!」

といった、いかに効率的に『ととのう』かが議論の的となり、サウナそのものの意義について考える機会も少なくなりました。

たしかに『ととのう』ことはサウナ浴の魅力の1つでもありますが、なにもそれだけがサウナの魅力ではないのです。

サウナにいくことで無意識のうちに日常で酷使してしまっている脳を休ませることも、立派なサウナの魅力の1つです。

考えすぎて疲れてしまっている人
頭の中がごちゃごちゃしていて一旦すっきりしたい人
嫌なことや、忘れたいことで頭の中が占領されてしまっている人

そんな人にこそ、サウナで日頃酷使してしまっている脳を休ませ、『ととのう』だけではない、あなただけのサウナの魅力を感じてもらいたいと思います。

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