見出し画像

ツナギ売り_実践編

こんにちは、個人投資家のくがつです。
最近、FIRE(Financial Independence, Retire Early)という言葉をよく耳にします。早期リタイアを実現したいと若者を中心にムーブメントとなっているようです。要は、いい歳した大人が「働きたくない」、「働きたくない」と騒いでるって話しですね。安心してください、私も同志です。

私も、小学校に入学する前から「大人になりたくない」、「将来働きたくない」と深刻に悩んでいました。なので、なぜ今さら早期リタイアがブームになっているのか謎ですが、以下のイメージ図のように「不労所得で暮らしたい」、「自由でいたい」なんて考えるのはむしろ当たり前の話しですよね。

画像1

よっぽど有能な人でない限り、フルタイムの仕事をずっと続けるのは厳しいと思っています。5年も10年もフルタイムで真面目に働いていたら、メンタルやられるのは、もはや普通です。私もメンタル崖っぷちのラインでなんとか今を生きています。

だから投資の勉強をして早期リタイアを妄想することで、現実逃避しています。もはや、お金を増やすための勉強は、精神安定剤の役割を担っているのです。早期リタイアを実現させることは自身を守るためでもあります。極端な話し、将来は「FIREか病むか」の二択です。以下のようになる前になんとかしたいものですね。

画像2

とはいえ、ただ「働きたくない!」と心で願っても現実はなにも変わらないので、そろそろ本題に入ります。

本日は、ツナギ売りの実践について書いていきます。
『ツナギ売りってなに?』という方は、下記の記事をご参照ください。こちらツナギ売りの概要をまとめた記事となります。

私は金融資産1億円がセミリタイア実現の最低ラインかと考えています。できれば2億円欲しいのですが、1億円に到達したら、ぬけがらになった剣心なみに仕事の意欲が消えるはずなので、1億円を目標にしています。

画像10

そして、金融資産が1億円を超えたら、いま以上に大型株を中心とした守り重視の運用にすると思います。配当利回りが2~3%程度を優良株を中心とした運用をイメージしています。もちろん、高配当の優良株があればそれが最高ですが、そんな銘柄なかなかないので、優良株中心を想定しています。

大型優良株を中心とした運用にシフトした際、「ツナギ売り」のスキルは大いに役立つと考えています。ツナギ売りは、どれだけ運用金額が大きくても、心理的な不安が特にない状態で取引ができるからですね。

画像3

この「運用資金が大きくも安心して取引できる手法」という点がとても重要だと思っています。持っているお金を全部に使うってことも意外と難しいことなのですよね。

ツナギ売りは大型株への投資ととても相性が良いと考えています。なので、今のうちからFIREを見据えてツナギ売りの練習をし始めています。

今日は、私が行っているツナギ売りの手順をまとめていきます。

1.安い価格の時に株を仕込む

安い価格で株式を購入するためには、ファンダメンタルズをきちんと学ぶ必要があります。「株は安いときに買って、高くなったら売る」という言葉をよく聞きますが、私はこの意味を以下のように解釈しています。

企業の本質的価値と比べて、時価総額が割安なときに購入して、
企業の本質的価値と比べて、時価総額が割高なときに売却する。

画像4

ファンダメンタルズをきちんと理解するためには、財務分析や会社四季報など基礎を学ばれることをオススメします。基礎さえ分かっていれば、あなた自身で企業の本質的価値が算出できるようになります。

本質的価値の算出に答えはありません。大切なことは日々の価格変動に動じない”軸”を持つことだと考えています。

私は、林輝太郎氏の書籍でツナギ売りを学びましたが、安い価格で現物を仕込むことについて林氏の書籍では、『適当に底値で買う、そこまでは誰でも簡単にできる。』というようなことが書かれています。「いや本当にメッチャ適当だな、そんな簡単に底値で買えないだろ」と強く感じたことを覚えています(笑)

『値動きの周期が一定で、安定している銘柄が望ましい』ということも林氏の書籍に書かれていましたが、企業のファンダメンタルズも把握せず、低い価格というだけで買って、保有し続けられるものなのか少し疑問です。

たしかに、値動きは安定していた方が良いのでしょうが、それよりも先にファンダメンタルズを学ばないと、値動きだけで取引することになるので、それは危険です。もしかしたら倒産するほど経営状況が悪化していて、株価がえらく下がっているのかもしれません。

画像11

結論、ファンダメンタルズの基礎なくして、ツナギ売買を始めるのは難しいです。結局、基礎をきちんと学ばないと遠回りすることになります。

2.場帳を記入する

場帳とは、日々の終値を数字で紙に記録し、その推移を追えるようにした一覧表です。場帳は価格の推移を確認するだけでなく、売買記録も併せて記入します。

ツナギ売りする銘柄は、この場帳を毎日記入します。場帳は売り建ての戦略立案にも使いますし、ルールを守ることで行き当たりばったりな取引を抑制することもできますし、多岐にわたりなにかと便利なツールです。

画像12

売り建てにおける注意点
① 直近の安値から、2ヶ月以上経過したら売り始めること
② 一括で売り建てず、分割して売り建てること
③ 値上がりした翌日に寄成で売り建てること

私が場帳に記入する情報は「終値・建玉状況・高値安値の目印」です。
場帳を記入する元ファイルを以下にアップしました。

3.半年~一年半ほど待つ

現物で株式を購入してから半年~一年半ほど放置します。企業の本質的価値より低い価格で購入できていれば、利益になっている可能性が高いはずです。

画像5

この間もずっと、場帳は記入し続けます。半年ほど場帳を記入し続けることで、だいぶ値動きの感覚も身に付いてきます。

ツナギを始めるに当たり、現物の含み益は50%以上欲しいところです。損益率の過多によって、同じ5%の利ザヤでもコストダウンとなる価格が以下のように違ってきます。

800円の含み益25%は1000円、5%の利ザヤで50円(6.25%)のコストダウン
800円の含み益50%は1200円、5%の利ザヤで60円(7.5%)のコストダウン
800円の含み益75%は1400円、5%の利ザヤで70円(8.75%)のコストダウン
800円の含み益100%は1600円、5%の利ザヤで80円(10%)のコストダウン

安い価格で購入できていて、それなりに利益の出ている状態であることはとても大切なことです。そもそも含み益が20%も利益が出ていないのなら、企業の本質的価値と比べてまだ上昇余地があるはずです。

4.売りツナギを入れる

実際に売りツナギを入れるにあたり、私は「市況全体」と「個別の値動き」の二つに意識を向けています。

画像6

まず市況全体ですが、主に次の3点を意識します。

α. Twitterや世間が強気一辺倒の時こそ売り建てる
大衆と反対の行動を取ることが最も成功する方法です。アナリストや経済学者の意見が一致したら高確率で外れるということも覚えておきたいところ。

β. 25日騰落レシオが120%以上の時を狙う
「25日騰落レシオ=過去25日間の値上がり銘柄数÷過去25日間の値下がり銘柄数」です。25日騰落レシオが120%の状態とは、東証一部が2200銘柄だったと仮定して、過去25日間の平均で値上がり銘柄数が1200、値下がり銘柄数が1000という状態を意味します。

γ. 10月の売り建ては極力避ける
1949年に日経平均株価が発表されてから71年経過しましたが、月間終値で年間高値を集計すると、10月が高値をつけたことは一度もありません。

画像7

次に個別の値動きですが、基本的に判断に必要とする情報は場帳だけでこと足ります。具体的には、毎日記録している値動きの感覚から、そろそろ仕込み始めても良さそうかを判断します。

この「そろそろ仕込んでもいいかな?」という感覚は基本的に外れるので、直近の安値から2ヶ月は上がり続けているかを確認します。安値から1ヶ月の値上がりで高値をつけることはあまりないことから、2ヶ月ほど上がったことを確認してから売り始めます。

あまりその場その場で判断して取引するのではなく、将棋のようにあらゆるケースを想定しておき、数週間先の戦略を事前に立てておく意識が大切でしょう。また、天井を狙いすぎるといつまでもたっても始まらないので、あまり欲張りすぎない意識が大切でしょう。

画像8

最初は特に取引を急いでしまうものなので、少なめの株数で練習すると良いです。何度か練習を重ねてから、正規のルールに従って行うようにする流れがオススメです。

必ず守ることは、値上がりした翌日に寄成で売り建てることです。間違ってもまとめて売り建てることはしません。30~60日かけてゆっくり売り建てていきます。

画像9

仮に途中で株価が値下がりしてきても、無理に保有株最大まで売り建てません。資金には余裕を持ち、絶対にオーバーヘッジしないことも注意したいところです。

5.ツナギの買戻し

予想に反して半年間上がり続けてしまっても"現渡し"で買いを外すだけと心得ておきます。ツナギにおける最悪のシナリオは上がり続けることなので、この点は予め覚悟の上、取引に望む必要があります。

ツナギ売りは、一連の取引で5~10%コストダウンできれば成功と判断します。また、買い戻した後、すぐに売り建てしないよう区切りをつける意識も大切です。

買戻しのタイミングも、期間に対しては同じ考え方で、高値から約2ヶ月間の下落を待ちます。一括で買い戻しはせず、「300株ー300株ー600株」など売り建てた時と同じように分割して買戻しをします。

売り建てる際も、買い戻す際もどちらも同じく慎重かつ丁寧に行う意識が大事です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上、少し長くなりましたが、私がツナギ売りにおいて活用しているすべての知識を今回の記事にまとめました。

ツナギ売りは、あまり参考になる書籍も存在しないので、今後も経験を通じて改善を図っていこうと考えています。

また1年も経てば、考え方も大分変わってくると思うので、現時点で思っていることを記録するためにも記事にまとめました。

この記事がこれからツナギ売買を始めようとされている方の少しでも参考になれば幸いです。

画像13


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?