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ツナギ売り_紹介編

こんにちは、個人投資家のくがつです。
半年以上更新が滞っていたので、久しぶりに記事を書きました。
本日は、最近興味を持ち始めた「ツナギ売り」ついて紹介します。

私は基本的に、中長期の投資を行っているのですが、ツナギ売りも実践しているので、その手法を簡単に紹介させてもらいます。

ツナギ売りとは、相場の下落が見込まれる局面において、保有している現物株を売らずに、同じ銘柄を「信用取引で空売り」する手法のことです。

はじめに言っておかないといけないことがあります。
私は、S&P500など海外インデックスファンドのパフォーマンスを上回ることができ、一年間で10%も資産が増えれば、その年の投資は成功であると考えています。
1年間で2~3倍以上資金を増やそうと考えている人にとって、本日の記事は退屈な内容であり、かつあなたの時間を奪ってしまうだけなので、ご注意ください。

私は、「いかにリスクを抑えて資産を増やせるか」ということにのみ、興味があります。
高いリスクをとって高いリターンが得られたとしても、それは決して長く続かないので、長期的にはあまり意味がないと考えています。

もし、この記事を読んでいるあなたが、リスクを抑えた取引に興味がおありであれば、ぜひ最後までお付き合いください!
では、早速はじめていきます。

まず、ツナギ売りとはなにか?ということですが、前述のとおり、ツナギ売りとは、保有している銘柄の株価が値下がりしそうなタイミングで、売却する代わりに同じ銘柄を信用取引で空売りする手法です。

売り建てた後、株価が値下がりしたところで買い戻せば、現物の損失をカバーし、空売りで利益を得ることができます。

下記に送付したチャートがツナギ売りのイメージです。

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ここであなたは、次のように思ったかもしれません。
『そもそも、これは通常の取引となにが違うのか?』
『800円で買って、1200円で売って、1000円で買い直せばいいのでは?』

たしかに、そのように上手に売買できるのならそれで良いです。
しかし、その単純なことができないから相場は難しいのです。

仮に1200円で売れたとしても、いざ1000円で買い直そうとする局面では、『一度、800円以下にまで株価が下がっているのだから、買い直すのはもう少し待った方がいいかもしれない...』といったように考えてしまうものです。

まさしく、私がツナギ売りを実践する理由もその点にあります。
株式取引は、いかに自身の心理的不安を除くかがカギだと考えています。
そして、心理的不安を取り除く一つのアプローチとして、ツナギ売りがあるのです。

ツナギ売りによって、どのように心理的不安を和らぐことができるのか、もう少し詳しく話しますね。

まず、下記チャートのように、わりと低い価格で仕込むことのできた株式があったとします。

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購入した後、株式は順調に上昇して、購入当時と現在の数値まとめると以下のような感じになります。

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保有している銘柄の株価がぐんぐん上昇してくると、次第に欲も出てくるもので、私の場合、次のように考えてしまいます。

ずっと上がっているので、さすがにそろそろ調整くるかな?
↓↓
株価が下がる前に売った方がいいかもしれないなぁ。
↓↓
また株価が下がったところで買い直せばいいや!

ここで利益の出ている銘柄を売ってしまうとどうなるか。
当たり前ですが、プラスもマイナスも何もないフラットの状態に戻ります。
このプラスもマイナスも何もない状態というのがなかなか曲者で、フラットの状態ですと、新たに取引を始める際、"損を出したくない心理"が強く働いてしまいます。

本能的に含み損を避けようとするので、いざ1000円にまで価格が落ちてきても、『一度800円以下にまで落ちたんだから、もしかしたらまだ下がるかもしれない...』と、含み損を避けたいがため、できるだけ安い価格になるまで待とうと考えてしまうものです。
フラットの状態だからこそ、以下のように考えてしまうのですね。

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また、1200円で売却してからも株価は下がらず、さらに上がってしまうケースがあります。
売ってから株価が下がるケースよりも、売ってから株価の上がるケースの方が実際のところ多いのではないでしょうか。
こうなってしまうと、『あ~、取り逃がしてしまった、売らなきゃよかった』となり、『また大きく下がったら、買ってもいいかな』などと考え、当面取引することはまずないでしょう。

このように「買う→売る」といった"片張り"の取引では、心理的な要因も働いてしまい、なかなか適切な行動が取れないものです。

そこで、今回紹介する「ツナギ売り」が登場します。
現物を売却するのではなく、以下のように空売りを入れるのです。

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そして、数か月後、株価が下落したところで空売りを返済します。
まちがっても現物で保有している以上の株数を仕込むことはしません。
ですので、仮に半年間株価が上がり続けてしまっても現渡し(現物株を渡すことで空売りを返済する取引)をするだけです。
現渡しなら、現物で購入した価格から、ツナギ売りをした価格までの利ザヤは稼ぐことができますので、仮に半年間、上がり続けてしまっても負けることはありません。

ツナギを入れてから、株価が持合うか下落すれば、利益を確保できます。
加えて、心理的不安を払拭した取引ができるため、期待値の高い取引であると解釈しています。

保有株を一度売却してしまうと、フラットの状態に戻ってしまうため、一連の取引は終了となる可能性が高いのですが、ツナギ売りをすれば、何度も繰り返し稼ぐチャンスが得られます。

小泉貞彦氏の『兜町裏の裏』という書籍に、次のような記述があります。

まず、底値圏で不人気な時に現物の株を買う。ここまでは研究すればだれでもできそうだ。問題は売りのタイミングだが、大天井を知ることは難しい。株の現物を証券会社に預けておけば、いつでも「空売り」ができる。自分の持ち株の範囲で売るのだから、信用取引の証拠金も不要だ。たとえば、500円で日立を1万株買っていたら、700円になった時、もういい水準まできたと思ったら空売りしておく。そして再び500円台になったら買い戻す。こういった手法を何度でも繰り返せばよい。そうすれば、ただ一度だけ絶好の売り場を掴もうとして、結局は売りそこねて元の木阿弥にならなくて済む。万が一、思惑はずれで下がると思った株が下がらない場合でも、現物を渡せば済むことで、損はしない。

まさしく、小泉氏の述べている内容を私も実践したいのです。

保有銘柄が含み益ですと、気持ちに余裕が持てます。
気持ちに余裕があれば、冷静な判断がしやすくなります。
現物で保有しているから、最高値更新で空売りをぶつけることもできます。

ツナギ売りは、優れた売買スキルがなくても心理的な不安がほぼない状態で相場に望むことができるため、片張りの株式トレードと比べてかなり有利な取引ができると考えています。

残念なことに、ツナギ売りに関する参考書籍がほとんど存在しないため、自身の頭で考え、実践を通じて学ぶ必要があります。

ですので・・・
●ツナギ売りの経験がある
●ツナギ売りに興味がある
●ツナギ売りの経験はないが、応用できるスキルがありそう
という方は、ぜひ気軽にTwitterなどで絡んでもらえると嬉しいです。

本日の内容は、ツナギ売りの概要に関する紹介でした。
次回は、私が現在進行形で行っている、ツナギ売りの取引事例についてまとめたいと思います。

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