専門の回遊

 専門分野に足を踏み入れる。本を読むとき全部じゃなくて一部を読む。楽しそうなところを。習い事をしてみて、プロを目指さなくとも、基礎だけとりあえず習ってみる。体験する。

 知の体系を物語を感触を手に入れるために、突っ込んでみる。すると、その周りの大きくて深い精密でダイナミックな全体を表している一部に触れる。他では味わえないそれを。

 これはエネルギーがいるけど楽しい。専門性の回遊。色んなところで囓ったものは、体内で滋養として混ざり合う。独特の形成により独特の私になる。
 
 回遊に慣れればコツがつかめてくる。他の専門で身についたものが、新しい視界を提供し、独特の理解を生み出す。一つの場所、一つの専門性のみで泳ぎ続けるのとはまた違った風が吹く。回遊、遊泳の魅力である。

 特に本はいくらでも専門に入りつまみ食いできる。世界を回遊する。

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