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ヴィーガンが暮らしやすい社会を目指す理由。

「なぜ工藤は動物や環境のことを一番に考えず、ヴィーガン(人間)が暮らしやすい社会を目指すんだ?」

ヴィーガンを3年以上続けていると、ごくたまに同じくヴィーガンの方からそんな意見をいただくことがあります。

ヴィーガンとは?
ヴィーガンとは、日本語では完全菜食主義者と訳されたり、もう少し思想よりの言い方では脱動物搾取主義者などとも言われます。要は、動物性の食品をはじめ、ファッションやコスメなどに関しても動物性素材や利用を行っている商品の消費を避けるという考えやライフスタイルです。

僕は、3年ほど前からヴィーガンが暮らしやすい社会(Hello Vegan!な社会と呼んでいます)を目指して活動しています。例えば、大学食堂へのヴィーガンメニュー導入活動やヴィーガンカフェの店長、ブログでの情報発信など。

元々、環境保全や動物愛護の目的からヴィーガンを実践し始めた僕が、「啓蒙活動」でも「デモ活動」でもなく、なぜ「ヴィーガンフレンドリーな社会づくり」をしているのか、疑問に思う方も多いです。


最初に回答しておくと、
ヴィーガンが暮らしやすい環境こそが、動物や環境への負荷を軽減し、平和で持続可能な社会を実現するために、今最も重要であると考えているためです。

ヴィーガンが増えないのはなぜ?

工藤 プレゼン 真顔 真面目 アショカ

僕自身、工場制畜産による動物への酷い扱いや環境への悪影響を考えてヴィーガンを選択しています。

そのため、これらの大きな課題を解決するためには多くの人がヴィーガンを実践しなければならない。多くの人に事実を知らせなければならない、と最初は考えていました。

しかし、自分の消費行動が動物や環境の問題につながっていると知っても、その行動を変えない人がいると気がつきます。

「それはわかるけど、お肉美味しいからさ」
「でも、ヴィーガンって難しいそうだし...」

情報発信や路上でのデモ活動に参加した結果、多くの人の反応は良いものではなく、その問題は自分事にならないことを実感しました。

一方で、良い学びも得られました。
それは「動物や環境を犠牲にすることは問題だ」と認識する人は多くいるということです。

①動物・環境の問題を認識している
②問題を解決するための行動は取らない

この2つが同時に起こっている場合、僕にできることは問題意識を増幅させる、もしくは行動(ヴィーガン)のハードルを下げることのいずれかだと考えました。

ヴィーガンが暮らしやすい社会とは?

ヴィーガンナイト vegan night

ただし、少ないとはいえ僕との会話をきっかけにヴィーガンを実践し始める人もいました。彼ら/彼女らは問題意識を強く持ち、自らの行動からその解決に貢献することを選んだわけです。

しかし、継続した人は10%もいません。

ここで確信しました。
いくら問題意識を強く持っていても、現状のヴィーガンが選択しづらい社会では、ストレスが蓄積し、中には自分の幸せ(大切な人たちとの食事など)が阻害されてしまい、ヴィーガンを継続することを諦めてしまう人もいると。

このことを「自分のことしか考えていない、自己中心的な人間だ」と卑下する人もいるけれど、僕はそうは思いません。人は常に自分よりも他者を優先できるほど強くないし、自分が無理な状態で他者に貢献するのは持続的ではない、と思います。

だからこそ、少しでも「行動したい」と考えた人が気軽にヴィーガンを選択できる社会を、ヴィーガンが暮らしやすい社会をつくるために活動を続けています。

つまり、ヴィーガンが暮らしやすい社会とは、スーパーに対応商品が並び、飲食店には対応メニューがあるヴィーガンが快適に生活できる社会。そして、小さくとも問題意識を持った人がヴィーガンという選択が気軽にできる社会を意味しています。

ヴィーガンが暮らしやすい社会は、動物・環境問題の解決に繋がる

工藤 ガン見 料理

ここまで読んでくださった方にはわかると思いますが、冒頭の質問「なぜ工藤は動物や環境のことを一番に考えず、ヴィーガン(人間)が暮らしやすい社会を目指すんだ?」に対し、僕はこう回答します。

ヴィーガンが暮らしやすい社会は、動物・環境問題の解決に繋がるから、と。

1944年から始まったヴィーガニズムに基づく活動は、これまで先人たちの啓蒙活動によって広がり、近年はテレビや新聞以外のメディアから情報収集が可能となりヴィーガンは世界的に激増しました。

YoutubeやNetflixなどの動画配信サービスやSNSなどから、動物や環境の問題に触れる機会が増えてきました。最近では、ドキュメンタリー映画や知人のSNSの発信をきっかけにヴィーガンを実践し始めたという意見をよく聞きます。

つまり、情報感度が高く行動力が(ある程度)ある人がヴィーガンを実践するのは再現性が高いところまできたと言えます。


次は、問題意識はあれど行動にはまだ移せていない人が、どうすればヴィーガンを選択できるか?を考えるフェーズ。

その答えの一つがヴィーガンを選択するハードルが低い、つまりヴィーガンが暮らしやすい環境をつくることだと考えています。

「やってみよう」と思ったら、今日の晩ご飯からレストランでヴィーガンメニューを選べる、スーパーで植物肉を選択できる社会が必要とされているのではないでしょうか。


重要なことは、困難な状況でもヴィーガンを貫く強い意志を持つ人を増やすことではなく、動物性商品の全体消費を減らすことです。

これが、僕が今ヴィーガンが暮らしやすいHello Vegan!な社会を目指す理由です。

まとめ:ヴィーガンの選択を簡単にする

料理をとる工藤

長くなってしまったので、まとめます。

僕たちの活動は、多くの人にとってヴィーガンを簡単に選択できる環境つくりを目指しています。これは、多くの人ができる範囲でヴィーガンを選択することで、動物や環境の問題を解決するためには必要なことです。

例えば、ふらっと入ったレストランでヴィーガンメニューを選べたり、今日の晩ご飯に簡単にヴィーガン料理を作れたり。気軽な選択の範囲内に"ヴィーガン"を落としたいのです。

そのために、ヴィーガンレシピ投稿サイト「ブイクック」の運営やレシピ本の出版などを行っています。

ブイクックに関しては、今月でヴィーガンレシピが1000品を超え、初心者が料理に困らないレシピ情報量となりました。

ヴィーガンレシピ本  サムネイル-23

そして、8月に出版予定の『世界一簡単にできるヴィーガンレシピ本』には、100品以上の簡単に手に入る食材で気軽に作れるヴィーガンレシピをはじめ、栄養学の情報や商品・飲食店の情報を掲載しています。

「この一冊で、ヴィーガンを簡単に始められました」という感想をいただくのを楽しみにしています。

5月末まで、出版に向けたクラウドファンディングを実施し、まずは1000人にこのレシピ本を届けることを目指しています。

「ヴィーガンを始めてみたい」
「ヴィーガン料理のレパートリーが少なくて...」

という方は、ぜひチェックしていただきたいです。

<『世界一簡単にできるヴィーガンレシピ本』を1,000人に届けたい!>


最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

それでは!

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