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RIZIN LANDMARK vol.1 メインカード 朝倉未来vs萩原京平、観戦

(2021.10.15発行フリーペーパーより抜粋)

PPV童貞卒業


 世界でどうかは知らないですが、日本ではまだまだ浸透していないPPV配信での興行でした。言わずもがな昨年からPPVコンテンツは急増している訳ですが、
(生じゃないしこの値段はちょっと高いな〜)
って事でPPVヴァージン、PPV童貞の方が結構多いのではないでしょうか。かくいう俺もこの観戦でPPV童貞を卒業した身です。

 RIZINは過去にストリーミングライブ配信を行っていたそうですが今回の配信プラットフォームはU-NEXT。U-NEXTが抱える200万人超の既存ユーザーに目を付けたのではないでしょうか。そしてその200万人のうち「国内最大級のアダルトサブスクリプション」目当てのユーザーは少なくありません。むしろめちゃくちゃ多いと予想します。俺ももともと登録済みなのでラッキー!なんて思いましたが特典は無し。・・・俺はエロ目当てじゃありませんよ!「エロも」目当てなだけで、映画好きとしては充実した洋画・邦画ラインナップはコスパ良いですし、何より(以下割愛)。
 いずれにせよ「格闘技」と「エロ」ってどちらも男性ファンが多く、ファン層のダブりも多い。相性抜群。

 話を戻しますが、当日U-NEXT側の想定不足で配信が遅延するトラブルが発生。SNS上ではキレてるファンの姿が見受けられました。格闘技ファンってアレな人が多いので荒れ荒れ。(俺は仕事後に見逃し配信機能で視聴したのでノー問題)「時間を調整して準備していたのにリアルタイムで観れなかった」、お気の毒ですがファンならばグッと堪える事も必要です。ライブ配信過渡期の今、こう言ったトラブルは乱発しています。(U-NEXTのような大資本企業がやらかすとは予想していませんでしたが・・・)俺は応援したいエンタメには「損ををしたとしても笑っていられる範囲」の金額でお金お落として楽しみたいってスタンスです。それでもたまに「時間と金返せ!!」って事もありますけど。

 試合内容の感想はここでは書きませんが、萩原選手のスタンドでの肉弾戦希望に朝倉選手が乗らず最も勝率の高い戦い方を選んでいて、それについてはあらかじめ示唆していました。朝倉選手の戦い方を非難する人が幾らかいるようですが本人も想定の上でしょうし、ここで負けたら斎藤選手、クレベル選手とのリベンジ・マッチが何年先の話になるかわからない。スタンドでの肉弾戦に付き合わないからと言って怒るファンの気持ちは理解に苦しみます。一定数いるそう言ったファンの希望通りとはいかなくともこの興行は大いに盛り上がったわけで、プロとしてきっちり仕事したと言って良いのではないでしょうか。どの位の盛り上がりであったかというとPPVでの購入申込者数がサザン、B'z超えのU-NEXT史上過去最高記録であったそうです。盛り上げ方を決めるのはファンではなく演者、盛り上がるか否かはファン(消費者)しだい。予定通りの勝ち方ではなかったものの試合後かなり安堵していましたね。人柄が垣間見え良かったです。

解説も楽しみたい

解説陣は酷かった。解説者の役割は「解説すること」ですが、その対象は格闘技古参ファンと今回重要なのは新参ファンへの「わかりやすく楽しい解説」だと思います。しょっぱい試合でも秀逸な解説やジョークで(解説がなきゃ見逃したろうけど、そんな高度なテクニックだったのか!)と思わせる事は可能です。ここまで多くの新規ファンが観ているだろう場面なんですから(話題性で観たけどMMAめっちゃ深いじゃん!)と思わせて取り込まなきゃ!などとお節介的発想が生まれました。「その立ち膝になんで触れないんだよ!」的なシーンが多々あり、それくらい酷かった。若い選手が頑張って集客してるんだからさあ・・・。

格闘オタクにとっちゃ今や当たり前となったSNSチェック

 対戦カード発表後、むしろそのずっと前から両者はインタビューやSNS上での舌戦を繰り広げていました。「現代格闘技におけるSNSを活用した煽り合い」は、現役の格闘家とって必修科目となったのかも知れません。プロモーションとして強い!!
 「萩原に朝倉戦はまだ早い」と騒がれ、個人的には(まあ確かに)と。RIZINとしては今朝倉選手に連敗されると困る。なので危なそうなマッチメイクは出来ないし、格下相手のイージー・マッチをプレゼントするのもあからさまだし、結果萩原選手に決まり、って感じなのでしょうか。前述しましたが(もし朝倉選手がスタンドでのしばき合いに応じたら萩原あり得なくはないぞ?)的なわくわく感を発生させる事が出来たのは萩原選手だからだし、そして本当に萩原選手が朝倉選手に土をつけるような事があれば「未来ブームが弱まったら今度は萩原で!」的なRIZIN側のリスクヘッジだったのでは?なーんて妄想が膨らみます。エンターテインメントとして秀逸な証拠でしょう。
(選手に対するクソリプは見ていて気持ちの良いモンではないです)

矢面に立つこと

 とにかく、両者負けたら失うものが大きすぎる事が確定した上で自分自身にベットしていました。男性ファンは憧れ、女性ファンは濡れた。(新型コロナワクチンの議論で浮き彫りとなった)「自分と反対意見の人間を攻撃したい人」いわゆるアンチは常に標的を探しており、両選手はそんな人の標的になることに名乗りを挙げているし、行動を抑制されそれに応じる日々に鬱々悶々としている人へは外出不要の興奮を提供した。この興業はこんな御時世、2021年だから特に響いたのではないでしょうか。観客が演者の生き様を「他人事(ひとごと)」でなく「自分事」と感じるのであれば、それはそれは物凄い事だしエンタメの枠を飛び出しちゃってるのではないかとすら思います。観客の数云々ではなく。

あー、熱くなちゃった。ハズ〜〜〜!!!格闘技ファンってアレな人が多いから読まれるのこわ〜〜〜っ!!!アッ、俺もか。

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