見出し画像

【11月編】漫画家9℃の月推しマンガ3選2022

こんにちは、漫画家の9℃です。

こちらは
マンガ好きの漫画家が、先月発売新刊の中からおすすめタイトルを紹介する
という記事になります。

11月発売新刊の中から、今回は3作品選出させていただきました。


以下、作品タイトル(巻数)・著者・レーベル(出版社)・あらすじ・オススメポイント、という感じで紹介していきます。
電子書籍ストアBookLive!のリンクを貼っていますが、「書影がすぐ見れる」「登録なしでブラウザ試し読みができる」「私が普段使いしている」という理由です。
BookLiveに扱いのない作品については、公式サイトを載せています。

それでは紹介させていただきます!


『メスガキのいる喫茶店(2)』 著・MIGCHIP

…ドラゴンコミックスエイジ(KADOKAWA) 

街の一角にあるかわいらしい喫茶店、その名も「メスガキヤ」。
サービス精神とプロ意識あふれる彩り豊かな「メスガキ」に負けるため、今日も老若男女のザコお客様が来店します。

徹底した軸のあるフェチ漫画…ではあるのですが、訓練されたものだけが楽しめるわけではないカジュアル感も大きな魅力です。店員さんたちの素のキャラクター・オフの微笑ましいやりとりも楽しめ、コンセプトカフェ設定が活きています。
出オチ覚悟の一点突破ネタと思いきや、繰り出されるネタのバリエーションと飽きのこなさに驚きます。これこれ~!という安定を求めたい人も、新しい扉を開きたい人もぜひ。


『クジャクのダンス、誰が見た?(1)』 著…浅見理都

…Kiss(講談社) 

警察だった父が死んだ。犯人はすぐ捕まった。
けれど父が遺した手紙には「ここに名前のある誰かが自分の殺害容疑で逮捕されたとしたら、冤罪です」の文章。そして、その相手を守るためのお金も。
父の真意、封じ込められた過去と現在の真相を求め、娘は闇の中に飛び込んでいく。

繊細な温度感のタッチで描かれる画面は、現実感と漫画っぽさを同時に味わえる心地よさです。こう言ったジャンルではリアル寄りな絵・人物描写が多い印象なので、キャラクターのかわいさとふとした掛け合いのゆるさによるとっつきやすさが嬉しいです。
展開はと言えば、1巻はまだ序章といった感じで謎だらけ。
それでも十分に、「何か気持ちの悪いものに立ち向かわねばならない予感」は演出されています。
徐々に真実に近づいていく様を臨場感とともに追いかけたい方はぜひ今から!


『えんまさんちのケルベロス(3)』 著・リベンセイ

…モーニング(講談社)

地獄の番人・閻魔大王のペットは、気ままで自由奔放なケルベロス。
やることなすことツッコミ待ちか?と言わんばかりのマイペースさだけれど、ケルベロス(たち)との生活は、少しぎこちなかった家族や周囲との絆をやさしく繋いでくれるかも。

シンプルでやさしい絵がかわいらしく、お話もしっかりほっこりで、たまに思い切り笑えます。
閻魔大王の関西弁によるツッコミのテンポが気持ちよく、ちょっとした時間に少しずつ読み進めるも、疲れたときに一気に読んで元気をもらうもよし。
3巻が完結巻となりますが、通してゆるさは保ちつつ関係の変化も丁寧に描かれ、間延びしない読み味もうれしい愛たっぷりの作品です。


今回の紹介は以上になります。

ちょっと今月は遅くなってしまいましたが…バリエーション豊かな作品を楽しめてホクホクです。
『クジャクのダンス、誰が見た?』は、ツイッターで1話分公開されたものが回ってきたことがきっかけで知り、そのまま購入しました。
近年すっかりスタンダードとなったこのプロモーション方法、大変助かっています。電子書店でも試し読みはしますが、1話まるまる公開までされていることは稀で…何よりツイッターにいるまますぐ読めるのも魅力です。発売日当日~直後だとそのまますぐ買えて本当に便利!
私はツイッターをしょっちゅう見ているのでこの告知方法に読書機会をたくさん受け取っていますが…日々山ほど生まれる作品の中、読みたい側も読んでほしい側も「求めていたもの」を見逃さず出会える仕組みを、どんどん模索していけたらなと思います。
こういう記事がその一助になれたら何よりです!

それでは、今月も楽しいマンガ生活を!

9℃

ありがとうございます!これからも頑張ります。