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【10月編】漫画家9℃の月推しマンガ3選2022

こんにちは、漫画家の9℃です。

こちらは
マンガ好きの漫画家が、先月発売新刊の中からおすすめタイトルを紹介する
という記事になります。

10月発売新刊の中から、今回は3作品選出させていただきました。


以下、作品タイトル(巻数)・著者・レーベル(出版社)・あらすじ・オススメポイント、という感じで紹介していきます。
電子書籍ストアBookLive!のリンクを貼っていますが、「書影がすぐ見れる」「登録なしでブラウザ試し読みができる」「私が普段使いしている」という理由です。
BookLiveに扱いのない作品については、公式サイトを載せています。

それでは紹介させていただきます!


『殺し屋はスマートウォッチに逆らえない(1)』 著・T長

…ヒューコミックス(KADOKAWA) 

最強と名高い殺し屋・Xは、今日も依頼を順調に遂行する。
順調すぎて…スマートウォッチの運動目標を達成していない!!もうちょっと手こずらせろ!!!!!!
ドンパチほんわか新感覚バディ(?)コメディ。

重厚で気迫あるタッチで描かれる肩透かしの気持ちよさ。
「主人公はいたって真剣にやっている」という部分の徹底ぶりが、圧倒的微笑ましさを最大限に演出しています。
刺激が欲しいけど安らぎも欲しい、そんな欲張り気分にピッタリの作品です。そしてスマートウォッチが欲しくなります…。


『クジマ歌えば家ほろろ(2)』 著…紺野アキラ

…ゲッサン(小学館) 

北国からやってきたなんだかよくわからない鳥っぽい生き物・クジマ。
妙に図々しく、変なところだけ気にしいで、喜怒哀楽のツボもふしぎ。
それでも、彼のいる生活はなんだか明るくて、楽しいかもしれない。

クジマの絶妙になんだかわからない見た目のインパクトが強く、派手なビジュアルではないにもかかわらずコマにいるだけで毎回笑ってしまいます。
大らかなキャラクターたちの優しいテンポの会話が心地よく、そして激しめの感情パート(大体くだらない)への加速と迫力で一気に笑わせてくる…という緩急が癖になります。


『ここは鴨川ゲーム製作所(1)』 著・スケラッコ

…バンブーコミックス(竹書房)

仕事をやめ、これからの進む先を迷っていたヨウは「ゲームを作りたい」と楽しく語らったいとこのキクちゃんとの子供時代を思い出し、彼を巻き込んでの見切り発車を決めた。
集まった仲間たちと、ゲーム制作の大小さまざまな壁に挑戦していく日々。
それぞれが、制作も生活も人間関係も順風満帆ではないけれど。
進んでいくって、苦しくて楽しい。

柔らかくのびのびとした、けれどリアルな季節の移ろいや生活感を感じられる気持ちの良いタッチが気持ちよい作品です。
キャラクターそれぞれの生きづらさの立体感も現実味があるため、共感する人、つらさを受け取りすぎてしまう人などもいるかなと思いますが、私は「それでも人と関わり、大事にでき大事にしてもらえる場をあきらめないことへの勇気」をもらえる描き方だなと感じました。
とんとん拍子に事が進む爽快感はないけれど、何かを始めたりそばにいる人を優しく支えたりしたくなる、今後のキャラたちの進退も楽しみなタイトルです。

今回の紹介は以上になります。

あまりnoteで自分の制作についての話をしないのですが(気恥ずかしいので)タイミングがいいので、せっかくなのでお知らせをさせてください。
今月から、週刊少年チャンピオンにて『幼馴染のお姫様』という作品の連載が始まっています。興味があればぜひ読んでもらえたらと思います。

週刊連載は自身初なのですが、ならではのスピード感というものが作品の内容にも思った以上に影響を与えるな~と興味深く感じてます。
1話に収めるエピソード量とか会話ボリューム、それから終わり方も全然違う考え方で作れて新鮮です。
それこそWEB連載と雑誌連載なんかでも進め方が変わってくることもあるでしょうし、漫画読みとしてこれからさらに色々な要素に注目して読めるな~!と楽しみになりました。

それでは、今月も楽しいマンガ生活を!

9℃

ありがとうございます!これからも頑張ります。