見出し画像

【1月編】漫画家9℃の月推しマンガ8選2023【大豊作スペシャル】

こんにちは、漫画家の9℃です。

こちらは
マンガ好きの漫画家が、先月発売新刊の中からおすすめタイトルを紹介する
という記事になります。

1月発売新刊の中から、今回は8作品選出させていただきました。

…こちらの記事をこれまでにも読んでくださったことのある方は、「えっ…8!?」となったかもしれません。
実は1月分新刊、私のツボにハマる作品が多すぎて…これまでは3~5冊ほどの紹介をさせていただいているのですが、まったく絞れませんでした。

そういうわけで、今回は普段の倍ほどの冊数を紹介することとなりました。
その分いつもの記事よりもひとつひとつの推薦文はあっさりめに書かせていただきますが、どうしても全部紹介したい…!という熱量を汲んでいただければ嬉しいです。


以下、作品タイトル(巻数)・著者・レーベル(出版社)・あらすじ・オススメポイント、という感じで紹介していきます。
電子書籍ストアBookLive!のリンクを貼っていますが、「書影がすぐ見れる」「登録なしでブラウザ試し読みができる」「私が普段使いしている」という理由です。
BookLiveに扱いのない作品については、公式サイトを載せています。

それでは紹介させていただきます!


『放課後ひみつクラブ(1)』 著・福島鉄平

…少年ジャンプ+(集英社) 

学園にはひみつがいっぱい。
楽しくマジメ?に謎を紐解く、ゆるカワコメディ!

リズミカルで洗練された歌劇のような構成&作画と、ポンコツかわいいヒロインと冷静でありながら優しい少年の絶妙な温度感の掛け合いがたまりません。


『おひとりさまホテル(1)』 著…まろ/マキヒロチ

…月刊コミックバンチ(新潮社) 

日常に、ひとかけの非日常を。
それぞれのときめきを持ってホテル・旅館泊を楽しむ人々の物語。

「やってみたい!」への新たな出会い、そしてその一歩目へのハードルを下げてくれる一冊です。


『オープンクロゼット(2)』 著・谷和野

…月刊flowers(小学館)

どこかの誰かの思い出のようで、おとぎ話のようで、続きを見られない夢のような、ふしぎで美しい物語集。

繊細であたたかさも冷たさも感じる絵柄と、現実感と夢想感を織り交ぜた独特の世界観で紡がれるストーリーが唯一無二です。


『双影双書(1)』 著…舟本絵理歌

…少年サンデー(小学館) 

王宮の皇子と買われた孤児の顔は、瓜二つであった。
ふたりで一人分の、大きすぎる使命を抱えて生き抜く物語。

作者固有の柔らかく優しいキャラクター造形過酷な宿命と諍いのひりつく描写との入り抜きバランスが良く、これからの展開と絆の育みに期待ができる第一巻です。
一話と一巻最終話のモノローグの演出がとても気持ちいい!


『花四段といっしょ(2)』 著…増村十七

…ソノラマ+コミックス(朝日新聞出版) 

頭の中は、いつも忙しい。
だけど将棋は、やっぱり楽しい。

将棋も真剣にやっているけれど、プロ棋士・奨励会を扱うマンガの中ではトップクラスの日常感。ゆるく楽しめます。
変わったキャラクターたちの集まりでありつつも個性に軸があり、生きた人間としての彼らにどんどん惹かれていきます。


『ジドリの女王~氏家真知子 最後の取材~(1)』 著…トウテムポール

…モーニング(講談社) 

週刊誌の記者が追うのは、とある田舎で起きた殺人事件。
警察でも探偵でもない彼らが「週刊誌」としての追い方でたどり着く事件の真相とは…?

ひとりひとりの人間の個性と平凡さ、村や学校集団の異質さと日常、記者としての厚かましさと矜持…と、一見相反する要素の絶妙な加減から生まれる説得力が、フィクションでありながら現実を思ってぞくっとしてしまうような面白さとして昇華されています。この先も見逃せません!


『恋じゃねえから(2)』 著…渡辺ペコ

…モーニング・ツー(講談社) 

かつて、講師と生徒という一線を越えたあの人。彼が私の裸をモデルにつくった作品が、芸術として多くの人の目に触れている。
私が奪われたものは、なんだろうか?取り戻せるものがあるとしたら、なんだろうか。

一ページめくるごとに、いったん止まって考えさせられます。正義や悪、守ることと攻撃することとは表と裏ほどはっきりしているものではないことを、美しくもまっすぐに伝えてくれる作品です。


『いやはや熱海くん(1)』 著…田沼朝

…ハルタコミックス(KADOKAWA) 

恋っていったいなんなのだろう。自分っていったいどうしたいんだろう。
でも、やっぱり人を好きになる。

さっぱりとした爽やか滑らかな絵柄に、淡々としつつも寄り道の多い語り口。まさに主人公くんの心象風景そのもののようなこのマンガは、大きなことが起こるわけではないけれど、ちょうどクラスの気になる子の後ろの席になったみたいな、目が離せず飽きさせない魅力があります。


今回の紹介は以上になります。

あまり出版業界の事情とかは知らないんですけど、1月って他の月に比べたら漫画の新刊冊数は少ないことが多いんですよね。
私は電子書店の新刊一覧を開いて、気になったものをとにかく買って読むスタイルで新作ディグをしています。なので今回は、全体の冊数が少ないぶん見落とさないチェックができたのか、ただただツボにハマる作品が一気に出たのか、それとも9℃のツボにハマる作風の波が来ているのか…
どれでも嬉しいことです。
欲張りなので、こんなにたくさんの良作を見つけてもまだまだ泳ぎ足りない。今月も来月もその先もすてきな作品にふれ、おすすめもしていきたいなと思います。

それでは、今月も楽しいマンガ生活を!

9℃

ありがとうございます!これからも頑張ります。