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歌詞を書き方を晒す(その①)

はじめに

長らく音楽制作をしている人あるあるだと思うけど、人から曲の作り方を聞かれることがよくあります。自分は楽器も曲も歌詞も基本的に人に習ったことはなく(倣ったことはある)我流のため、音楽面についてはありきたりなことだけ伝えて、あとはインスピレーションだ!とか言って逃げてます。。

なのでnoteでも楽器とか作曲についてははぐれメタルしますが、一方で結構自分のまわりに、、、曲はできるし、歌メロもつくけど歌詞が書けないので結局インストしか作らない、という人がちらほらいたり。

そういえば楽器は習うことができるし教則本や奏法解説とかも溢れているけど、作詞というのは、なくはないけどずいぶん少ないよなぁと。実際、自分もこれまでほとんどそういったものを見た記憶がありません。(探してこなかったけど。。)

ということで、とりあえず自分が作詞をどうやっているのか、以下に晒してみたいと思います。

複数のパターンがあってそれを組み合わせて書いているのですが、そのうちとりあえず自分の王道としているパターンを紹介します。
気が向いたらその2もやるかも。。

まず前提。作曲の過程

よく詩先とか曲先とかリフ先とか言います。自分は曲によってそれぞれだし、複合パターンもあったりするので、どれでも構わないけど、この記事ではオーソドックスな曲先を想定して進めていきます。

曲は恥ずかしくないけど歌詞は恥ずかしい

はじめに書いた歌詞が書けないという人の、その理由としてよく聞くのがこれ。自分もちなみにそうでした。実体験を書けば恥ずかしいし、キレイな言葉やかっこいい言葉だけを並べるのも寒い気がして恥ずかしい。
そう、どっちを向いても恥ずかしい。まさに四面楚歌! ざわっ…

作詞の準備

自分の場合は、テーマとモチーフを用意してから作詞に入っています。
経験上、このふたつは全く関係ないものの方がおもしろくなる場合が多い気がします。

まず、テーマ、、、基本的に実体験のこと。
経験上、プロは違うのでしょうけど、、自分の感情が「喜怒哀楽」のどれでもいいから高ぶったことをセレクトするとやりやすいです。例えば、失恋、熱愛、カタオモイはやっぱり王道として、日々のストレス、楽しかったこと、辛かったこと、苦しかったこと、がんばったこと、がんばれと思ったこと、とか。ニュースを見て強く感じたことでも。今だったらコロナとかね。心がざわっとしたりもやっとしたりすること。

曲の雰囲気と相談しながらテーマを決めたら、曲の構成(A、B、サビ、C、2A、ラスサビとか)に合わせて簡単にストーリーを箇条書きにします。ここはやっぱり起承転結を意識した方が無難です。

次にモチーフを決めていきます、、、これは基本的に空想の世界の想定。 破天荒な方が面白い。動物・植物・乗り物・SF・魔法世界・大人の世界とか酒とか。自分がかっこいいと思う世界でもいい(西部劇、とか未来とか、ヨーロッパの城みたいなのとか、ギャングのたまり場とか)

モチーフを決めたら、しばらく目を瞑ります。
そのまま眠っちゃってモチーフ世界の夢とか見てしまえたら理想。見たことないけど。。。

で、テーマをモチーフ世界に持ち込みます。
まずはキャスティングしていきます。例えば恋愛だとしても、このキャスティングは人間に限定していません。可愛い彼女は美しいもの、かわいいもの。フラれた彼女なら美しいけど壊れやすいものとか儚いもの。彼女を横取りしたにっくきあん畜生は、ゴミみたいなものに。
とりあえずそれぞれ置いてしまってます。
そして自分自身もなにかに置き換えています。

次に主人公を決めます。
が、ここで少しコツとして、自分自身を主人公にすると恥ずかし指数が上がってしまってしまうので、そこをあえて変えてみたりします。
SHUHARIのツバサという曲ではベタですが鳥になっています。とにかくすべてのワードをベタにしようと意識していますw

次に視点です。これも主人公の視点が無難ですが、別の人の目線になってみるのもおもしろい。もしくは人ではなくて物の視点。学芸会の苦い記憶みたいな感じ。木①の視点からクラス1の人気者を見る感じ・・・。
しかも実はその方がサクサク書けることが多い気がします(木①出身者だから?)
ちなみにSHUHARIのSPLITEという曲では空き缶の視点になっておりますw

そしてもうひとつコツとして、、、ネットには類語・関連語・連想語辞典というサイトがありまして、そこにモチーフ世界に出てきそうな単語を入れてみます。すると、出るわ出るわ、名詞やら言い回しやらがわんさかさっさっさー。これをビーっとやって歌詞ノートにコピペしておいてます。その曲専用の辞書みたいな感じ。
ラビリンスという曲ではこれをやりました(迷路、で検索)
上述のツバサでは、90年代J-POP歌詞あるあるのサイトから言葉を持ってきました。

テーマとモチーフをがっちゃんこ(作詞する)

曲のメロディや文字数にはめながらやっていくわけですが、結構無理やりにはめていくようにしています。コツとしてあまり文字数を意識しすぎず実際に声に出して無理やりメロディに合わせてみると意外とハマる形があったりする上に耳に残るフレーズになったりする気がします。あと、歌詞に合わせて少しメロディを変えてあげたりすると1番と2番でそれぞれ味になったり。

この時に、その曲のメッセージ性と自分の恥ずかしさの具合を天秤にかけながら進めています。
どういうことかというと、これは必ずではないし両立が理想で目指すんだけど、、基本的にはモチーフ側の世界を強くするほど、不思議さが出て恥ずかしさがなくなっていく半面、逆にメッセージ性は少し下がってしまうかも。逆もまた然りです。
なので、そこはその曲への思いを自分と相談しながらやっていく感じにしています。

終わりに

この記事、実際に歌詞を書く以上に時間と手間がかかりました。。
一概にこの通りに書いているわけでもありませんが、はじめて文章にまとめてみたらなかなかおもしろかった。。この駄文が、だれかのなにかしらの役に立ったらさらに嬉しい限りです。

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