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もうほとんど実家だった「Maybe恋が聴こえる」

正直、気を抜いていた。

TBSによるスター育成プロジェクト
『私が女優になる日ー』。

ここでグランプリとなった一人が
「よるおびドラマ」枠での主演を
勝ち取ることができる。これまで
飯沼愛が主演を務めた第一弾
「この初恋はフィクションです」や
幸澤沙良が主演を務めた第二弾
「差出人は、誰ですか?」が
放送されてきた。

第一弾では、鈴鹿央士や坂東龍太、
第二弾は、藤原大祐や駒木根奏汰、
窪塚愛琉に櫻井海音と今をときめく
若手俳優陣が脇を固め、もはや
若手の登竜門と化している。

ただ、第一弾では鈴鹿央士の登場を
かなり引き延ばしたり、第二弾では
柄本時生演じる先生の言動が結構
オーバー気味に描かれたりと、
原案を務める秋元康らしいカラーが
強めにでている印象があった。

だからこそ、油断した。
「今回の第三弾もちょっと王道から
 外れた独特の世界観でくるだろう」
という私の予想は弾き飛ばされた。

今回主演を務めるのは応募総数約
7000人の中から選ばれた大和奈央。
写真を見てもらえれば分かるが、
この世界で一番大和奈央って名前が
似合うんじゃないかってくらいに
大和奈央顔だと思う(?)
可愛らしい和やかな雰囲気が印象的な
まだ17歳の女の子だ。

そして脇を固めるのは、昨年の春
ドラマ特区「墜落JKと廃人教師」で
初主演を務めたHiHi Jets橋本涼。
さらに、6月放送の「シガテラ」で
初主演を務めた醍醐虎汰朗。

結果的にこのキャスティングが
私の感情をかき回していった。


【橋本涼、令和版道明寺だった】

そもそもの話からしておくと、私は
「墜落JKと廃人教師」の段階で
橋本涼の演技に心を掴まれている。

あらかじめ言っておきたいのが、
私はあくまで「ドラマオタク」で
アイドルとして活動している
彼のことは詳しく知らない。
つまり、推し贔屓ではなく、ただ
シンプルに俳優・橋本涼の演技が
めちゃめちゃ好きだったのだ。

今作の主人公・桃井蕾未は声優に
なるために青春の全てをささげる
女の子。しかしメンタルが弱いため
天才キャラを演じることで自分を
鼓舞している。

橋本涼が演じる音瀬陸はそんな
蕾未と同じ声優学校に通う生徒。
人気舞台女優の母を持ち、自身も
元天才子役。一見クールで何でも
できそうに見えるが、陰で努力を
続けているストイックな性格。

だからこそ天才キャラを演じながら
実力が伴わない蕾未に苛立ち、
突っかかることもしばしば。
最初は嫌なやつという印象を持たれる
役どころだが、実はこの音瀬陸。

めっっっっっちゃピュア!!!!!

皆が人気舞台女優の子どもとして
自分を見る中、1人だけ自分を目の
敵にし、興味津々で近づいてくる
蕾未にときめいてしまうかなりの
ピュアボーイ。少女漫画の典型
「おもしれえ女……」を地で行くのが
この音瀬陸というキャラクター。

表面上クールに見えるのに、心の
声が入った途端かなり可愛い。
不器用!!!めっちゃ不器用!!

ここで私が思い出した男がいる。
そう…道明寺司。

橋本涼、令和の道明寺やん!

普段キメキメなのに、実はアホで
可愛い一面もあって、好きな子に
素直に好きと言えない男。
道明寺でしかないじゃん。
蕾未ちゃんに告白されたとき

「お、お前俺のこと好きらしいな」

しか言えない音瀬陸の不器用さ。
夢に向かっているシーンは真っすぐ
カッコ良いのに、いざ恋愛になると
決まらない。橋本涼くんはその
塩梅が本当に上手い。

そんな陸が素直になる最終回はもう
好きが溢れかえって止まらなかった。
どれだけ蕾未に会いたかったかを
伝えるシーンはもう本当に大変
良くなくてとっても良かったので
是非その目でご確認ください!!!


【醍醐虎汰朗、令和版花沢類だった】

いや、道明寺司だけちゃうんかい!
ってなったよ本当に。

醍醐虎太郎くんといえばシガテラが
真っ先に浮かぶ私は、メイこいに
現れた爽やか醍醐虎汰朗を見たとき、
シガテラの荻野くんだとすぐには
気付くことができなかった。

「醍醐虎汰朗」で検索をかけたとき
私の記憶がぴったりとハマり、

えええええええええええ!!!!!

と声が出た。いやいやいやいやいや、
あの、おどおど荻野くんが!?
あの、ちょっと嫌悪感すら抱くほど
自制がきかない荻野くんが!?
こんな爽やかなことになる!?
普通ならなくない!?演技うまっ!

そんな動揺に包まれた私の心を
置き去りにしてメイこいに颯爽と
現れた朝倉奏汰。アルバイトをして
学校に通っている苦学生だが、人を
惹きつける声と、豊かな演技力を
持ち、周りから一目置かれる存在。

もう朝倉奏汰は圧倒的王子枠。
登場した瞬間から当て馬感が漂う
超良い奴。言葉に詰まってトイレに
逃げ込み自己紹介ができなかった
蕾未を見かねて、

「僕の時間を使ってください」

と言ってくれるヒーローっぷり。

「やっぱり伝えとく。俺本気だから
 蕾未ちゃんのこと。蕾未ちゃんの
 ことが好きってこと。じゃあバイト
 行ってきます」

ってきっちり伝えてくるあたりもう
最強当て馬。蕾未に対して、自分と
付き合ったらどんな得があるかを
プレゼンするシーンもある。

・お婆ちゃんっ子だから知恵袋ある
・安くてうまい店いっぱい知ってる
・なんなら作れる
・夜景を独り占めできる場所
 いっぱい知ってる
・友達は多いけど彼女に寂しい
 想いはさせない
・いつも笑顔でいてもらえるように
 命かける

そして極めつけは

「大事にするからさ、まじで」

選ばない理由どこ!?!?!?!?!
何なら私が付き合いたいわ!!!!!

蕾未が落ち込んだら駆けつけて
抱き寄せてくれる奏汰。それなのに
陸を挑発するような側面もある。

陸の幼馴染・琴音から陸の前で蕾未と
付き合っているのか聞かれたときも

「どっち?」

と蕾未に聞くあざとさを発揮したり、

「俺ら永遠を誓い合った仲なんだし」

と陸の前で言って反応を見たり、
小悪魔的な部分もある奏汰。
好きにならない理由がなさすぎた。


【陸と奏汰の空気感】

「メイこい」の好きポイントの一つが
陸と奏汰が醸し出す空気感。

声優のたまごとしても、恋愛面でも
ライバル関係の2人。てっきり
ピリピリした関係性になるのかと
思いきや、この2人はきっちり親友。

詳しいことはネタバレになるから
書かないけど、物語中盤で奏汰は
一度ストーリーに登場しなくなる。

しかし、陸がピンチの時救いとして
現れるのが奏汰なのだ。しばらく
奏汰の部屋で過ごすことになった陸。
1つ凄く好きなやりとりがある。
蕾未とのやりとりを奏汰に話す陸。
それを聞いた奏汰はこう切り出す。

「じゃあ俺また好きになって良い?」

陸は少し躊躇いながらも、

「好きにすれば?」

と返す。素直になれよ音瀬陸~!と
視聴者がモヤっとしたのもつかの間、
寝っ転がっていた陸は奏汰の方まで
凄い勢いで転がってくる。

「どうせ振られるぞ、桃井はあんな
 調子だから話が通じるか微妙だし」

「お前と一緒にすんなよ」

「朝倉は分かってない」

「お前と違って俺は一度も
 振られてないから」

「何だお前、急に乗っかってきたな?」

「じゃあ!おやすみ」

「いや待て、寝るな」

「うるさい!」

「やめるって言え!」

まだ全然蕾未のことが好きなのを
隠す気すらないのに認めていない
拗らせ陸と、それを分かっていながら
受け流す奏汰の関係性が可愛くて、
仲の良さがほっこりするこのシーンが
凄く好きで何回も見てしまう。


【すっかりメイこいロス】

そんなこんなで私は、思いがけず
「メイこい」にがっつりハマった。
ロケ地に行くくらいにはハマった。

「諦めたほうが良い」と言われた
蕾未が突然上達したりしない
リアルなストーリーも好きだし、
それなのにかなりやりたい放題感の
ある楽しいストーリーなところも
好き。何より毎回、遊びがある
三石琴乃さんのナレーションが
本当に素敵だった!

そして、橋本涼、醍醐虎汰朗、
佐々木舞香、森愁斗と歌が上手い
若手俳優が盛りだくさんなのも
見どころの1つ。ドラマ尺の都合で
全部聞けないのが残念なくらい。
歌唱動画がYouTubeにアップされてる
あたりも本当に至れり尽くせり。
実家?久しぶりに帰ってきた実家なの?
コタツでぬくぬくしてたら何でも
出てくる感じの実家なの???

(奏汰単体がないのだけどうして!?)

月曜日から木曜日の15分弱という
長期スパンのドラマだからこそ
「メイこい」の緩さは飽きなくて、
それどころか早く続きが見たくて
毎日の楽しみになっていた。

エンディングがメイキングなのも
かなり嬉しい楽しいポイント。

凄く楽しそうなメイこいの世界が
そのまま詰まったエンディングに
毎週癒されておりました。しかも
エンディング明けにイケボで一言
言ってくれる至れり尽くせり感。
だから実家???ここは実家???
「明日も1日頑張ろう」って優しく
言われたら頑張るしかないですやん。
ふかふかお布団が用意された実家?

よるおびドラマはDVD化されない
枠だと分かってはいるものの、
円盤で持っておきたすぎる。
TBSさんご検討お願いします🙂

DVDが出ていないから、今見ようと
思ったらU-NEXTさんが頼みの綱です。
U-NEXTさんいつもありがとう。
今年もよろしくね。

令和の道明寺と花沢類に会える実家
ドラマ「Maybe恋が聴こえる」で
寒い冬もぬくぬく過ごせそうです。


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