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KuCoin × The Graph AMA

時間 2023年3月9日、午後9時00分~午後10時30分(UTC)

KuCoinJPでは、Twitterスペースにて、The Graph JapanコミュニティマネージャーであるTAKESHI 氏とのAMA(Ask-Me-Anything)セッションを開催しました。

公式サイトhttps://thegraph.com/ja/
ドキュメントhttps://thegraph.com/docs/ja/

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ゲスト

Nojob:まずはたけしさんの自己紹介をお願いします。

Takeshi:The graph Japanコミュニティマネージャーのたけしです。過去にはSolanaや、現在ではAptosやzkSyncのコミュニティを運営しています。
元々は社労士兼人事部長など、人を扱う仕事をしつつトレーダーをしていました。そして、2017年頃からトレードよりもプロジェクトに寄り添い、日本に広めることを目的として活動を行っています。

私は、プロジェクトの価値にトークンの価格が付いてくると思っているので、今回はGRTについてどのような価値提供ができるのか理解出来るように話す予定です。
もし興味があればThe graphのリンクから教育コンテンツなどもあるので、ご覧になっていただければと思います。

Nojob:過去にはたけしさんとは、Aptos Japanとして一緒にAMAもやりました。
Aptosに続いて、The graphでもたけしさんが活躍されているということで、それだけでThe graphへの期待値が高まりまっています。

今回は誰でもわかるように解説していただけるという事なので、非常に楽しみにしています。

KuCoin Japan認定アナリストBitmoからのQ&A

Q:まず初めに、The graphのプロジェクトの概要を教えてください

Takeshi:今回は技術者向けではなく、トークンは知っているがどんなものか分からないと言う方に向けて解説します。

The graphについて一言で言うと「WEB3上の情報を整理するもの」です。
The graphはWeb3上のデータを整理するものとして、インデックスの作成やクエリ処理を行うための分散型のデータプラットフォームです。

インフラストラクチャを使ったプロジェクトは、ユーザーの目に触れることは少ないですが、The graphのインデックスクエリは現在、主要なDappsの殆どで利用されています。

では次にインデックスや、クエリとは何かと言うことについて簡単に解説します。
現在、ブロックチェーンの膨大なデータを利用するためには知りたいデータを探すためのツールを作成する必要があり、金銭的にも時間的にも非常にコストがかかっていました。

The graphではそれらをAPIという形で、公共財としてサービスを提供することで、Dapp開発の促進やブロックチェーン界の発展に貢献することが出来ます。

現在似たようなサービスをあげるのであれば、Chainlinkが挙げられるとおもいます。

Bitomo:The graphのようなサービスは、P2Eなどのようにサイトなどを見て、難しい単語が並んでいたり、分かりずらかったりなど、漠然的な解釈になることが多いですが、たけしさんに非常にわかりやすく解説して頂き理解が深まったと思います。

The graphを知ることでWeb3全体の理解だけでなく、インターネットやWeb2の理解についても再度振り返ることが出来るいいきっかけになると思います。

Q:The graphの開発しているサブグラフと、現在Web2上で使われている検索エンジンとの違いはなんですか?

Takeshi:よく勘違いされるのですが、The graphは分散型のGoogleのように、世の中に溢れる情報を提供するのではなく、Googleでは検索できない膨大なブロックチェーンデータを効率的に検索できるところがGoogleとの大きな違いの1つです。

また、サブグラフはオープンなAPIで、ある特定の知りたいデータを掘り出すためのプログラムです。
例えばとあるNFTを、特定の期間内に、特定の値段で購入した人を調べようとすると、数ヶ月かかるような非常に大変な作業になります。しかし、これをサブグラフのようなAPIで行うことで、この例のようなニッチなデータの検索をすぐに行うことが出来ます。

現在では74,000以上のサブグラフが作成されていて、皆さんが知っているようなDeFiサービスで利用されています。

Bitomo:サイトを見てみると、錚々たるプロジェクトに利用されており、注目していました。

The graphでは「中身の検索」が可能というところで、表面上の検索に特化しているWeb2などの検索サービスとは大きく異なると感じました。

Q:The graphはエコシステムのような形で動いているのでしょうか?

Takeshi:この内容についてはかなり難しい内容になるので、今回は簡易的に説明します。

The graphはインデクサー、キュレーターやデリゲーターなどの役割が連動してネットワークを維持しています。

・インデクサー:インデックスを作成し、クエリを処理する(一般的にはノード運営)
・キュレーター:サブグラフ上にGRTをロックすることで、インデクサーにインデックスすべきサブグラフであるという信号を送る
・デリゲーター:信頼性の高いインデクサーにGRTをステーキングして、ネットワークセキュリティを維持する(一般的にはステーカー)

消費者(開発者)はGRTを支払うことで、クエリやインデックスの作成が可能となります。
まだ、サブグラフを作成し、最初のキュレーターになることで、インデクサー報酬の1部を受け取ることも可能です。

つまり、エコシステム的に言うと、非常に緻密で連動したエコシステムが作られてると言えます。

Q:異なるブロックチェーン間の検索はできますか?

Takeshi:現在、Ethereum,Near,Arbitrum,Optimism,Tron,Avalance,polygon,celoなど39種類のネットワークのインデックスデータをサポートしています。
今年もさらに多くのネットワークのサポートを行う予定です。

現在のサブグラフはポスティングサービスという、メインネットの前のより集中化したサーバーに大部分が含まれています。
現在はMIPなどのメインネットへの移行助成金などを使って、メインネットに移行している最中です。

The graphの分散型クエリサービスはメインネットに完全に移行してから、本格的に始動していく予定です。
そのため、近い将来にはどのチェーンと繋がっているかが気にならないくらい当たり前になっているはずです。

Bitomo:ありがとうございます。
この話を聞いてWeb3業界全体の展望が聞けた様でした。

このマルチチェーンの部分は現在のブロックチェーンの課題でもあると思うので、これらの展望にワクワクしました。

Q:The graphとして今後ブロックチェーンを出す予定はありますか?

Takeshi:現在はその予定はありません。

しかし、The graphはひとつのチームではなく、いくつもの研究チームの集合体で、その中にはL2やzkについて研究しているチームもあるため、より効率の良いチェーンの仕組みがあるなら、新しいチェーンやzkなどの新しい要素が入る可能性も考えています。

Q:The graphの今後の展望、現在の課題について教えてください

Takeshi:現在の課題はスピーディーなクエリ処理が挙げられます。

開発者などからは少し使いずらかったり、スピードが遅いなどの意見を頂いています。
しかし、この課題についても先程の研究開発チームが現在取り組んでいるところですので、今後段階的に解消されていくと考えています。

今後の展望としては、マルチチェーン展開です。
そのため、現在EVMと繋がっていないAptosなどとも提携出来ればと考えています。

これらは、Web3の開発を早めプロジェクトの価値をあげていくものになると考えています。

Nojob:ありがとうございました。
クエリなどの難しい内容についても、分かりやすく触れていただいて理解しやすい内容でした。

コミュニティからの事前質問

Q:graphプロトコルは分散型金融のイニシアチブをどのようにサポートし、DeFiの将来についてどのような役割を果たすと考えていますか?

Takeshi:現在The graphが最も活きる場所はDeFiです。
The graphはトランザクションデータを簡単にインデックス化して、クエリ化することで、NFTなどの他の領域などとも混ざり合いながらDeFi領域をサポートしています。

現在では、全てのブロックチェーンデータを整理するThe graphのサポートはDeFi領域において必要不可欠となっています。
さらに、今後Web3領域が発展していき、DeFiにおいても今よりも複雑なものが登場してきます。
その中で、The graphが提供する、インデックス、クエリサービスの需要が増えることは目に見えて明らかです。

Nojob:つまり、今後The graphのサービスは必要不可欠になり、ほとんど必ずと言っていいほど使われると断言していいのですか?

Takeshi:はい。それについては断言できると思います。

The graphは分散的に活動を行っているため、The graphに関わる全てのPCを壊しても、The graphのサービスが止まることはありません。

それが分散型の利点のひとつでもあります。

Q:Dapp開発者がThe graphを利用してより効率的で、スケーラブルなアプリケーションを開発する例を教えてください

Takeshi:基本サブグラフを利用し、自身のDapp開発を効率的に進めることや、自身のDappサブグラフを作成し、公開するという二つの方法があります。

サブグラフを開発すると、先程も話したように、最初にキュレーターになることが出来ます。
そして、そのサブグラフがクエリで使用されることで、手数料報酬を得ることも可能です。

少し似たものをあげるとするならば、AsterのBuild to earnに似てるとも言えます。

また、The graphを使っているDappの中で大手と言えばUniswapが挙げられます。現在、Uniswap上で得られるデータのほとんどに、サブグラフが利用されています。

もし、Uniswapでサブグラフが使えなくなると、オンチェーンデータの更新に時間がかかり、リアルタイムでの価格の更新が出来なくなります。
そのため、外部からデータをリアルタイムで提供できる、The graphやChainlinkは非常に重要なサービスです。

また、大手のリサーチ企業のMessariなどの様々な大手チームをThe graphの研究チームに呼んだりなど、提携も多く進めています。

Q:GRTは何に使用され、ネットワークの機能にどのように寄与しますか?

Takeshi:先程の、インデクサー、キュレーター、デリゲーターの話の中で、流れの部分で話したように、ネットワークへの参加するためのユーティリティトークンとして利用されます。

GRTはデリゲーション、キュレーション、インデックス作成、サブグラフ開発の各インセンティブとしても利用されますし、Dapp開発者がクエリするための使用手数料としても使われます。

つまり、The graph内でのアクションにはほとんど全てGRTが関わってくると言えます。

また、GRTの初期供給量は100億枚で、現在は3%のインフレがあり、GRTの手数料の一部がバーンされデフレしていきます。
現在のインフレは、今後ガバナンスを通して最終的には0にしていく予定です。

今後、Web3の発展とともにGRTは使われていくので、最終的にはデフレトークンになると考えています。
しかし、これらの期間は10年、15年くらいかかるのではないかと考えています。

Q:The graphの分散ネットワークは、従来の集中型インデックス作成及び、クエリサービスとはどのように比較されますか?

Takeshi:まずは、The graphは完全分散型で、単一の権力や恣意的な障害点が存在せずに、検閲や操作の影響を受けにくく耐障害性に優れていると言えます。
Defiのような金融関係のデータを扱うためには少しのミスも許されないので これはもう完全に最大のメリットだといえます。

二つ目は安全性です。
The graphのネットワークが分散型であるということは、 ハッカーや悪意のある攻撃者に悪用される単一の脆弱性が存在しないため、全くその止まらない ネットワークの維持が可能です。

三つ目は効率性です。
The graphのインデックス作成とクエリは、クエリ処理とデータ取得に特化したノードでネットワークが駆動されるため、非常に効率的に機能します。
従来型のサービスよりもレスポンスが早く、レイテンシーも低くなるという利点があります。

四つ目は透明性です。
分散型ネットワークでも全てのノードのインデックス作成と、クエリの実行データのプロセスを確認できるので、誰でも確認することができます。

以上の様に、The graphでは分散型ネットワークが分散性、セキュリティ性、効率性、透明性において、従来型の集中型のインデックスクエリサービスに対して優位性を持っています。


現状の欠点は、複雑性やスケーラビリティが挙げられます。
しかしこれらは、時間とともにプロトコルの改良開発によって対処されていくことが考えられます。



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