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「どうしてわかってくれないの?」、「わが子のことは一番分かっている!」親子のすれ違いは”話の聞き方”で解消します!傾聴法③

この記事は、傾聴法②の続きになります。傾聴法について、久保田学園グループ代表久保田勤と、講師の宮後が話をした記事になっています。ご興味のある方は、ぜひ前回もご覧になってください。


沈黙を大切に

宮後:前回は判断をわきにおいて、一旦思いを共有してからアドバイスしようという話を頂きました。本日はアドバイスする際のポイントを教えていただきたいと思います。どのようにアドバイスをするといいのでしょうか?

久保田:前回、相手の判断を聞いてみようという話をしました。前回の例を思い出して、テスト前なのに子どもが1日30分しか勉強してないということを言ってきたときのケースを思い出してください。ここで相手の判断や気持ちを聞くと、こういう答えが返ってきますよね?

宮後:ここで、まず思いを受け止めてあげることが大切だったんですよね。”もうちょいやりたいんかぁ・・・”とか、”どうしても出来んのかぁ”とこちらもよく相槌をうちながら聞いてあげようと思います。

久保田:まずそれが大切ですね。その上で
 ”じゃあ実際どれくらいやりたいん?”って聞いてみたとします。そうすると、子どもはこういう反応になります。

宮後:あ、よくありますね。子どもがこちらの問いかけに、なかなか返事しないシーンですね。

久保田:子どもがなかなか返事をしないシーンというのはよくあります。こういう時にどうするのが良いかわかりますか?

宮後:答えやすいように、ちょっと条件を絞ってあげたりするのが正解でしょうか?夜に何時間したい?とか学校帰ってから何時間?とか

久保田:それが一般的かと思います。答えを出しやすいように補助してあげることはそれはそれでたいせつなのですが、まずは一旦置いておいた方がいいんです。

宮後:いったん置くことが大事なんですか?なぜ一旦置いたほうがよいのでしょうか?

久保田:これは、答えられなくて黙っているのではなく、子どもが考えているから話していないんです。考えているときの子どもに話しかけると、思考が中断されてしまいます。これが、沈黙を大切にするというアドバイスをする際に大切な事です。

宮後:なるほど!自分で考えた意見にこそ意味がありますもんね。相手が沈黙している時は、考えている状態なので、こちらからさらに話すことで志向を中断させないのがよいのですね。

久保田:私たちはどうしてもせっかちなところありますからね。実はこの沈黙の時間で子どもが考えているという状態が大切な事なんです。ですが、会話の途中で沈黙が挟まるのが苦手という方も多いのではないでしょうか?

宮後:確かにそうですね。相手が黙ってしまうと”何か気まずいなぁ”という気持ちになってしまいます。相手に早く答えるようにせかしてしまうかもしれません。

久保田:会話で沈黙が挟まると、そう考える人も多いですよね。ですが、この沈黙の時、子どもが考えている時に結論をせかしてはいけません。この沈黙の間にこそ、子どもが自分で考えるのです。ここで自分で考えるという力も養われるのです。

アドバイスも大切

宮後:とはいえ、ずーっと沈黙を大切にしたらよいのでしょうか?子どもは全部なんでも自分で考えて決められるものなんでしょうか?

久保田:その疑問はもっともなことです。沈黙を大切にするというのは、傾聴するときの大切な考え方の一つで”答えは相手の中にある”という考え方です。ある程度成長して、勉強法そのものに対する知識がついてくるとこれも相手に答えがあると考えてあげることも大切なのですが、まだ小学生だったり、中学校になったばかりだと勉強時間などについてはわかっても、勉強法に対する考え方などまだまだ知らないこともあります。

宮後:そうかもしれませんね。すべてを自分できめるのは難しいかもしれません。進路のことなどになると、知らないこともたくさんあるのではないかとも思います。

久保田:そうなんです。ですので、アドバイスはやはり大切なんです。しっかりと相手を観察して、”自分で考えているのか”、単に”答えが無くて困っているのか”を見極めてアドバイスするとよいでしょう。いきなり、アドバイスありきだと反発されますが、一旦相手に考えてもらって”考えてもわからないなぁ”ってなってからだとアドバイスを聞く気にもなるでしょう。

宮後:相手に聞く気を持ってもらうのが大切なんですね。そのためには、まず最初に沈黙を大切にするのが大切なんですね。アドバイスでもやはり伝え方も大切になるのでしょうか。

久保田:もちとんそうですね。例えば勉強時間の相談で”何時間くらいしたらよいかわからないから教えて?”って子どもから聞かれた場合も”〇〇時間やれ!”って親から行ってしまうと自分で考えるという部分が失われてしまいます。子どもが考える余地をのこしつつもアドバイスするもテクニックもありますので、また次回お話できればと思います。

宮後:それでは次回、アドバイスをの仕方をお伺いしたいと思います。また次回もよろしくお願いします。