見出し画像

【学習お悩みQ&A第1回①】家庭での学習の心配事にお答えします!

集中力がない・学習習慣がつかない・親がそばにいないとすすんで勉強しない 

※この記事は、深澤英雄先生(神戸市の小・中学校で38年間教壇に立ち、教職大学院の特任教授を4年半務める。現在は和歌山大学教育学部の非常勤講師として学生の指導に当たる。)をお招きして、久保田学園グループ代表久保田勤とグループ講師宮後が対談を記事にしたものです。


勉強週間のポイントはルール設定

久保田:これまで多くの保護者の方々から、家庭学習の悩み相談や質問を多く受けてきました。そこで、経験豊富な深沢先生にアドバイスをいただきたいと思います。それではよろしくお願いします。

深澤:よろしくお願いします。今回のテーマは3つ”集中力がない””学習習慣がつかない””親がそばにいないとすすんで学習しない”とのことですが、ここには共通点があると思っています。

久保田:それはどういうことですか?この3つの質問については、どのような共通点があるのでしょうか?

深澤:家庭でのルールをしっかり決めることがポイントになるというのに共通点があると思います。切り替えを時間を設定することで、決まった時間集中するようになりますし、習慣にもなっていきます。どのような環境で学習するのかもルールを決めるとどの程度親がついているのかもきまってきますね。

久保田:それらのルールを決めないとうまくいかなさそうですね。私も勉強しない子どもに”勉強いつになったら始めるんや?”って聞いて、”今やろうと思ってたのに!”って反発されてばかりでした。

深澤:よくありますよね。そのような反発を招かないようにするためには、やはりルールを話し合って決めるとが大切なのです。

勉強開始時間決める

久保田:ルール作りとは言ってもいろいろなルールがあると思います。どういうルールを、どのように作っていくのがいいのでしょうか?

深澤:ご家庭で事情が異なってきますが、どの日のどの時間に勉強をスタートするのかを決めておくことが大切です。この時に、ある程度子どもと話し合って決めていくのが大切です。
 ”水曜日は習い事があるから20時からにしよう”とか曜日ごとの都合にあわせて話し合いながら調整するのがいいのではないかと思います。

久保田:私が子どもの時はもちろんそうなんですが、大人になった今でもなかなか遊びから仕事に切り替えるのが難しいですよ。もっと遊んでからにしようとか、仕事はもうちょっと後でいいかなとか。

深澤:もちろんそういう気持ちがあるとは思います。お互い話し合って決めるときに、素直にそういう気持ちについても話して、”まぁそういうときももちろんあるよね”と受け止めてあげることも必要です。

久保田:そういう気持ちもある程度共有出来たら安心できますね。

深澤:ある程度成長してくると、勉強しなくちゃいけないっという気持ちがも芽生えていきます。そういう気持ちがあるからこそ、面倒だとかやる気出ないなぁっていう気持ちも起ってくるものなのです。

久保田:そうですよね。面倒でもやるためにこそ、ルールをきめてルーティン的にしておくことが肝心なんですね。

深澤:そういうことなんです。よく”いつまでゲームしてるの!”って叱ることってあると思うんですが、そもそもいつになったら勉強始める時間なのかが決まっていないと叱った基準がわからないですよね。

久保田:それでよく喧嘩になりますね(笑)

深澤:ルールで決まっているからこそ、叱る基準が明確になるんです。これでこそ納得できるんです。そもそも自分で考える基準にもなりますね。

ルールの提案の仕方

久保田:ルールを決めると言ってもなかなか初めのうちは難しいのではと思います。保護者の側である程度コントロールも必要なのではないでしょうか?

深澤:初めのうちは全部決めるのはもちろんできません。勉強や宿題をやるということはまず前提にしておいて、勉強を開始する時間を子どもに決めさせるというように部分的にするのもひとつです。もっと噛み砕いて、19時からの1時間にするか、20時からの1時間にするかといったように選択肢を提示するのもよいと思います。

宮後:今時間の事がでましたが、学習量については決めなくてもよいのでしょうか?例えばテキストを3ページやるとか、本読みを何回するとか。

深澤:習慣をつけていこうとするときに、あまり量にこだわらない方がよいでしょう。習慣を考えるうえで大切なのは生活リズムなので、最初から量にとらわれてしまうとそこが崩れていくという心配もあります。

久保田:確かに、内容や量については次のステップで考えることのようにおもいますね。あまり初めのうちから多くの事にこだわらない方が良いのではないかと思います。

勉強する場所を決める

宮後:親がそばにいないと勉強しないという相談もありますが、こちらも同様でしょうか?どこで勉強するのがよいかもルールで決めておくということでしょうか?

深澤:そうですね、勉強時間を決めるときに、どこで始めるのかということも一緒に決めておくのがよいでしょう。

久保田:親がそばにいないと・・・ということを心配されている方もいますが、必ずしも子供部屋でなくてもよいと私は思いますね。

深澤:特に低学年のうちは、親のめの届くところの方が良い場合もあります。子ども部屋にいて、机に向かっているからといって勉強しているなと安心はしてはいけないと思います。学習するのに集中しやすく、わからないことがあったらサポートしてもらえるという環境がよいでしょう。

久保田:子どもが部屋で勉強していると心配で部屋に覗きにいくんですよ。そうすると子どもと喧嘩になるんですよね。”邪魔しに来るな!”とか”監視してるんか!”とか言われて、これで親子関係がおかしくなることもありますね。

深澤:小学校高学年になってくると、部屋で勉強したいという子どもも出てくると思います。そうなってくると子ども部屋で勉強するのもよいでしょう。どこが勉強場所なのかというのは、子どもに自分の居場所に関わることなの思いのほか大切なのです。こういうことも家族でしっかり話し合って決めて、成長段階にあわせて変更していくことは大切だと思います。

宮後:自分の経験になりますが、幼かったころは、勉強したものをすぐ親にみてもらいたいという気持ちがありました。すぐ見せられるようにしたいなという気持ちがあったように思います。

深澤:そういう時に”よく頑張ったね”とか、”すごいね!”とかの声かけがあると、勉強の習慣がより根付くようになります。こういう親のサポートも大切ことです。このことについては続きでまたお話したいと思います。

まとめ

勉強開始時間・勉強場所のルールを決めよう。
ある程度、子どももルール作りに参加してもらおう。
子どもの成長にあわせてルールは変えていこう。