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「データ」と「情報」の意味の違いは?

「情報」という言葉の意味の曖昧さ

みなさんは「データ」という言葉と「情報」という言葉、意味がどのように異なるかを尋ねられた際、どのように答えますか?

言葉というものは普段から当たり前のように理解しているように感じられますが、意味を実際に問われると答えることが難しいことも少なくありません。

私は以前、国語辞典で「情報」という言葉を調べたことがありますが、その時は意味が抽象的すぎてよく理解できませんでした。

ある事柄に関して知識を得たり判断のよりどころとしたりするために不可欠な、何らかの手段で伝達(入手)された種々の事項(の内容)

新明解国語辞典 第七版

一方で、英語からこれら2つの単語の意味を理解しようとしたところ、個人的には英語における意味の方がしっくりときました。今回は「データ」と「情報」の言葉の意味の違いを英語から考察します。まずは「情報」から。

Informationの意味

日本語の「情報技術」という言葉は、英語での "Information Technology" に相当します。英語における「情報」は、どのような意味でしょうか。

英語の辞書(Collins COBUILD)によれば、次のように記載されています。

information
1. Information about someone or something consists of facts about them.
2. Information consists of the facts and figures that are stored and used by a computer program.
3. Information is a service that you can telephone to find out someone’s telephone number.

Collins COBUILD advanced Dictionary of American English, English/Japanese version 2.6.2

ざっくり訳すと、以下の通りです。

  1. 誰かや何かに関する「情報」は、それらに関する事実で構成される。

  2. 「情報」はコンピュータ・プログラムによって保存され使用される事実と数値から成る。

  3. 「情報」とは、電話で誰かの電話番号を調べるサービスのことである。

他の英語の辞書(Oxford Advanced Learner’s Dictionary)も調べてみましたが同様の意味でした。

日本語の「情報」と比較すると、英語の「information」には誰かや何かに関する事実というニュアンスが含まれていることが異なります。個人的には、英語の意味の方が日本語の意味よりも理解しやすいです。

Dataの意味

では「データ」とはどのような意味でしょうか。そもそも「データ」という言葉自体がカタカナであり、横文字で表されるような海外に由来する言葉です。同様に英語の辞書でも調べてみました。

data
1. You can refer to information as data, especially when it is in the form of facts or statistics that you can analyze.
 2. Data is information that can be stored and used by a computer program.

Collins COBUILD advanced Dictionary of American English,English/Japanese version 2.6.2

上記をざっくりと和訳すると以下のような意味になります。

  1. 特に分析可能な事実や統計の形式の場合に情報を「データ」と呼ぶことができる。

  2. 「データ」とはコンピュータ・プログラムによって保存されて使用できる情報のこと。

他の辞書も同様の意味でした。

dataとInformationの違い

"data" と "information" という言葉をそれぞれ比較すると、コンピュータの中に保存され、使用されるという意味を共に含みます。しかし "information" の意味には前述の通り「誰かや何かに関する事実」という意味が含まれます。これらは必ずしもコンピュータの中にあるわけではありません。

人の記憶の中にあるかもしれませんし、人の会話の中にあるかもしれません。ノートに文字で書かれているかもしれません。

"data" よりも "information" の方がより広い範囲を指すことがわかります。よって "data" は "information" の一部とみなすこともできます。

一方で "data" は本来、統計量のような形で存在するもの、もしくはコンピュータの中にある情報をさします。

例えば、ひろゆきさんが「なんかそういうデータあるんですか?」と話している「データ」という言葉は、分析や集計された根拠となる統計量はあるのかどうかという意味で使われているように思われます。

ITの仕事をしている人が日常で「データ」と話す場合、それは主にコンピュータの中にある「情報」をさしていることが多いように感じます。紙の伝票に書かれた「情報」を「データ」と表現する人と、私はまだ一度も出会ったことがありません。

今回は英語から「データ」と「情報」という言葉の意味の違いを考察してみました。

英語と日本語はそれぞれの単語の意味に違いがあることが一般的ですが、英語の意味の方が個人的には理解しやすかったです。日本語難しい。。

仕事で情報とデータという言葉を今後用いる際、これらの意味の違いを意識したうえで使おうと思います。


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