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客先常駐者に対するマネジメント

IT業界では、システムの開発、構築、運用を請け負って客先に常駐して業務を行うケースはよくあります。今回は客先に常駐しているメンバーに対するマネジメントの視点でまとめてみました。


常駐者は自社の従業員?

常駐者は当然雇用されている自社の社員である。当たり前のことではあるものの、実際にはそうはいかないケースも見られます。常駐先業務に専念するあまり、自社の人間であることを忘れ、お客様のような対応になってしまうこともあります。具体的には給料は自社から支払われていることを忘れて、自社の業務や便益よりもお客様の業務、便益を優先してしまうことがみられるということです。ひどいときには自社に対する態度も横柄になってしまい、まるで自社のXXさんではなくお客様のXXさんになってしまいます。一見おかしな事象ですが、彼らのおかれている状況などから見ると常駐者のふるまいがこのようになることも珍しくないのではと思います。

派遣契約で客先に入り、客先業務を代行しているのであれば百歩譲ってこのようなふるまいも致し方ないのですが、請負の業務委託契約で指揮命令系統は自社にあるにも関わらず、お客様内に入って業務しているうちに自社への帰属意識が薄れてしまう状況になるのは、自社、従業員双方にとって好ましくない状況であります。
また、そのような状況に陥る背景には、請負にもかかわらずお客様から直接指示が出ているなど指揮命令系統に問題は発生している可能性も考えられます。この場合は偽装請負とみられかねない状況も疑われるため法的にも問題であります。

帰属意識を高めるためにはどうしたらよいか。


こんな状況を避けるためには自社への帰属意識を高める必要があります。よく言われているのが、飲み会や社内メンバーとの交流会の企画、定期的な帰社日の設定などがあげられます。
ただし、仲の良いメンバーが多い場合はこれでもよいが、社内に親しい社員がいない場合は逆効果ではないでしょうか。
この場合は、多少面倒でも直属の部門メンバーが定期的に訪問、面談するなどでコミュニケーションを深めていくしか方法はないのではないかと思います。

また、組織として対応するためには以下の点にも注意する必要があると考えます。
・組織アイデンティティの明確化
 何のために仕事をしているのか、何のために客先で常駐しているのかなど
・制度の充実(目標、評価、福利厚生)
 自社内で業務する人間と客先常駐者との不公平感の排除、常駐先制度の充実さとの比較に目が行ってしまうことの回避。
・働きやすさ
 常駐者を孤立させないためにメンター、自社メンバーによるグループでの業務を推進する。

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まとめ

人は立場が変わればそれぞれの考え方があります。常駐者はその立場のため通常の従業員とは違った考え方を持つケースも多いと思います。従業員に常駐者を抱えている組織はその点に注意して対応していく必要があるということです。


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