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メタバース?デジタルツイン?

前回の記事でMitchellさんが今後の話としてメタバースの話題を上げていました。
今回はそのつながりでメタバースの話題を発展させていきつつ、最近聞かれるようになったデジタルツインという技術を紹介したいと思います。

SFや映画の中の話?


メタバースは最近一般の人の間でも話題に上がるような言葉になってきたと思います。
SF映画などで登場する未来をイメージさせるデジタル技術の話ですが、創作の中で登場するくらいなので概念は以前から存在していました。ただし実際に実現されるまでには技術の進歩を待つ必要があります。
例えば、今では当たり前になっているAmazonプライムやNetflixに代表されるビデオオンデマンドなどの概念は20世紀末には存在していましたが、インターネットの高速化や映像データの圧縮、配信の技術が進歩するまで実用化は待たされました。

メタバース


2009年公開の映画『サマーウォーズ』などで描かれていた世界が現実になってきています。
アバターを使用した仮想空間にて、バーチャルオフィス、ゲーム、バーチャルイベントなどに活用されており、これはまさしく現在のメタバースを先取りして表現した映画でした。
メタバースという言葉自体は1992年に発表されたSF小説『スノウ・クラッシュ』で登場しているようですので30年前には概念が存在していましたし、コンピューターの中の異世界の話ということであれば1982年の映画『トロン』までさかのぼることができます。
いずれにしても概念自体は以前から存在していますが、インターネットやコミュニケーション技術、画像処理技術が発展して現在のようなメタバースが実現されるようになった形となります。

デジタルツイン


いま、メタバースと近い言葉でデジタルツインという言葉が広まりつつあります。
メタバースの概念の延長ととらえることができると思いますが、仮想空間を拡張して、まさしくリアルな空間と同じものを再現しようとする技術です。

ここで一つの例を紹介します。
製造業での活用事例としてBMWの自動車生産ラインのシミュレーション事例が紹介されています。

仮想空間に製品(上記例では自動車)や生産ライン、ロボットのCADのデータ、実際の工場建屋の3Dスキャンデータなどを組み合わせて、実際の生産ラインと同じものを仮想空間で構築し、検証やデモンストレーション、トレーニングや作業員の動きの最適化を生産ラインの完成前にテストすることができ、完成後は各種センサーの情報などと組み合わせることで機器の事前保守診断などを仮想空間で完結させることができます。
また生産ラインに限らず、自動車や建築物などの完成前にCADデータをもとに仮想空間に構築された仮想の実体に入り込んで内装や操作感の検証などを事前検証を行うことが可能となります。これまではコンカレントエンジニアリングといった形で設計、試作、製造を前倒して行いリードタイムを短縮できるよう試みられてきましたが、デジタルツインの技術により製品単体での仮想シミュレーションだけでなく、生産ライン全体や利用環境を含めた形の仮想化を実現し、デジタル空間の中で試作、検証を終えてしまうことができるようになるということです。

伝統的な製造業では試作、検証、設計変更を繰り返して品質を上げていくプロセスを行ってきましたが、このような技術が発展することでコンピューターの支援がより高度化してきていることを紹介します。

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