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幼年期の終り

時間に余裕のあるこのご時世の中で、SF小説であるアーサー・C・クラークの「幼年期の終り」を家のベット上と入浴中に一気に読んだ。

この時期にこの本と出会えたのも、何かの縁だろうか。この本が出版されたのは、1952年ごろ。今のようにネット世界が成熟していなかったにも関わらず、現代における問題の多くのことを示唆している。

この小説の中では、オーバーロードという地球の外からやってきた謎の生命体?が、様々な地球の問題を解決したり、どんどん便利な無駄のない世界作りを手伝ってくれる。例えば、台所に行かずして、好きな食べ物にありつけたり、気晴らしのためのTVスイッチを押すだけで、あらゆるチャンネルに行きつくことができるなど。

しかし、小説内でのコロニー生活者は、こう言います。

オーバーロードがやってきて以来、本当に新しいものは1つとして創造されていない。その理由は、戦うべき目的が残されていないから。あまりにも多くの娯楽や気晴らしがありすぎるからだと。

さらにこう警鐘を鳴らします。

人類が受動的なスポンジに、呼吸するばかりで決して創造しない動物になってしまった。

私は、家のなかで過ごすことが多くなったこの今、暇さえあれば、ネットの海をさまよったり、youtubeや、通販サイトの渦にのみ込まれている。いわば、考えることをやめてしまった受動的なスポンジなのです。

もし、TVのニュースや、ネットに疲れてうんざりしてしまった人がいれば、ぜひこの「幼年期の終り」を読んでみてください。


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