夫がLINEのプロフィール写真を変えるとき——家族の記録
「SNSはめんどくさいからやってない」
「LINEはただの連絡ツール」
そんな夫が、LINEのプロフィール写真を変えるとき。それは、心の変化があったときではないかと思っている。
以前、夫がプロフィール写真を変えたのは、結婚して1年目。
ちょうどコロナ禍で、大々的にハネムーンに行けなかった私たちは、彼の故郷・富山から立山へ。
夏だったけれど高地で涼しく、絵画のような風景がずっと続く立山登山。最高!と感動したのも束の間。運動不足の私にはかなりキツく、登山後山荘まであと少しのところで身体が辛くて動けなくなった。夕食やビールに手を出す気力がなくなるくらいの疲労感。
それでも「夫婦で感動と辛さを共有した時間」として夫の心に残ったのか。旅が終わっても「良かったな」と繰り返し言っていた。さらに、LINEのプロフィール写真を、このとき私が撮った彼の写真に変えたのだ。
それまでは…。なんだったっけ。仲の良い大学の同級生と一緒にうつっている写真だったような。プロフィール写真なのに複数人うつっていると誰に連絡を取っているかわからないよ?と思った記憶がある。
とにかく。彼にとって立山登山は、思い出深い、LINEのプロフィール写真を変えうるイベントだったのだと私の脳に刻まれた。
そして、もうすぐ結婚4年目。彼のプロフィール写真が変わった。
立山登山のことなど、遠い昔。そんな昨日。久しぶりに彼のプロフィール写真が変わった。バイキンマンに。
バイキンマンは、娘の推し。圧倒的No.1。
彼がLINEのプロフィール写真を変えるということは、どういうことなのか。やはり、何かしらの心の変化があってのことだと思う。娘が可愛すぎて、の可能性もある。が、それは生まれてからずっとなので突然バイキンマンに変える理由としては弱い。
体力的にも精神的にもキツい仕事をしている彼は、休日美味しいものを食べながら酒を飲んでいるとき「幸せそう」なんだが、普段は「ただただしんどそう」。でも最近は、普段も「幸せそう」。
これは、心が大きく動いた結果ではなくて、じわじわと何かが変わったのではないか。彼は今「幸せ」に包まれているように見える。
私たち夫婦は、いわゆる再構築夫婦。いったん壊れた夫婦である。
壊れたと感じる前から、私は彼が「幸せそう」か「しんどそう」かなんて、見ていなかった。傷ついたときの感情だって「勘弁してくれ」くらいの、夫に寄り添わない感情だったかもしれないと今になって思う。
正直、自分で言うのもなんだけれど、再構築すると決めた私はすごく努力した。夫も。もともと仲が良いとか、相性が良いとか、そういうのじゃない。私たちはすごく努力したのだ。
努力の過程は、ボリュームがすごくなりそうなので別途書きたい。というか、Webコミックのプロットとしてすでに提出しているから、とあるサイトで漫画になる予定だ。
私は「夫がLINEのプロフィール写真を変えるとき」を心の動いた証拠だととらえている。彼がいま幸せで、彼が幸せなことを私も喜ばしいと思っていて、それが私たちの努力の結果なことが、何より嬉しい。すごく嬉しいのだ。
(追記)
私も、よっぽど心が動いたときにしかLINEのプロフィール画像を変えない。通っていた学校から近いパン屋の、お気に入りのパンをプロフィール写真にしている。結婚1年目に「またこのパンが食べられるなんて!」と感動してプロフィール写真にした。
とにかく、プロフィール写真を変えるときは前向きな気持ちのことが多いように思う。
〜おしまい〜
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