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セミキチへの愛

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ちなみにマガジンには全作品とおまけが付いています。
<2022.6.9. 追記>

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セミキチが大好きである。
しつこいようだけど大好きすぎて、あと1本だけ記事を書かせて!と原作者くぼ(久保マシン(Y)くぽりん)にお願いしてみた。せっかくなので先日の『汚れ犬セミキチ 番外編』の制作についても書いてみる。いつもの久保マシン(ユニット)とは違う方法(やり方)で漫画に描いてみて、思いのほか大変だったので反省も込めて。その漫画制作については後半最後で。

さて、noteをご覧の皆様はもうご存知でしょうが、セミキチは実在してた【汚れ犬】でした。その犬は、私(久保マシン(C)くぼちー)が上京して2番目に住んだ下町(東京都板橋区)の東武東上線の線路沿いにあった小さな木造2階建ての見知らぬ家の玄関先で飼われていた<柴犬によく似たミックスの小犬>でした。

当時の私は心の病で日々ふせっている状態で、くぼに手を引かれて渋々散歩に出るというような生活を送っていました。鬱病プラスαだった私の心の病はけっこう厄介なもので、当時は心が死んでたに違いないのですが、くぼは根気よく、来る日も来る日も外に出たがらない私の手を引いては公園や路地やカフェなど色んな所に散歩と称して連れ出してくれました。

なるべく軽やかに。ポカポカ日向ぼっこするかのように。ゆったりゆっくり。急がず慌てず静かに穏やかに。メンタルがやられてる私は体力の消耗が激しく滅多にお風呂にも入れず鏡に映った姿はまさに病んでる人そのもの。誰もがドン引きするほどの全身ダサダサ状態でした。くぼは、そんなのお構いなしで人目も気にせず手を繋いで歩いてくれました。私だったら何時間も手を引いて一緒には歩けないなーと思うほど醜い姿だったので、これは物凄い「愛だ」と今でも思ってる(笑)

私のメンタルの状態に合わせて時には黙々と。時には歌を口ずさんだり。時にはお喋りしたり。私を笑わせるのにギャグの才能全開で面白話を延々としたりしてた。すごいな。これを毎日、くぼは繰り返してた。やっぱ「愛」だよ(笑)

近所に大きなケヤキの木があって、そこで立ち止まって空を見上げる。鳥を見つけたり、新緑の季節にはケヤキの緑のキラキラ光るのを一緒に延々と眺めて綺麗だと感じる心を共有したり。公園では、くぼ手作りのお弁当とおやつと水筒を持ってベンチに腰掛けて青い空と白い雲を私が見飽きるまで一緒に眺めてくれたりした。夏の季節にはセミの大量の抜け殻を子供のように二人で笑い転げながら、かき集めたり観察したり。いい歳した大人だったけれど、今でもいい思い出。それは私にとって、一番、切なくて、一番、愛おしい永遠の時間となった。

もうあの頃には戻れない。
私はもう、すっかり回復して元気なので(笑)

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さて、その頃、くぼと私の散歩コースの一つにリアル『汚れ犬 セミキチ』んち前の線路沿いの道というのが含まれていたのでした。そこに行けばセミキチが必ず道路に座り込んでいて、近くを通る人に向かって尻尾をぶんぶん振ったり、時には道路に身体を預けてゴロンゴロン。何気に自己アピールしてた。気にしないフリをしながら、じつは目線をこちらにチラチラとセミキチは向ける。人が近づくと一気にセミキチは愛嬌を振り撒いた。当然、触りたくなる。犬を飼ったことのない、くぼに犬の触り方を教えたのも、この時。で、めちゃくちゃ手が臭くなって笑い転げる。

セミキチはオス犬だったので女性が好きだったのかもしれない。私には一度も吠えなかったけど、最初は、くぼには吠えてた。オスにだけ攻撃する犬はきっと多い。くぼはセミキチに何度も吠えられて凹んだりしてた。そのうちに顔を覚えたのか吠えなくなった。触ってもらえたのがセミキチ自身、嬉しかったのか、くぼが触ってる間は吠えなくなったのだ。セミキチを触ると手が臭くなるので、私はちょっとだけ頭を撫でる程度。くぼは行く度にセミキチが可愛くなったのか、どんなに手が臭くなっても、ぐりんぐりんと触り続けてた。セミキチは調子に乗ってお腹も平気で触らせまくりだったので、きっとダメダメな犬だ(笑)

ご近所のおじさんが、そんな私たちを見て「この犬を触れるのか!?俺はいつも吠えられるのに何で吠えられないんだ?」と不思議がってた。その時もセミキチはおじさんに吠えまくった。くぼはもう吠えられない。ちょっと嬉しそう。

線路沿いの家は、いつも玄関が締まっていて、セミキチの飼い主を見たことが一度もなかった。私たちは飼い主よりもセミキチを可愛がって構ってたのかもしれない。臭いけど可愛かったセミキチ。用もないのに散歩でもないのに、敢えてセミキチに会いに行ったことも何度もある。セミキチの方も会いに行くと変わらず尻尾をぶんぶん振ってゴロンゴロンしてくれた。私たちが触ってると小学生らが近寄って来たこともある。漫画の中のセミキチの世界まんまだった。

名前が分からず、くぼと
どんな名前かな〜?と想像してみた。

くぼが『セミキチ』と言った。
セミが鳴いてる季節だった。
ネーミングセンスが独特だ(笑)

しばらくして、くぼが
『セミキチ』を漫画に描き始めた。

くぼは子猫や小鳥を育てたことはあっても、犬を飼った経験がなかった。今もない。でも犬は大好きだ。なぜか彼はいつも犬に吠えられてた。犬を飼ったことがない彼は犬から見たら挙動不審者に見えるらしい(笑)どこに行っても犬の方が、くぼを警戒するのだ。あの掘りの深い顔が怪しいのだろうか。犬に吠えられ威嚇されてばかり。だからセミキチに受け入れてもらえたのが嬉しかったのかもしれない。犬を思いっきり触ったのも、おそらくセミキチが最初だった。

私がリアル・セミキチが好きなのは言うまでもないのだけれど(私の中ではセミキチと当時のくぼとの散歩はセットで愛おしいものとなってる)4コマ漫画の中の『セミキチ』がそれとは別に、とてもとても愛らしく凄いものになって目の前に出現したので、くぼの描く『セミキチ』の物語(ギャグ4コマ作品だけど物語性を感じる)の素晴らしさと絵(セミキチ)の愛おしさが相まって、大好きな作品の1つとなった。私の中では名作だ。

サラッと読めば、それだけの作品。

作品の中に見え隠れする、くぼという人間の眼差し。
生き方。優しさ。無邪気さ。愛らしさ。
くぼは60を超えた今も自由な「少年」のままだ。
セミキチのキラキラした瞳は、くぼ自身だと私は思っている。

くぼが私に物事の色んな見方を教えてくれたようにセミキチの世界にも、それらが反映されてる。ひとつの価値観でモノを見ないように。自分で決めつけてしまわぬように。何ものにも必要以上に縛られないように。自由にシンプルに。明るく楽しく単純に。だけど、ちゃんと考えることは忘れてはいけない。

優しさって?愛って?
そして『生きる』って、どういうこと?

長い間、育った環境の呪縛の中で自由に生きられず苦しい生き方を強いられて来た私は、まさに生きてはいなかった。ただ息をして食べて寝て時間をやり過ごすだけの日々を繰り返してただけの生き物だった。生きてても死んでても同じだと思ってた。そもそも存在しなければ楽だったのにと何度も本気でそう思った。そんな諦めと絶望と歪んだ考えの人間(私)が、本来、誰もが持ってていい『自由』というものを自分の手に取り戻して生き直すまでに物凄く多くの時間を失っていたからこそ、この『汚れ犬 セミキチ』の凄さを感じる。セミキチがキラキラ眩しくて仕方ない。セミキチの自由さは凄いのだ。単純なのに、とても奥が深い。

綺麗なものだけが美しいのではない。
汚れているからこその美しさがある。
知ってるようで知らない。
知ってたくせに忘れてしまう。

私も子供に戻ってセミキチと一緒に泥だらけになって駆け出したい。子供の頃、日が暮れるまで泥だらけになって遊んで息を切らしながら家路に着いた記憶が懐かしい。『生きてる』という実感を私も思い出そう。あなたも思い出してほしい。




ここからは漫画制作について

『汚れ犬 セミキチ』番外編は、じつは本編4コマ作品の第2話目に描かれているものを私(くぼちー)が敢えて掘り下げて制作したものです。↓

初めて↑この第2話目を読んだ当時(作者)くぼと、じっくり話しました。
電車に向かって吠える犬というのは、じつはよくある光景だと思うのです。実際にリアル・セミキチも吠えてた。そこからの作者くぼのネタ発想だったと思うのですが、なぜ吠えるのか?電車に向かって吠える犬は興奮もしていますが、自宅で掃除機をかけてると吠えて飛びつきながら攻撃する犬がよくいます。遊んでいるのか怒って攻撃しているのか。掃除機も電車も同じ理由で犬は吠えてるのかもしれません。それは犬の本能なのか(笑)

原作の漫画の中のセミキチは電車に向かって <とても嬉しそう> に吠えてます。普通なら、ちょっと怒ってる(攻撃してる?)感じで描かれるところだけど、くぼはそうは描かない。セミキチはニコニコ(ハッハッ)してる。この発想も面白い。ちょっとだけネタばらしになりますが、原作漫画では「ともだち」という表現で読者の共感を得ます。予想通りそう思った人も、そうは思わず読んでた読者も思わずほっこり。誰もが微笑ましくなるネタ作り。

だけど
本当はちょっと違う。
じつは別の答えが、そこにはある。
目に見える答えだけが
答えじゃない。

「ともだち」とは誰?

一見、それを「電車」に見せかけている。でも本当は違う。じつは別の物語が、この作品の中には隠れています。原作4コマ漫画には決して描かれない「見えない ともだち」とのエピソード。くぼは時々そんなトリックを仕掛けます。謎解きもしません。そのまま見えない作品の中に見えない物語を埋め込んで終わりにする。描(えが)かれないけど、その設定はどこか作品の中に静かに影響を与え、作品の空気になる。そういう感覚でしょうか。

誰にも気づかれないので
ほとんど意味がない仕掛け(笑)

だけど、そんな彼の無駄な作品作りが私は好きだし憧れてもいる。誰も(おそらく当時の雑誌担当編集者も)知らないエピソード。当時の雑誌連載が終わった今、描いてみない?と言ったところで描かないのは分かってる。だけど、そのエピソードがとても良かったのでアレンジを加えて私流に描いてみようと思った。くぼの脳内の物語を再現するのは不可能なので、あくまでも私流ということで作者くぼの許可を得る。そんな流れでの『番外編』制作。

描(えが)かれないエピソード

原作4コマ漫画の第2話目には描かれてない(見えない)エピソード。それを私は描いてみたいと思ったのです。また、セミキチを読んでる人たち、それぞれの心の中にも『セミキチ』がいると思います。それは遠い昔に別れた小さな子犬の姿かもしれません。今は亡き飼ってた愛犬の姿かもしれません。セミキチの中に色んな犬の姿を見るでしょう。目に見えない物語が皆さんの心の中にも浮かんでたかもしれません。小作品『汚れ犬セミキチ』は、そんな作品でもありました。

それは、くぼが描いた『おうち犬バッキン』と同様です。そして私は原作者くぼの隠れたエピソードをモチーフに私の思うセミキチという犬の番外編(物語)を描きました。

見せ場は、もちろん
原作 第2話目に繋がるシーンです。

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ただし(何度も言いますが)くぼの考えてたのとは別演出(内容)です。
だから「番外編」は、あくまでも私(久保マシン(C)くぼちー)による妄想作品なのです。セミキチと出会った「少年」という設定も発想も私の演出。名前を「やっくん」としたのも、くぼの名前(やすひと)から。なんせセミキチの本当の名付け親ですから同じにしときました(笑)

ちなみに原作者くぼが考えてたのは少年や青年でもなく…内容もかなり違います。捨て犬だったセミキチが、どうやって拾われたのか?というエピソードやセミキチという名前に至った経緯なども、くぼが描かなかった謎の部分を補った流れにしているのも、私くぼちーの完全なる妄想。原作者くぼの発想とは全然違います。これは、もはや原作者くぼのセミキチではなく私のセミキチ作品。自分勝手に謎解きしながら全てを繋ぎ合わせて好き勝手に妄想&制作した物語です。

いわゆる、原作「セミキチ」をモチーフにしたリブート作品。

原作者くぼ自身が考えてた「描かれていない物語」は今も秘密ということにしておきましょう。いつかまた別作品として登場する日が来るかもしれません。

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なぜかハルコ風味のセミキチ(笑汗)

今回「番外編」を描いていて自分で【ハルコの恋】風味だなーと感じていました。(くぼからも言われた。笑)いいのか悪いのか、私が描くと何でもハルコっぽいのかもしれない。ついついセンチメンタルな方向に行っちゃう。これを個性というのかは謎だけど、一人でも多くの方に読んでもらえたら嬉しい。だけど、有料なので一番の見せ場を見せられない。そこがちょっと残念。だけど前半10ページまでは無料で読めますので、未読な方は半分だけでもお楽しみ下さい。

後半部分ではセミキチの原作 第2話目に繋がるエピソード(一番の見どころシーンとなってます)とセミキチのちょっとした謎解きも加わった<まとめ>のような内容になっています。気になる方は 100円ポッキリの買い切りマガジンでご確認ください。セミキチの原作漫画も特典「おまけ」も全話読めます。

セミキチのマガジンはこちら↓


さて、お時間のある方、漫画制作にご興味のある方、ここから先は漫画制作時の原稿を色々お見せします。セミキチ【番外編】が、どのように描かれていたのかを公開。いつもと違う描き方。久保マシン的にも初めての試み。ユニットとしての可能性を探る為に描き方を模索してます。今回の方法は大変さが勝ってたので、おそらく、もうこの描き方はないなーという結果に(笑)

それは、どんな描き方?
ネタばらしにならない程度に解説しながら公開してみます ↓↓↓
<けっこうなボリュームがありますので興味のある方のみ、どーぞ!>


1、ざっくりなネーム

急きょ描きたくなった「番外編」を脳内であれこれ試行する。理想を大きく掲げなければ形には出来るかもしれないと思ったので描くことを決める。ひとまずページに割り振って、まとめてみる。ページ制限や〆切がある「依頼仕事」ではないので自由に描けるのがnoteに載せてる描き下ろし作品の良いところ。とにかく描いてみる!がモットーの私は、ざっくりと、そこらにあったペーパーを小さく折って、ざっくりとネームを書き出す。ネタを考えるには小さいぐらいのサイズのが個人的には集中しやすい。また、時短を考えて絵のイメージも同時に固めておく。

こんな風に小さく描くのは4コマギャグ漫画連載時代からの癖が抜けないので大きくは描かない。(打ち合わせでも編集者が読めて伝わればいいので)全体が見渡せるくらいの小ささで丁度いい。手のひらサイズ。今回はホッチキスでまとめておく。くぼに見せる為だ(結果的には見せず内容をざっくり読み聞かせた。笑)普段は、まとめて留めたりしない。無駄な行為なので。とにかく、ざっくりざっくり。

物語(内容)の脳内試行が1日。ネームで1日。勢いだけが強みの私は仕事でも、このスピード。時間をかけても、いいものが出来ないタイプ。むしろ時間かけたらダメになる奴なのだ私は。時間をかけてかけて、かけまくって徹底的に無駄を削ぎ落とす、くぼとは真逆だった。私は瞬発力で仕事をする。時間をかけても失敗することのが多かった。漫画家としては複雑だけど、こればかりは仕方ない。

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鉛筆でグシャグシャに線を引いてしまってるのは原稿に描き写した時、ここまで終わった!というのを目で確かめてスッキリしたいから癖でやってる。原稿にしてしまったらネームはゴミでしかない。もう見るからにゴミのようだし(笑)


2、原作者くぼに部品のように絵を描いてもらう

自分の原稿なら、ここで直接、原稿の下書きってことになる。今回はセミキチの表情やイメージを壊さない為に私風味のセミキチではなく<本物のセミキチ>にしたいと思う。贅沢だけど作者に描いてもらう(笑)絵の下手な私が描いたらセミキチじゃなくなる可能性があったので。ついでに主要キャラも(特にポーズをしっかり)描いてもらいたいと頼んでおく。セミキチ以外は、ざっくり描いてもらって、そこを私がトレースしながら自分流キャラで描くと決めてた。

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上のネームから下書きを作成
↓↓↓

絵が入るスペースを分かり易くする為にネーム(文字)は、ある程度入れておく。絵のイメージも描いておく。背景は不要なのでセミキチ(段ボール込み)と人物のポーズ(足元、虫アミ、カバンなども含む)のみをお願いする。ちゃんと私の描いた通りのポーズで各コマサイズに収まるように描いて欲しいという無茶振り。他人が描いた下書き通りに描くのは非常に面倒臭く細かい作業なので「描き辛い作業でしかない!」と、くぼに嘆かれる(笑)私の方は24枚の下書き作業1日で完了。

ここまでの作業は3日しか、かかってない。1コマしかないページもあるのと、作業的に敢えて簡単にしているページもあるので、まあそんなものかと思う。文字入れのが時間かかる。くぼにはpsd画像(レイヤー数枚)付きでバトンタッチ。さて、くぼはどんな感じに描いてくれるのか?この段階では私も呑気なものだった。その後に、このやり方で首が絞まるのだった(笑汗)

2-3下書き

上の下書き原稿サイズに合わせて絵を描いてもらった結果がコレ
↓↓↓

マジで部品(笑)レイヤーに重ねるとピッタリの位置に来る。人間キャラは参考にするだけで全部、自分で描く予定だったけど戻って来た絵の少年が良かったので、そのまま使うことに。これで時短になるかと思いきや、そーでもなかった(汗)
24枚もあると絵は全部、自分で描いた方が早いのだった。

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↓↓↓

1ページを除いて23枚もの絵の部品をくぼに描いてもらう。部品を描くのに数日。簡単なようでいて面倒臭い上に難しかったとのこと。全部、自分で描いた方が早いと、くぼも思っただろう。そして、この後、私自身がそう思う羽目に…。

くぼからの戻し


3、組み立てたら、こーなった!?

部品組み立て。背景などを追加して仕上げる。下のページは比較的、簡単だけど、逆に自分で全部描いた方が早かった!というページも。自由自在に絵のサイズ変更も出来るし加筆修正だって何度も可能なデジタルだからこそ出来る分担作業。これはこれで有りだけど、私たちの場合は、くぼの絵をメインにするのが本来のユニットスタイル(稀に私くぼちーがメインを張ることもあるけど、ほとんどはアイデアやネタ作りの方で参加してることのが多い)こんな風に互いの絵をしっかり混ぜるのは手間暇がかかって不向きだなと改めて感じる。くぼも私も、かなり疲れた。

semi組み立て

他のページも並べて見ると、こんな感じ
↓↓↓

7変化

絵的な演出&修正を加えながら仕上げて行く
(一発勝負のアナログでは、こうは行かない。デジタルならでは)
↓↓↓

8しあげ


4、大人になった少年やっくん

くぼが描いてくれた大人になった少年はビジュアルが大人すぎた(笑)
これはこれで素敵だけど、私のイメージは少年っぽさを残してるので、くぼの描いてくれた絵を参考に「やっくん」は自分で描き直す。ただし後半の、やっくんの顔アップは少年っぽさを残して私の絵に近づけて描いてくれたので、まんま採用。
完全にタッチが違ってたけど(笑)

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くぼが描いた↑大人っぽい「やっくん」
下は私が描き直した少年っぽい「やっくん」
↓↓↓

少年

全体的に、くぼの上手いタッチと私の拙いタッチでは大きな差がある。セミキチの絵のみ描いてもらって、あとは自分で全て描いても良かったかなと後になって後悔。なぜなら私が、この原稿を仕上げるのに1週間以上も時間をかけてしまう羽目になったからだ。もちろん私も忙しい身なので朝から晩まで絵を描いてられるわけではないので仕方ないのだけれど、それにしても時間がかかりすぎたと反省。

だって私の絵だけで描いたら、たぶんこの原稿は1〜2日で描けたはずだった。下書きまで入ってたら私の原稿としては80%仕上がってるに等しい。私の作品は絵では見せてない。絵の技術が低い分、私の場合、原稿は脳内イメージで作られる。時間の無い今の自分は「絵は描いて上手くなればいい」というスタンスでいる。人生の時間も限られてる。あとどのぐらい作品と向き合える?絵が描ける?とにかく私は漫画をたくさん描きたいのだった。だから、それが私の正解だと思っている。

くぼにも今回の描き方は不評だった(笑)
パズルのように当てはめて絵を描くなんて、きっと窮屈だったのだろう。
久保マシンのユニットは、くぼの画力で、もっている。
私の画力でも大丈夫にするには私が自分流に描くしかないのだった。

それでも描いた『番外編』は個人的には気に入っている。
くぽりん、お疲れ様。幻の久保マシン作品になりそうだけどね(笑)


5、いろいろ2択で迷う

くぼから貰った部品も面白かった(笑)
こんな↓2択を迫られて迷いに迷った。状況から考えて右のが面白いんだけど、次のコマを考えて左を選択した。見せ場のセミキチが、こんなことになってて吹いた。しかもね、あのシーンは非常に難しいコマで、絵をどうしようかと悩んでたけど、くぼの描いてくれたセミキチの部品がこれだけだったのも面白くて笑えた。

セミカオ2

ネタバレに繋がるので全体は見せられないけど↓こんな感じになる。
セミキチの可愛い顔(左)も大好きだけど(右の)この変な顔も可愛い(笑)
<採用したのは左の方です>
↓↓↓

semiかお


表紙も2択で迷う
↓↓↓

1ラフ

どんな風に描こうか迷う。扉の絵は大事。だけど上手く描けなかった。脳内イメージはもっと雰囲気が良かった(再現できるほどの技術が無い私。笑汗)画力不足だから仕方ない。自分らしく描いたら何だかオカルト漫画っぽくなった(笑)くぼの描いてくれた少年の姿で救われる。ちなみに、くぼの描いてくれた絵は使えないほど雑だったので、それを真似て私が描いてる。↓左の絵が最初に描いてた表紙。バランスが悪いので加筆修正してみた。最後まで迷ってたけど右の方を採用。ちょっとマシになったけどオカルトっぽさは増したかも?(笑)くぼからは「おもろい絵だなぁ」と言われる。決して褒められてない気がするけど、ま、いいよ。

↓↓↓

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いろいろ実験的でもあった今回の作品。ユニットで出来ることと出来ないことが、まだまだある。次はどんなことを試そうか?また面白いことしたいな。

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↓↓↓

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最後にセミキチがnote編集部の
注目記事に選ばれてたという「まとめ」です
久々に紙吹雪が舞いました〜

セミキチでいただいたnoteの記録を載せておきます。直近ので拾えた分のみですが(昔のは追いつけない)感謝とお礼を込めて載せておきます。先日の、くぼ自身が書いた記事が選ばれました。連載秘話が非常に面白かったので、それが注目されたのでは?と思います。担当編集者とのやり取りが貴重な面白記事になってます。
その記事は→こちら


0529注目記事


はい、恒例の紙吹雪〜↓

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ホームからの注目記事↓

注目記事


よくよく見たらメール通知も来てました↓

スクリーンショット 2022-05-21 23.31.59


Twitterでもツイートされてたようで↓大感謝!

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こんなのもツイートされてました
↓↓↓

スクリーンショット 2022-06-02 21.09.48

2022.6.2. PM21:00頃に気づいて追加しました↑



<CONGRATULATIONS>
セミキチの記事限定で載せていますが
沢山のスキをありがとうございました!

スクリーンショット 2022-05-29 21.15.23
0415スキこんぐら
0425コングラ最終回


<オススメ>
ここに載せたのは、ほんの一部ですが
皆様からのオススメに大感謝です!
ありがとうございましたm(_ _)m

0415オススメ16
0426最終回オススメ
3オススメ新作
番外コングラ


長い長い記事を最後までお読みいただきまして
ありがとうございました!大変お疲れ様でした!

久保マシン(C)くぼちー

久保マシン著作権

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このマガジンは、久保マシン(Y)くぽりん、こと「くぼ やすひと」が、かつて某月刊雑誌に連載していたマンガ作品「汚れ犬セミキチ」を全編収納し…

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