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韓国名を名乗っていた小学校時代の出来事

本名は韓国名でした

私はもともと韓国籍で、30歳を過ぎてから帰化申請をして日本国籍になりました。

それまでの本名は、「金 庭源(キム ジョンオン)」。音の響き的に、完全に韓国人の名前です。
試しにGoogle検索したら、「もしかして:金正恩(キムジョンウン)」と出ました(笑)
むむむ。

私には姉と妹がいますが、姉と私は漢字を韓国式に呼んだ音です。ですが、姉の名前の音は日本人にもいそうな名前。

そして、妹2人は韓国でも日本でも同じ音で読む漢字を使っていて、音の響きも日本人にもいる名前です。なので、「金さんだから日本人じゃないけど、下の名前が日本っぽい名前だからハーフなんだろうな」と思われる感じ。

しかし、私の場合は「完全に外国の人」という感じですよね。韓国でも中性的な響きの名前らしく、名前だけ見て男の子だと思われたこともあります。日本で例えるなら、ゆうきくん、ゆうきちゃんみたいな感じでしょうか。

私は、この名前が本当にコンプレックスでした。

友達みたいに可愛い名前がよかったなと何度も思いましたし、なんで私だけほかの姉妹と系統の違う名前をつけたのかとも思いました。
はっきり覚えていませんが、親にも文句を言ったかもしれません。その結果、妹たちが日本人ぽい名前になったのではと推測しています。

家の中でも、私だけ名前が呼びにくいので、日本人の母は、私を「じょんちゃん」と呼んでいました。
父や韓国の親戚たちは、韓国人式で「정원(ジョンオン)」という名前に、「아」という呼び名をつけて「정원아(ジョウォナ)」と呼びます。
この呼ばれ方だけ、けっこう好きでした。

小学校では名前のことでからかわれることも

私が通っていたのは区立の小学校です。変わった名前だからといって、イジメられはしませんでしたが、男子にからかわれることはありました。

大韓航空機爆破事件の犯人だった「金賢姫(キムヒョンヒ)」の名前で呼ばれたり、キムチとか呼ばれたり、散々です。
(もちろん、一部の人がずっと言っていただけで、ほとんどの人からはイヤなことを言われたことはありません)

一番頭にきたのは、「お前、韓国人のくせに生意気だぞ」と変な男子から言われたこと。
当時、小学校5年くらいでしたから、彼個人の発想ではないと思います。おそらく彼の両親がそういう思想の持ち主だったのでしょう。

変な男子だったので、たいした被害はなかったですが、クラスで影響力のある子から、その絡みをされていたら、もっとイヤな目にあっていたかもしれないなと思うと、少し怖いですね…

しかし、こういう悪口って子どもは親に言えないんですよね。親が困ったり、悲しんだりするんじゃないかと思いますし。
韓国人であるお父さんには、もちろん言えません。怒ると相当怖かったので、相手の家に怒鳴り込みにいきかねません…

だいぶ時間が経って大人になってから母に言ったところ、「あんたも日本人のくせに生意気だって言い返してやればよかったのよ!」と言われました。その返しがよいのかは謎ですが…(笑)

そして、一番名前がイヤだなと思っていたのが、中学受験で通っていた塾です。
普段は決まった先生に教わるので大丈夫なのですが、夏期講習などになるといろいろな先生が来ます。
先生が出席を取るたびに、「えーっと、キンテイゲン君」と呼ばれ、「キムジョンオンです」と訂正し、クラスの子から外国人っぽい人なのかなと顔を確認され、「なーんだ普通じゃん」という顔をされるまでがセットでした。

先生も漢字だから読めると思うんでしょうね。メアリーとか、カタカナの名前ならそういうこともなかったのかも。
当時は、どうせハーフなら西洋人とのハーフがよかったなとか思っていました。
(西洋人と日本人のハーフの方には、私には想像もつかない大変さがあると思っています)

大学生から、日本名を使うようになった

その後、大学生になってからは通称名の日本名を名乗るようになり、帰化申請したときにその名前が本名になりました。

通称名を使うと、韓国人であることを隠したいのかなと思われるかもしれませんが、私は韓国とのハーフであることについて隠したことはありません。親しくなれば話すようにしています。
それは、韓国人とのハーフであることを隠すべきことであると、私は思っていないからです。

以前は国籍・名前と外枠はすべて韓国人。なのに中身は日本で生まれ育っていてかなり日本人に近い。そのギャップに違和感がありました。

しかし、今は国籍・名前は日本人で、中身は韓国要素30%ほどの日韓ハーフ。実態に近づけたので、楽に生きられているように思います。

うちの父は、私が15の時に亡くなったのですが、生きていれば帰化申請には猛反対されたのではないかと思います。

帰化申請については、またの機会にお話ししますね。

今日は、あまり言葉にしてこなかったことを書いたので、ちょっと気力を使いました。
読んでくださって、ありがとうございました!

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