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cinestill800Tは映画のように撮れる?

「映画のワンシーンを切り出したような写真が撮りたいなぁ…。」どんな写真を撮りたいのかと自問自答しているとよく出てくる思いです。最近では岩井俊二監督の「ラストレター」という作品を観ていた時にそう思いました。仙台まで行って映画に登場したカフェで写真を撮ってみたりもしました。季節も時間も違うし、機材も違うし、そう簡単にいくものではありませんが。でもそんなことをしたくなるくらい、映画のように撮れるという可能性には惹かれます。そこでフィルム選びをしている中で当然試したくなるフィルムがあります。cinestillシリーズです。(cinestillシリーズは映画用に作られたフィルムを改良して写真用にしたフィルムだそうです。)

格好良く撮れているような気分になってしまうフィルム

現像済みフィルムをスキャニングしてみてすぐに、これは危ないなぁ、と思いました。このフィルムで1度撮ってしまうと、次からは、何を撮りたかったは置いておいて、この何とも良い雰囲気の光や空気感を味わいたいということだけでシャッターを切ってしまいそうなのです。それくらいインパクトも魔力も感じるフィルムです。単純な僕は油断すると同じような写真ばかり撮っちゃうでしょう。上がってきたフィルムの内容を見るとすでにその傾向は見られます(笑)。まぁ、それほど心地よい色を出してくれるフィルムです。本当に気をつけないとなぁ。

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青が印象的です。FUJICOLOR100でマゼンタ寄りの写真を見た後だからか、余計にこの青が素敵に感じます。また色味の違いに加えて、写真によっては透明感のようなものも感じました。

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ハイライト部分は赤く滲むようで、それがまた写真に雰囲気を加えてくれています。

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この時のレンズはLeicaのオールドレンズNoctilux f1.0でした。ISO800でF1.0なら夜の街の撮影もかなり自由になります。むしろそれで撮れるとこまでで、今の僕には十分です。

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暗部は青みがかった印象。それが、映画の夜のシーンのようだと言われればそんな気がしてきます。

映画のような写真って?

映画といっても様々な場面や映像があるので、このフィルムが語られる時に言われる「映画のように」というのがどこら辺を指しているのかは、もう少し研究の余地があるでしょう。そもそも僕自身、どういう絵を頭に浮かべて映画みたいに撮りたいと思っているのか、イメージをもっと具体的にしなくてはいけないと気付きました。このフィルムを使ったおかげです。
また今回のcinestill8000Tは主に夜や室内での撮影向きでしたが、当然映画には昼間のシーンもたくさんあるわけで、昼間の光で撮るのが前提であるcinestill50も試してみないとなぁと思います。
少々、冷めたことを言っているようになってしまいましたが、それくらい頭を冷やして考えないと、単純な僕はフィルムに踊らせれてしまいそうなのです。それほどの魅力がこのフィルムにはあります。おそらく今後も何度も使いたくなるフィルムだと思います。

さて、冒頭の話に戻りますと、岩井俊二監督はフィルムだけで撮っているわけでなく、むしろその時その時にある様々な新技術や機材を試されていて、デジタルもバンバン使われています。ただその中にもフィルムライクに見せようとされている部分は常に感じられます。僕も今はフィルムを色々試していますが、その後でデジタルで撮れる絵が良い意味で変わってくれば、その時にはデジタルメインに戻すこともありかとも思っています。当分は気付き始めてしまったフィルムの魅力にどっぷり浸かりそうですが。

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