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院試の過去問の入手方法と出題傾向の分析

まず初めにこの記事をご覧ください。

外部受験者が特に困る点が、過去問の入手方法であると思います。HPにも過去問は掲載されていますが、5年分しか掲載されていません。

これまでは、研究室見学の際などに学生にお願いするなどの方法で、5年以上前の過去問を入手していた人が多かったと思います。しかし、そのためだけにわざわざ京都に訪れるのは時間的にも金銭的にも抵抗があるかと思います。

本資料では、ネット上で簡単に5年以上前の問題を入手することができる方法をお伝えします。これは京大の院試に限らず、基本的にはどの大学院の過去問や、各種資格試験などの過去問を入手する際にも活用することができる方法となっています。

過去問のダウンロード方法

京都大学が過去問としてHPに掲載しているものは5年分のみなので、外部生であれば直近5年分の過去問しか入手できないと思われがちですが、wayback machineというサイト(https://archive.org/web/)を活用することで、5年以上前の問題をダウンロードすることができます。

カラクリとしては、このサイトは過去のサイトのアーカイブを保存しているサイトになっているため、このサイトを介して、5年以上前の京都大学のホームページにアクセスすることで、その当時に公開されていた過去問を入手することができるというものです。

詳しい利用方法を説明します。(詳しいやり方が必要ない方は、ここを飛ばして頂いても大丈夫です。後に実際にダウンロードできるURLを記載しています。もしそのURLでダウンロードできない場合は、以下に記載した方法を試してみてください。)

  1. 過去に遡りたいサイトのURLを控えておきます。例えば、直近5年分の過去問が公開されているこのサイト(https://www.i.kyoto-u.ac.jp/admission/guide.html)を控えます。

  2. Wayback machine のサイトを開きます。(https://archive.org/web/

  3. 一番上のテキストボックスに、1で控えておいたURLをコピペし、BROWSE HISTORYをクリックします。

Wayback machine

4. しばらくすると、以下のような画面が表示されるはずです。見たい年を選択して(今回は2016年)青丸で表示されている日付のどれかを選んでください。その年月日のアーカイブページに飛ぶはずです。

2016年の検索結果

5. 当時のページが表示されました。ここで現在のように過去問を取得できるようになっていれば、そのリンクをクリックしてダウンロードしてください。今回の場合は、2016年当時はこのサイトでは過去問を配布していないようです。郵送or窓口で入手するようにとありますが、専攻のホームページで公開している場合があるとのことです。なので、今度は知能情報学研究科の専攻のホームページに飛んでみましょう。1と同じように、URLを控えます。今回は(http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/grad_exam/shushi-exam8/  に飛びます。これは知能情報学研究科の専攻ホームページで、現在は直近3年分の過去問を配布しています。

2016年当時の専攻ホームページでは過去問を掲載していない

6. 4と同じように開きましたが、今回の場合は2021年のアーカイブデータしかありません。これはおそらく、最近になってこのURLの場所に過去問を保存するようになったためで、2021年より昔はこのURLが存在していなかったのでしょう。より上位のURLはより昔から存在するはずなので、より上位のURLに飛んで、過去問の場所を探してみることにしましょう。(http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/)に飛んでみます。


2021年のアーカイブデータしかない

7. 今度は大丈夫のようです。2016年のページに飛んでみましょう。今回は3月のアーカイブを選んでみます。


より上位のアドレスだと2016年のページが存在する

8. 無事開けました。過去問がありそうなページに飛んでいきます。大学院入試情報→[参考]過去の入試問題(8月入試)に飛ぶと、お目当てのページが見つかりました。これで、2013〜2015年の過去問が入手できます。

大学院入試情報を選択
[参考]過去の入試問題(8月入試)を選択
無事過去問を入手できる

以上がダウンロード方法となります。とはいえ、2009年までこのようにしてダウンロードページを探すのは大変なので、以下に私が調べたダウンロードページのURLを記載します。このURLをクリックすれば、直接対応する年度の過去問のダウンロードページに飛べるはずです。もし、2008年以前の過去問を入手したい場合は、上記の手続きを試してみてください。

過去問のダウンロードURL 

2023, 2022, 2021
http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/grad_exam/shushi-exam8/ 

2023, 2022, 2021, 2020, 2019
https://www.i.kyoto-u.ac.jp/admission/guide.html 

2018
https://web.archive.org/web/20230518093219/https://www.i.kyoto-u.ac.jp/admission/pdf/kakomon/km_2018_ist.pdf

2017
https://web.archive.org/web/20210122074550/http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/content/files/admission/ist-exam-2017Aug-specialized.pdf

2016
https://web.archive.org/web/20180128075002/http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/content/files/admission/ist-exam-2016Aug-specialized.pdf 

2015
https://web.archive.org/web/20180128074948/http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/content/files/admission/ist-exam-2015Aug-specialized.pdf 

2014
https://web.archive.org/web/20160415103420/http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/content/files/admission/ist-exam-2014Aug-specialized(1).pdf 

2013
https://web.archive.org/web/20150514051837/http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/content/files/admission/ist-exam-2013Aug-specialized(1).pdf 

2012
https://web.archive.org/web/20150514061001/http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/content/files/admission/ist-exam-2012Aug-specialized(1).pdf 

2011
https://web.archive.org/web/20130129100326/http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/ist-exam/pdf/ist-exam-nyusi-h24-sennmon-syushi.pdf 

2010
https://web.archive.org/web/20110926001622/http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/ist-exam/pdf/ist-exam-nyusi-h23-sennmon-syushi.pdf

2009
https://web.archive.org/web/20100508234949/http://www.ist.i.kyoto-u.ac.jp/ist-exam/nyusi/h22/ist-exam-nyusi-h22-sennmon-syushi.pdf


過去問の出題傾向の分析

なお、令和以前と以降で傾向が大きく変化しています。令和以降は、基礎科目と専門科目に分かれて実施されており、基礎科目は微積・線形・アルゴリズムから4題、専門科目は心理学・統計学・パターン認識と機械学習・情報理論・信号処理・形式言語理論、計算理論、離散数学から各1題ずつ、計6題の中から2題を選択して解く形式になっています。ところが、令和以前の出題においては、基礎科目と専門科目に分かれているのは変わりませんが、基礎科目は「分野基礎問題」として、希望研究室の分野の基本的知識を問う問題であり、専門科目に線形・微積・アルゴリズムと他の専門科目が全て合わせて出題されています。令和以前の過去問を解く場合は、分野基礎問題は無視して、専門科目の問題だけを解けば良いです。(上記のダウンロードURLは全て専門科目の問題のURLのみ記載しています。分野基礎問題のURLは記載していません。)

また、2009年度までの過去問の、今回解説している分野と対応している大問番号は以下の表を参照してください。

注意点としては、過去の問題では、微分方程式・複素関数論が含まれていますが、現在は出題範囲外です。(2014年度 T-6)また、画像処理という分野があり、信号処理と非常に似ていますが、こちらも現在は試験範囲外です。

大問と対応する分野

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