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あと何回お寿司を食べられるだろうか

私の祖父母は齢90を超えて存命である。
祖父母ともによく食べ、よく歩いていたからか80代前半までは凄く元気に過ごしていた。

祖父母ともに普段は慎ましやかな生活をしているのに、孫の私がくるとお寿司食べるか、肉がいいかと私にお金を使おうとする。私が美味しいものを沢山食べているのを見るのが楽しいらしい。
自分たちにお金を使ってもいいはずなのに、私にお小遣いを渡し、私がそのお金でこれを買ったよありがとうと言うと嬉しそうにしている。

祖母は認知症があるため私の名前もわからなくなってきた。数分おきに誰だったっけと言われ、私はその度に自分と子どもの自己紹介をするようになった。祖父はそんな祖母とずっと一緒に過ごしながら同じことを繰り返し話している。
よく食べる祖父母だったが加齢とともに肉を受け付けなくなってきたためここ数年は一緒に食事をするときは専らお寿司屋さんに行っている。
先日会ったとき、祖母を見て随分痩せたなと思った。食べられる量も減っていたし、もしかするとあと1、2年ぐらいかもと覚悟してしまった。
祖父は認知症の祖母の面倒をみなくてはという使命感で生きている感じもする。祖母がさらに衰弱し先に逝けば後を追うように衰弱していくのだろう。

私はあと何回祖父母に会えるだろうか。あと何回一緒にお寿司を食べられるだろうか。

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