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Google NotebookLMはナレッジワーカーにとって最高のAIツールではないだろうか。

Google NotebookLMは、利用者が集めてきたテキスト情報に基づいてあれこれ回答してくれる生成AIツールです。Gemini 1.5 Pro を使って調べ物やアイデア出しに活用することができます。ポイントは、

  • 自分が集めてきた情報だけに基づいて回答してくれる。

  • アップロードしたファイルはAIの学習に利用されない。

  • ソースとして、Googleドキュメント、Googleスライド、PDFファイル、テキストファイル、URLを指定できる。

ということで、安全性を考慮しながら自分専用のAIをお手軽に作れることが強みだと思います。NotebookLMは先週より日本でも利用できるようになりました。利用上の注意点などは公式ページをご覧ください。


こういうのが欲しかった!

NotebookLMのニュースを見たときに、「まさにこういうの欲しかったんだよ!」とつぶやいていました。これまでも生成AIのサービスとして、ChatGPTやGeminiを利用してきましたが、自分で集めたローカルなLLMを作りたいなと思っていたのです。

ローカルLLMといえばAzure OpenAIやGPTsを使えばできるはずです。
しかし、Azureを立てるのは面倒ですし、アドホックにナレッジを探索するためだけにインフラをメンテしていくのは億劫で手を出していませんでした。GPTsはAzureよりもお手軽ではありますが、AIに目的を持たせないといけないので、ゆるい情報探索に使うにはちょっと違うかなと。

これらと比較して、(1)NotebookLMはお手軽に構築でき、(2)今のところメンテナンスは楽そうで、(3)調べ物に特化している、ということで私の用途にピッタリでした。

ということで早速使ってみたのですが、とてもとても快適でした!

試しにPDFファイルを要約してもらう

早速、Google NotebookLMのサイトにアクセスし、PDFファイルをアップロードしてみました。試してみたのは、今春公開されたばかりの「ITコーディネータ プロセスガイドライン 4.0 (GPL4.0)」です。PGL4.0はデジタル経営を導入するためのガイドラインで、従来の3.1から大きく内容が変わりました。また、今回よりPDFで無料公開されるようになりました。

ITコーディネータであればPGLを隅々まで目を通すべきですが、こうしたガイドラインは読むのがなかなか大変です。ということで、何がともあれまずは要約から。ドキュメントをアップすると要約文が自動的に追加されます。

学習ガイドを示してもらう

続いて、画面上部に出ているガイドからStudy Guideを選んでメモを生成してみると、復習問題が提示されました。これらの問に答えられるように読んでみなさいということですね。人は「問い」持って本を読む方が頭に入りやすいので、これは助かります。

続いて、チャットを開いてトピックスを整理してもらいました。これをざっと読むだけでもガイドラインのポイントがわかりますね。

気になるポイントを深堀りする

得られた情報をざっと見て気になるポイントを掘り下げてみましょう。ここでは「組織学習」に注目してみました。これはPGL3.1にはなかったトピックです。

回答を見ると引用番号がついているのがわかります。つまり、アップされた情報をしっかり見て回答しているのですね。番号をクリックすると、ファイルの該当箇所をハイライトしてくれます。これは便利!

サーチする

高度な文書検索機能として使うこともできます。たとえば、データ利活用に関する記述箇所を探してもらうと以下の通りになりました。

しかし、notebookを作り直したときに同じような質問をしてみると、全く違う回答が帰ってきてしまいました。まだ実験フェーズということでしょうかね。

上の画面は何度かトライした後のものです。当初と同じ文面で見当たらないといわれてしまったので、単語を変えたり表現を変えたりしてみたのですが、同じような回答が続きました。(一度「見当たらない」となると、それを繰り返すようにも見えます)

論文を読むのを助けてもらう

かなり使えることがわかったところで、技術論文を読むのを手伝ってもらうことにしました。調べ物をしているとちょくちょく英論文が引っかかるのでとりあえず保存はしておくのですが、英語が苦手なのでなかなか読めないのです。

ということで、Googleドライブを漁って適当なPDFファイルをアップしてみました。Bi-cross-validation of the SVD and the nonnegative matrix factorizationという論文です。確か、行列分解のランクを決める方法を探していたときに見つけた論文ですが、BCVというキーワードだけ見て詳しくは読んでいませんでした。

PDFファイルをアップするとざくっと要約を作ってくれました。しかも日本語で。これはいい!

要約を頼りに気になることを質問することもできます。また、チャットの下部に関連質問をレコメンドしてくれるので、探究心を刺激してくれます。すばらしすぎる!!

URLを指定できるのも良い

ここまではPDF文書をアップしていましたが、URLを指定して読み込ませることもできます。試しに、自分が書いたこちらのnote記事を読んでもらいました。4,700字のボリュームがあります。

ガイドをみると、要約文に加えて質問文がレコメンドされていますね。

試しに一つの質問文を選んでみると、詳しい回答を得ることができました。引用もしっかりついていますね。

このような形で長い記事をラクラク読むことができます。

まとめ

NotebookLMをザクッと使ってみて、これはかなり使えるのではないかと思いました。回答にばらつきがあるなどまだ改善の余地はありそうですが、ナレッジワーカーにとって優秀なアシスタントになるでしょう。

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