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記録をとること。アーカイブについて 前編 卒制ができるまで/01

2021/05/12 夜 (見出し:05/08 夕方)

こんばんは、初日なのでなんかもう一つぐらい書いておこうかなという感じです。ほりーです。

記録をとろうと思ってnoteを書き始めたわけですが、記録のとりかたに関しては文字以外も活用したいと思っています。

取る:文字とかメモ、イラストとか

撮る:写真とか動画とか

録る:声とか音とか

一つのことに集中するのも大事だと思いますが、それで続かなくなるくらいなら、いろんな「とる」を活用して続けていくことのほうが大事かなと。


せっかくなので記録すること、残すこと→「アーカイブ(archive)」について軽く調べておきます。

アーカイブとは

アーカイブ (archive) とは、重要記録を保存・活用し、未来に伝達することをいう。日本では一般的に書庫や保存記録と訳されることが多いが、元来は公記録保管所、または公文書の保存所、履歴などを意味し、記録を保存しておく場所である[1]。 Wipipediaより

公的な記録を保存する場所を意味している言葉なのか、資料単体というよりもそれが蓄積されている状態に価値がありそう。


アーカイブズの語源 アルケイオン

アーカイブズの語源 アルケイオンについての一考察 筒井弥生

次は、[アーカイブ 語源]で調べた際に出てきたpdfのリンク。
(調べているときに.pdfを見つけるとラッキーだと思う人はどれほどいるだろうか)

筒井さんはアーカイブズについて研究されている方らしく、この資料では語源とされるアルケイオンについて辞書等を使いつつ整理されていました。

アーカイブズとは,英語の archives の訳であり,フランス語の archive
(アルシーブ),ドイツ語の Archiv(アルヒーフ),イタリア語の archivio
(アルキヴィオ)などヨーロッパ圏では同根の語がある.フランス革命以
来,公文書を保存公開する機関(アーカイブズ)は,市民社会における市
民の権利を象徴する存在である.UNESCO は,2011 年 ICA(InternationalCouncilonArchives/ConseilInternationaldesArchives)(8)が提出した「世界アーカイブ宣言」を採択した.その一節には,「アーカイブへの自由なアクセスは,人間社会の知識を豊かにし,民主主義を促進し,市民の権利をまもり,生活の質を向上させる」とある.
アーカイブズの語源とされるアルケイオンは,LSJ によると,アルケー
という語の第二義,「第一番目の地位,権威」の形容詞の中性形名詞化に
よって,支配を意味するアルケーに属するものを表し,アルケーの動詞ア
ルコー(統治する)を為すアルコーンのオフィスを示す語,すなわち役所
のこととなる.また複数形は,公記録,アーカイブズを意味することがあ
る.
民主政治の揺籃である古代アテネの記録保存公開施設は,市民に対して,
記録の真正性を保障し,公開していた.残念ながら,市民とは成年男子で,
女性や子供,奴隷や外国人は含まれないという限定があるが,市民に限っ
てみれば,今日的アーカイブズに近い仕組みを持っていた.ただその呼称
はアルケイオンとは限らず,古代ギリシアでは,むしろブーレウテリオン
が市民の代表者による統治システムの場であり,記録保管公開施設であっ
た可能性が高い.

語源のアルケイオンは役所、複数形で公記録、アーカイブズを意味していて、古代アテネの記録保存公開施設は今日的アーカイブズ(公文書を保存、公開する機関)に近い仕組みを持っていた。ただ呼称はアルケイオンに限らず、ブーレウテリオン(市民の議会所、毎日500人規模で集まっていたらしい)が記録保管公開施設だった可能性が高い、とのこと。

語源から古代ギリシアの街が連想されるのは面白い。ブーレウテリオンについて調べたときに出てきた沢山遺跡の画像が掲載されているpdfのリンクを貼っておきます。(ブーレウテリオンの記載は31枚目から)

古代アゴラ(ギリシャ)

余談 アゴラって良いよね

余談ですが、アゴラって良いですよね。カフェの空間やコンセプトなどを構想していたときに、サードプレイスのカフェって現代版のアゴラだよね、という話を会社のメンバーと話していました。ソクラテスの問答法が炸裂していた場所でもあるそうです、最近はそういう場所絶滅危惧ですよね。


アーカイヴの病

「アーカイブズの語源…」の中で気になる項目がありました。

 ジャック・デリダの『アーカイヴの病』の日本語訳が(9)出版されてから特に,アーカイブズとアルケーとの関係が言及されるようになった(10).

アーカイブズとアルケーの関係、ではなくデリダの「アーカイヴの病」という本です。買って読むと収集がつかなさそうなので、全体像を掴むために書評を探してみます。

デリダについての前提知識がなさすぎて書評を理解できない悲しみ。

それにしても、なぜ「フロイトのアーカイヴ」なのか。一言で言えば、アーカイヴそれ自体が精神分析的な構造を持つためだ。その構造は無意識に似ている。その記録方式は記憶に、その分析は精神分析に極めて近い。
 そう、アーカイヴは、単なるデータの集積ではない。それは起源において矛盾を、「病」をはらむ。ならば「アーカイヴの病」とは何か。それはアーカイヴを成立させると同時に、それ自体を内側から食い破ってしまうような自律性を指している。
 病とは例えば「アーカイヴに対する強迫的で反復的、郷愁的(ノスタルジック)な欲望を、起源への回帰の抑え難い欲望、望郷の念、絶対の始まりの最も古代的な場所に回帰する郷愁」を抱え込むことだ。

アーカイヴ自体が無意識に似た精神分析的な構造を持つらしい。
ちょっと今回は一回軽めに流しておきます。

別の書評、こちらは長さゆえに比較的わかりやすく書かれていると感じた。

”(…)『アーカイヴ』の意味、その唯一の意味は、ギリシア語のアルケイオンに由来する。それは当初、上級政務官の、アルコン(アテナイの執政官)の、支配していた者たちの家であり、住居、住所、逗留地だった。政治的な力をこのように保持し示していた市民たちには、法を作成したり代表したりする権利が認められていた。このように公に認められた彼らの権威が尊重されたので、その当時公文書は彼らの元に(…)集められたのである。(『アーカイヴの病』p.3)”
(中略)
ある人が特定の作家の文書を集め保存する、それらが集積されるとともに特定の意味づけが行われ、一つの意味体系として権威化されていく
(中略)
このアーカイヴのモデルは、当初ほとんど存在しなかった資料が、様々な人の努力により徐々に蓄積されその意味付けも豊かになる、過去から未来への発展モデルとも言える。また、アーカイヴを占有する者(アルコン)に意味づけや権威づけが独占される暴力的な面も見て取れるだろう。引用に示されたようなアーカイヴのモデルを、デリダはアーカイヴの「アルコン的原理」と呼ぶ。
(中略)
アーカイヴはこの「アルコン的原理」だけで構成されるのだろうか。デリダは否と考える。彼は、「アルコン的原理」とは異なる、自身を未来から反復的に裂開していくようなアーカイヴの構造があると述べる。それがアーカイヴの「亡霊」的構造である。
(中略)
亡霊とは、到来する(未来的な)、アーカイヴに影響を与えるがそれ自身としてはアーカイヴ化されない、アーカイヴとは「他」なるものであるといえよう。また、亡霊はフランス語でrevenant(再来するもの)ともいう。亡霊は何度も反復して回帰するものであると、
(中略)
アルコン的原理に基づく「現勢的」アーカイヴに対する「潜勢的」アーカイヴとして影響を与える可能性もあるとデリダは考える。
無意識(亡霊的構造)と人間の主体性(アルコン的原理)との相互関係を、より具体的な場に即して具体的に考えていく必要があるのではないか。それが『アーカイヴの病』を読んでの、今の私の感想である。

もう引用ばかりで意味がわからなくなってきているが、

アーカイヴ(アーカイブズ)の意味はアルケイオンに由来する。
アーカイヴには
現勢的なアルコン的原理(権威を持つものがアーカイヴを占有し解釈していく根源的な法則)と
潜勢的な亡霊的構造(アーカイヴの解釈者が作者の想いに憑かれ、無意識的にアーカイヴの解釈に影響を与えてしまう仕組み)があるらしい。

一言でまとめるには無理があると思うので、正確ではないかもしれませんが、個人的にこの書評から解釈した言葉の意味程度にとらえて貰えればと思います。
(3時間位理解に費やしている気がする、何しているんだ)


このあとに、卒制につながってきそうな関連記事を見つけたのですが、なんだかんだでこのnoteに4時間ほど費やしていて、もう頭が限界なので続きは明日にでも書こうと思います。


03/04 近所の川

この頃は周りは知らないだろうけど、必死だった。終わってしまう空気感がどことなく漂ってきていて、タイミングを逃せば次はないような気がしていた。

その日は10日後にやってきた。

なんとか今があるのは、紙一重で「問い」を用意できたから、だと思っている。
この日は真夜中に散歩する気分だったのだろうか。

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