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「子供に将棋を習わせると頭がよくなる」←ほんまか?

はじめに


昨今、藤井五冠の活躍で自分の子どもに将棋を習わせたいという親御さんが増えているとかいないとか。
子供に将棋を習わせるとなんか。。。記憶力がよくなったり思考力が身についたり。。。いわゆる「頭がよくなる」んではないかと思っている方もおられると思う。少しそれについて考えてみよう。

朝ごはんとテストの点数

話は脱線するが、みなさんも「朝食を食べる子供はテストの点数がいい。」という話を聞いたことがあると思う。だが、実際には朝食を食べるとなんか脳にすごい良い影響があるという研究結果があるわけではない。現時点では、「因果関係」ではなく「相関関係」である可能性が高いといえる。

では、なぜ朝食を食べる子どもはテストの点数がいい傾向にあるかというと、「朝食を食べられる家庭の子はそもそも教育水準や生活水準が高い傾向にあるから」という説が有力視されている。教育水準や生活水準が高いと当然塾にいったり、両親が勉強の面倒を見たりなど、テストの点数が高くなりやすい。

将棋やってるやつ、意外と高学歴?


将棋を習っている子供にも同じようなことが言えると思う。たしかに、今年の夏の大学将棋全国大会(トリプルアイズ杯)の優勝は東京大学だったし、私が学生の頃の関西学生将棋のA級ラインナップはだいたい↓のような感じだった。(今もあんま変わんないと思う)

  • 立命館大学

  • 京都大学

  • 大阪大学

  • 神戸大学

  • 残り二枠を同志社、関大、関学、近大、大阪市立などで入れ代わり立ち代わりする

こんな感じで、ほとんどが関西の名門大学といえる。A級の大学のレギュラーメンバーは大概幼少の時から長年将棋をやっている(そうじゃないとぶっちゃけレギュラーになれない)。
つまり、言い換えれば将棋を幼少からやっている人は偏差値上位の大学に入ることが多いのかもしれない(推薦等も含めて)。

将棋以外にも高学歴の理由はありそう

だからといって、「将棋をやると頭がよくなる」というと、「ほんまか?」と言いたくなる。

私は先ほど紹介した大学のいずれかの将棋部出身で、他の大学の部員ともそれなりに交流はあったと思う。その人たちを振り返ってみると、割と一浪してたりとか、親が裕福そうな感じの印象を受けることが少なくなかった。私もそこまで家が貧しかったわけではないし。私は将棋を習っていたわけではないが、小学生の頃にも将棋に熱中した時期があった。だが、それのおかげでなんか頭にいい影響があったかといわれると、なんもなかった気がする。

子どもに将棋を習わせたい、その心意気だけで十分なのかもしれない

将棋を習わせる余裕のある時点で、そこそこ教育水準や生活水準が高い(浪人させたり、私学に通わせたりダブったりできるぐらい)家庭なんだろうなと思う。「将棋をさせると頭がよくなる」というより、「将棋を習わせる時点で頭がよくなる環境はそれなりに整っているので、勉強もできるようになりやすい。」んじゃなかろうか。あと、将棋にはまる子はその時点で結構考えることとかが好きなんだと思う。

あまり生活に余裕がない家庭が頑張って習い事の費用を捻出して、それを「将棋」に使うかという話でもある。あまり裕福でない家庭がなんか雑誌とか読んで「頭がよくなる!」と信じて無理して将棋をやらせるくらいなら、さすがにその金でそろばんとかやらせたほうが明確に効果があると思う。そろばんで得た能力はすぐに役立つが、将棋で得た能力は役に立ってるのかわからんまま生きていくことになりやすい(私のように)。
将棋を習わせると頭がよくなるかはわからないが、将棋というボードゲームの習い事にお月謝などを払える時点で、その家庭は勉強のできる子供を輩出しやすいのだろうと考えている。

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