5日で読むマネジメント[エッセンシャル版] Day1

ピーター・ドラッカーの『マネジメント』[エッセンシャル版]を5回に分けて読み、その要項をまとめる。

初日は導入〜第1章まで。
以降2章ずつ読み進めて5日目に9章を読み終える(予定)。

日本の読者へ(ドラッカーより)

1. マネジメントには基本/原則とすべきものがある
2. その基本/原則は各状況(組織体系, 文化)に応じて適用しなければならない
3. 基本と原則に即さないものは例外なく破綻する

文中で出現する例は古いがそれ自体は重要ではなく、本質(基本と原則)を悟り、自らのおかれた状況に置き換えて考えるべし。

まえがき - なぜ組織が必要なのか

社会を回すのは組織(そうでなければ全体主義)。個人は組織を通じて成果をあげることで社会に貢献し、自由と尊厳を手にする。
組織に成果を挙げさせるものこそがマネジメント。

本書の動機と目的はマネジメントによって成果を挙げさせること。

序 新たな挑戦

・組織がなければマネジメントがなく、逆もまた然りである
・マネジメントは成果に対する責任に由来する客観的な機能であり、権力等から独立した存在
・既存のものの最適化に加えて、新しいものの想像に関わる必要がある

肉体労働ではなく知識労働の生産性を高める。

- Part1 - マネジメントの使命

1. マネジメントの役割

組織はその機能によって社会や個人のニーズを満たすための手段である。何の組織か?が重要ではない。機能は何か?が重要。

1. 組織特有の使命を果たす
2. 働く人たちを金銭的・社会的地位等の観点から"生かす"
3. 社会の問題に貢献する
ex)すでに知られているものを管理し、成果の小さな分野から成果の大きい/増大する分野に資源を配分する

常に現在と未来とを短期的/長期的に見ていなければならない。
マネジメントが何をするか、どのようにするかは重要ではあるが絶対のものはなく、果たすべき役割によって決定されるべき

第1章 企業の成果

2. 企業とは何か

・利益は目的ではなく条件であり、妥当性の判定基準である
・企業の目的は顧客(市場/有効需要)の創造
・企業とは何かを決めるのは、企業の提供する"効用"に対して価値を認め経済活動を行う顧客である

企業はマーケティングによって顧客を理解し、イノベーションによってより大きな"満足"を生み出す新しい価値を創造する

そのために適切に"資源"を活用し、結果的に利益を生む。

3. 事業は何か

・我々の事業は何か、何であるべきかを明確に定義づけることが不可欠
・企業の目的と使命の出発点は必ず顧客であり、自社を顧客と市場の観点から見て初めて答えが出る
・出発点とすべき顧客は誰か?という問いこそが最も重要な問い

顧客はどこにいて、今日の財・サービスで満たされていない欲求は何かを考える。一度出した答えもいずれ陳腐化してしまうため、事業の定義に影響を与えうる社会の変化(人口構造, 経済構造, 流行, etc.)を予測しいつ定義に組み込むかを常に考えつづけることで現在の事業を修正し、延長し、発展させる。

定義を完全なものとするためには、顧客に満足を与えなくなったものは廃棄しなければならない。既存のもの(製品, サービス, 流通チャネル, etc.)が今日の社会の実態に合っているかを分析し、合っていないならばいかに廃棄し、あるいは資源の投下をやめるかを問う。

4. 事業の目標

・顧客が成果と貢献を求めるマーケティングイノベーションを中心として具体的な目標設定が必要
・それらの目標を達成するための費用として利益目標を問う
・具体的な目標は具体的な仕事の実行のためにある

企業は社会と経済の中に存在するものであって、目標が社会性を失ってはならない。また、顧客に提供するものだけでなく、内的な資源や生産性についての目標設定も必要であり、その実現のためにもまたマーケティングの考え方が必要となる。

目標設定の上では各要因の影響度と重要度の測定が難しい場合があるが、そのバランスをとり(優先順位をつけ)、生産性を向上することはマネジメントの重要かつ困難な仕事の一つである。

5. 戦略計画

1. リスクを伴う起業家的な意思決定を行う
2. その実行に必要な活動を体系的に組織する
3. 活動の成果を期待したものを比較測定する

いかなる未来を予測するかではなく、いかなる種類の/どの程度先までの未来を折り込んで 合理的な意思決定を行うのかが問題である。

戦略計画の成功はリスクの最小化ではなく、より大きなリスクの負担を可能にすることである。それによってこそ、成果を向上させることができる。リスクに責任を持ち、成果と成功に妥当な可能性を考慮に入れて意思決定を行うことがマネジメントの重要な仕事である。

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