見出し画像

#3 開催中止と今後について - 岩壁音楽祭2020

10/31(土)-11/1(日)に延期開催を予定していた「岩壁音楽祭2020」は中止といたしました。
ご来場を楽しみにされていた方々には申し訳ございません。
各種チケットをご購入済みの方は、必ず払戻し手続きが必要になります。お手数ですが、各プレイガイドからのご案内をご覧ください。

2020については延期ではなく、残念ですが「中止」としました。
判断はイベントによって千差万別ですが、岩壁音楽祭のケースが誰かの参考になればと、今回の判断についてここでシェアします。

また、開催中止を受け、岩壁音楽祭の今後についてもご紹介します。

イベント開催のレギュレーションを確認

当初 6/6(土)-6/7(日)開催予定だった「岩壁音楽祭2020」は、4月に秋への延期を発表。状況を見る時間を確保し、この間ずっと判断材料を集めていました。感染者数ももちろんですが、政府や自治体から発表されるイベント開催についてのレギュレーションなどもチェックします。
主にボトルネックになっていたのは感染状況と合わせて「県境をまたぐ移動」「参加者間の距離の確保」の2つです

「県境をまたぐ移動」は6/19(金)から一応 自粛要請解除になりましたが、イベント開催時の感染防止対策として「参加者間の距離の確保」は残ります。つまり、開催する際は動員を減らさなければいけない

画像1

https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/sidai_r020525.pdf 

例えば参加者間の距離を2m確保するのであれば、動員を50%にまで減らさなければなりません。これは、予算面でダイレクトにチケットや物販による売り上げの減収を意味します。これについては最悪 チケットの値上げや補助金による補填などで、収支を合わせることはできるかもしれません。

ただ、たとえ収支上成立したとしても動員を50%に減らせば、それはもう全く違う体験を提供することになってしまいます。50%もゆとりがあるのなら、そのゆとりを生かした企画(全員寝っ転がって聴くとか?)でなければ、100%集まれないことへの寂しさが常にある気がしてしまいました。

そして、こうしたレギュレーションに則っても結局「人が集まっている」ということへの不安が消えるわけではありません。感情の面で、いま、手放しにフェスに行こうというマインドになれないというのは岩壁運営メンバーも痛感していました。元も子もないですが、レギュレーションを徹底的に遵守しても、だからと言って「じゃあ安心だね」とはなれず、運営にも参加者にも不安がつきまとってしまいます。

延期をさらに延期するのか

では、さらに来年の春以降に延期するか。
これも結局、開催できる見通しがありません。そうやってどんどん先に伸ばしていくのは現実的でないし、当初の新鮮な気持ちが薄れていってしまうと感じました。

で、あれば今回はスパっと中止。その代わり、開催できる状況になったら絶対に再開する。チームで協議するうちに、皆このような心構えになれました。もちろん「岩壁音楽祭2020」が開催されないことは残念で名残惜しい。ただ、計画していたイベントをどうやって存続させるかを考えるのではなく、開催できると確信したタイミングでフレッシュに1から企画したいという気持ちで一致しました

①動員を減らして開催( ⇒ 別の体験になってしまう)
②来年以降への開催延期( ⇒ 薄れていってしまう)
③中止( ⇒ また必ず再開する)
*岩壁の場合、インターネット配信は本開催の代替手段になりえないため、選択肢に入れませんでした。ロケーションに起因する「岩壁音楽祭」は、実際に会場にいて体験しないのであればその本質から外れてしまいます。

画像3

今回の検討は「なぜフェスをやるのか」ということを真剣にチームで見つめなおす機会になりました。

岩壁音楽祭は「音楽フェスを手作りして得た知見を公開し、フェスを含むインディペンデントなチャレンジを後押ししていく」というモチベーションで起こりました。フェスを通してやりたいことはこれで、自分たちのゴールはそうやって生まれた他のフェスに行くことや、他の人たちのチャレンジで楽しくなることです
ここに立ち返ると、今すべきことは無理に維持開催を探ることではなく、中止の判断材料や考え方の公開。そして、従来型フェスが厳しいのであればそれ以外でできるチャレンジをして、その知見を広めることです。

岩壁音楽祭チームはこの状況下でもできる取り組みを展開し、オープンにしていく活動を続けていきます。

"従来型音楽フェス"以外の活動

これまでに岩壁音楽祭チームで取り組んだ活動についてご紹介します。

・DRIVE IN AMBIENT
ソーシャルディスタンスを確保した音楽イベントとして、全員が車で参加、開け放った荷台でくつろぎながら、アンビエント(環境音楽)を楽しむイベントです。

・GAMPEKI RADIO
岩壁音楽祭のポッドキャストチャンネル。SoundCloudで展開しています。
アーティストによるライブやミックスの音源を公開しています。

・HOMEWORK PROGRAM
アーティストがあるお題(HOMEWORK)に呼応したライブを行う配信動画企画です。
もともと、岩壁音楽祭のメンバーとMaltine Records主催のtomadさんがタッグを組んで、洞窟でイベントを企画していました。しかし、それが中止となってしまい、そのチームで新たに取り組む配信として立ち上がったものです。
アーカイブもあるので是非チェックしてみてください。


これらの企画は現状の制約のもと0から作ったものです。
イベント自粛がきっかけで生まれましたが、事態が収束した後も継続できます。
そしてここで得たノウハウは「岩壁音楽祭」でも活用できる。配信やポッドキャストをPRや当日連動させることも可能だし、フェス駐車場で "DRIVE IN AMBIENT" を夜間にやってもいい。来るいつの日かの「岩壁音楽祭」をさらにグレードアップさせられます。

画像2

知見を広めることが目的である岩壁音楽祭は、東京に比べてイベントが少ない山形の地で開催しました(東京が圧倒的多いだけですが)。
そしていま、外出・移動・集会が難しくなってしまい、地域に関わらずイベントができない状況にあります。岩壁音楽祭チームは事態を注視しながらこの状況下でできることにチャレンジし、オープンソース化して活動の輪を広げていきたいと思います。

質問・助言・雑談、なんでもぜひ連絡ください。

「岩壁音楽祭」についても、開催できると思えたら、必ず再開します。
またいつか、岩壁の許に集まれることを、楽しみにしています。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?